今回から趣を変えて
東京商工会議所世田谷支部で行った
「優秀なリーダーが陥る落とし穴」
 
セミナー内容からお届けします。
どんな話になるのでしょうか。
 
では、物語のはじまりはじまりです。
 
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優秀がゆえに部下を信用できない!?

 
吉田部長
情熱所長、「泣いて馬謖を斬る」という諺を知っているかな?
規律を保つために、たとえ愛する者であっても、
違反者は厳しく処分することのたとえだね。
 
情熱所長
え~と、聞いたことありますね(汗)
確か、三国志ですよね.
 
吉田部長
そう、三国時代の諸葛亮(しょかつりょう)が
後継者として重用していた部下の馬謖が
命令違反したので斬罪に処したそうだ。
 

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情熱所長
そうだったんですね。
諸葛亮といえば、天才軍師ですよね。
映画『レッドクリフ』で観ました。
 
人数も武器も少ないなか、
敵を翻弄して戦に勝つシーンはカッコ良かったです。
でも、そんな天才軍師が自分の後継者として重用していた部下を
なぜ斬罪にしなくてはならなかったのでしょうか。
 
吉田部長
あるとき、諸葛亮が部下の馬謖に
敵と闘うために指示をだしたそうなんだ。
『陣地を山の上に築いてはいけない』と。
 
そこで馬謖は、どうしたと思う?
 

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情熱所長
それは、山の上に陣地を築いては
いけないと指示をされたんだから
 
山のすそ野かその辺に陣地を築いて
戦ったのではないでしょうか。
 

部下が反抗したくなる上司の指示!

 
吉田部長
ところが、馬謖は山の上に陣地を築いたんだ。
だから、敵に包囲されて降参するはめになった。
 
情熱所長
えっ、それでは命令違反じゃないですか。
 
吉田部長
そうなんだ。
馬謖は命令違反をしてしまったんだ。
 
なんで、命令違反をしてまで陣地を山の上に築いたのか
わかるかな?

情熱所長
えー!なんで、でしょうか!?
 
吉田部長
例えば、情熱所長だったらどうだろうか?
情熱所長は優秀な所長だと私は思っている。
 

自分のやり方でやりたい!気持ちを大切に

 
情熱所長
それほどでも(汗)
 
吉田 部長
私が情熱所長にあれやこれやと
わかり切ったことを指示したらどうなるだろうか?
 

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情熱所長
そうですねー。
指示をされたら嬉しいですと言いたいところですが
もうそんなことわかっているから煩わしく感じますね。
 
「私のやり方でやらせてください!」
 
と心の中で叫んでしまうと思います。
 
吉田部長
そうだろう。
やる気がなくなるし
自分のやり方でやらせください!
と思ってしまう。
 
きっと、馬謖もそう思ったのでないか。
絶対勝てないと言われている山の上に陣地を構えて
敵に勝ち、自分の優秀さを示したかった。
 

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情熱所長
なるほど、そうだったのか。
馬謖は自分を認めて欲しかったのですね。
 
だから正しい判断ができずに
無謀なことをしたのかもしれませんね。
 
吉田部長
結果、それが命令違反になり
敵に負けてしまった。
 
たとえ重用していた部下であろうと
命令違反は許されることではない。
 
泣く泣く諸葛亮は馬謖を罰しなくてならなかった。
諸説あると思うが、
それが「泣いて馬謖を斬る」になったのではないかな。
 
情熱所長
なんだか馬謖の気持ちがわかるような気がします。
リーダーの指示の出し方って簡単ではないですね。
 

部下も巻き込んで一緒に考える

 
吉田部長
そうだね。
もし諸葛亮が事前に馬謖と
今回の戦について話し合っていたらどうだろうか?
 
「馬謖、今回の戦いについてどう考えている?
山の上に陣地を築いたらどんなリスクがあるだろうか?」
 
こんな風に質問して馬謖の頭で考えさせて
作戦を練り上げていけば
状況は変わったかもしれない。
 

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情熱所⾧
上司が部下に指示を出すときは
ただ、やって欲しい!と伝えるのではなく
仕事の目的を伝え
どう行動すれば良いのか
本人に考えさせる必要があるわけですね!

 
吉田部長
そうだね。
そうすれば、本人も納得して行動できるね。
もし相違点があれば、そこで意見を交わせばいい。
良いアイデアが生まれてくるかもしれない。

 
情熱所長
それに、対話も増えてお互いを知れる機会になりますね
 
吉田部長
そうだね。
信頼関係を深めるチャンスになるね。
 
情熱所長
今回も良いお話をありがとうございました。
指示を出すとき、部下の状況を考えて
質問から始めるようにします。
 

今回の質問

 
【上司のあなたの指示は部下を天邪鬼にしていませんか?
もしそうだとしたら、どんな指示をだしますか?】
 
次回に続けます!お楽しみ!
 

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参考文献
「自分の頭で考えて動く部下の育て方」篠原信著 文響社 
 
著書の紹介です。