ある管理職の方から相談です。
「叱らずに部下や社員を
動かすことができますか?」
読者のみなさんは、どう答えてあげますか。
◆叱るということは相手を責めること!?
多くの方が「叱る」と相手を傷つけてしまい
自分も嫌な思いをすると考えています。
なぜ、叱ると相手を傷つけたり
自分が嫌な思いをするのか。
それは、「叱る」を「責める」「怒鳴る」というように
相手を否定し自分の感情を晴らすために使っているからです。
社員を凹ませて「すみません!」と
反省させれば叱る目的を果たしたと思いがちですが
これでは、人間関係が壊れるだけで
社員の行動変革どころではありません。
◆本当の叱り方は相手を正しい方向に導くこと
本当の「叱る」は、相手に本来の行動をして欲しい
本来の姿になって欲しいと願いや期待を伝えることです。
組織で言えば、目的・目標達成のためや
組織の大切にする価値観を守るために叱るのです。
例えば、組織の目的目標を達成するために
社員の間違った発言や行動に対して
「それは違うよ!相応しくないよ!」と叱る必要があります。
社員に私たち組織の目的や目標を伝え
「正しい方向に行こう」と声を掛けることが本当の叱り方です。
だから叱られた社員も
「あっ、そうか私は間違った方向へ向かっていたんだな」
と気づくことができます。
◆まずは質問して社員の内省を促す
ただ、人は「それは違うよ!」と言われて
自分が責められると勘違いする場合があります。
緊急ではないときは、
「この行動についてどう思う?
今回の結果についてどう思う?」と質問してあげましょう。
質問することで自分は責められているのではないと安心できます。
だから、自分の行動や出した結果について考えることができるのです。
社員が自分のことについて振り返りすることは、
社員が行動変革をする上でとても重要なことです。
この振り返りが社員の内側から
「直さなければいけない!直したい!」
という気持ちになるきっかけになるからです。
一方、社員を責める「なんでそんなことになったんだ!」は
社員を何も考えられない、もしくは言い訳を考える
思考停止の状態に追い込んでしまう言動です。
◆叱られたいという関係性をつくっておく
さらに、この上司の話を聞いてもいいなという関係性をつくりましょう。
普段から社員に関心を持って笑顔で挨拶をしたり
おつかれさまの労いやありがとうの感謝を伝える。
社員の意見やアイデアを否定することなく
「そう考えているんだね」と共感する。
組織の目的や目標達成に向けて
大切な価値観を守るために相応しい行動をした時は
「いいね!凄いね!素晴らしい」と称賛することも忘れないでください。
叱る褒めるは車で言えば両輪です。
組織の目的や目標達成をするために
正しい道を進むために両方が必要なことです。
最後にそうは言っても叱ることは
上手くいかないこともあると思います。
挫けるときもあると思います。
社員に誤解されることもあるという前提で
社員と向き合い対話するという勇気と覚悟が必要です。
この勇気と覚悟こそ、社員を導く大きな力となります。
◆今回の質問
【どんな叱り方をすれば、
社員として相応しい行動をとれるようになりますか?】
次回に続けます!お楽しみ!
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