こんにちは!
人と組織を咲かせる人財育成コンサルタント
吉田裕児です。
 
社員や部下との「1on1」(面談やミーティング)で上手く相手の本音を引き出せないと感じたことはないでしょうか。多くのリーダーが悩むところです。
 
上手くいかない一つの原因が、相手の自主性の状態にマッチした「1on1」の進め方をしていないからだと考えられます。

部下の自主性の5つの状態

『A状態:できれば仕事をやりたくないと思っている』
『B状態:やることをやって早く帰りたいと思っている』
『C状態:普通に頑張りたいと思っている』
『D状態:結果を出したいと思っている』
『E状態:自分を変えていきたいと思っている』

 

 

今回も、部下の自主性の状態に合わせた「1on1」の進め方を吉田部長と情熱所長の対話からお伝えします。

 
それでは、はじまりです!
 

自分では気づいていないグッドポイントに気がつかせる

吉田部長
情熱所長、部下の自主性の状態に合わせた1on1の調子はどうかな?
 
情熱所長
はい、前回教えて貰った
『やることをやって早く帰りたいと思っているB状態』
の部下に1on1をやってみました。
 
吉田部長
おー、いいね!
やってみてどんなことに気づいたかな?
 
情熱所長
そうですね。
やっぱり、行動したことのグッドポイントを聞いてあげることが良いと思いました。
部下も自分では気づいていない自分の良いところに気づけることができて、
やる気につながったと思います。

 
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前回の記事『自主性の低い部下との1on1の進め方』
 
吉田部長
それは良かった!
今回は『普通に頑張りたいと思っているC状態』の部下について説明しよう。
まず、この状態の部下との1on1のポイントはなんだと思う?
 
情熱所長
うー、なんでしょうか。
ゴールを確認することですかね(汗)
 

部下が次の一手を考える力をアップする

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吉田部長
それもあるんだが、一番のポイントは、
次の一手を考えられる力をアップさせること
だ。
それを意識して1on1を進めて欲しい!
 
そして、
1 君のゴールをもう一度聞かせてくれないかな?
(ゴールの確認)

2 これまで、どんな行動をしたのかな?
(行動の確認)

3 やってみて、どんなことに気づいたかな?
(気づきの確認)

4 次のアクションは、どうすればゴールに近づくと思う?
(アクションプラン)

 
という順番で最後にアクションプランを自分で決められるようにしてあげて欲しい。
 
情熱所長
なるほど、普通に頑張りたいと思っている部下に
自分でアクションプランを考えられるように導くわけですね。
 
吉田部長
そうそう。
部下が自分でアクションプランを考えられる能力がつくように進めることがポイントだ!
 
その上で、1on1で意識して欲しいことがある。
なんだかわかるかな?
 
情熱所長
えー、なんでしょう。
簡単なようですが、進め方や上司の意識にポイントがありそうな気がします。
 

部下のゴールの再確認

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吉田部長
そうだね。
まず、最初の質問の(①のゴールの確認)では、
当初のゴールがズレている時があるので、
 
「最初に決めたゴールと違う気がするけど、何か修正した部分はなるかな?」
というように本人の中でのズレ、上司と部下とのズレを確認して
軌道修正してあげる必要がある
ね。
 
情熱所長
なるほど、ゴールが進捗によって変わっていくこともありますね。
それを上司が知らないようでは支援もできませんね。

具体的なイメージが浮かぶようにする!

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吉田部長
そうなんだ。ゴールをいつも確認してくことは重要になる。
次に、②「これまで、どんな行動をしたのかな?」の質問では、
答えが、「〇〇しました」というように漠然と答えになることがあるので、
 
「具体的にはどんなことをしたのかな?」
「ほかには、どんなことをしたのかな?」
 
と、部下が行動したことをイメージできるように質問してあげることが大事だ。
質問だけではく、「そうなんだ」というように共感してあげると
さらに、部下のイメージは膨らんでいくよ。
 
情熱所長
そうですね。
「具体的には?他には?」と質問してくれると行動がはっきりイメージできますね。
さらに「そうなんだ」と共感してもらえると、どんどん話したくなります。

 
吉田部長
そうだろう。
さらに、行動を具体的にイメージすることによって
③「やってみて、どんなことに気づいたか?」という質問の
行動したときの『気づき』が発見しやすくなるんだ。
 
情熱所長
なるほどー。ここ重要ですね。
焦らずに部下の行動の深堀をしていくようにします。
 

沈黙は部下が考えている時間

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吉田部長
いいね。じっくり部下の行動の深堀をしてみよう。
次に③「やってみて、どんなことに気づいたか?」という質問では
部下は一生懸命に考えているから、沈黙するときもある。
 
沈黙のときは部下が考えている時間なので
「ゆっくり考えていいよ!」と笑顔で待っていることも必要だ。

 
情熱所長
そうですね。部下が沈黙していると、
どうしても次の質問を考えてしまったり、アドバイスしたりしまいますね。
 
吉田部長
それは、多くの上司がやってしまうことだけど、
部下の思考を奪ってしまっていることになるんだ。
 
さらに、もう一つ気をつけて欲しいことは
部下の気づきが上司にとって大したことでないときでも
「そうなんだ。そんなことに気づいてんだ」
と、しっかり受け止めて欲しい。
 

どんな気づきも部下にとって貴重な気づき

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情熱所長
ここは、難しいですねー(汗)
つい、「そんなことしか気がつかないのか」と見下したり
「ここは、こういうことに気がついて欲しい」と
アドバイスしたくなってしまいます(苦笑)
 
吉田部長
そうそう、ここは難しいかもしれないけど
当初の目的、『次の一手を考える力をアップさせる』ことを思い出して欲しい。
 
だから、部下のペースに合わせながら
程よい好奇心を持って部下の『気づき』に関心を持って欲しい!

 
情熱所長
そうですね。
1on1の目的と部下に関心を持つことを忘れてはいけないですね。
 
吉田部長
そこまでやってはじめて
④の「次のアクションをどうすればゴールに近づく?」という質問が機能する。
 
部下は行った行動やそこからの気づきを自分で認識することで
次のアクションプランを考えることができるんだ。

 
情熱所長
わかりました!
単に質問すればいいわけでなく
この①から③の流れを部下のペースに合わせながら丁寧に進めていくようにします!
 

それでは、今回の質問です。

 
「普通に頑張りたいと思っている部下との1on1の目的はなんでしょう?」
 
次回に続けます!お楽しみに!(^o^)v
 
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「部下が変わる本当の叱り方」明日香出版社