テムジンはいつまでも階段を登らなかった。
階段の存在さえ気がつかなかった。
その後階段があることは分かったのだが、
自分が歩くものだとは思っていなかったらしい。
いつ登るだろう?
というわけで息子と賭けをした。
○○まで。
○○以降。
これは私の勝ち。
信じられないくらい長い事階段が登れなかった。
ある日息子が外出から帰ってくると
二階でネコが走り回っている音がした。
上がってみるとジョリと追いかけっこをして
走り回っているテムジンを発見。
これで一つ難関は突破。
さて、今日の夕食時。
テムジンはまだ柱が登れない。
柱の下のほうには荒縄が撒いてあって爪とぎになっている。
そこを何度も登るのだけれどその上の棚まで行き着かない。
何ヶ月も登ってはそこで降りるという事を繰り返していた。
それが今日はいきなり棚に手をかけて登った。
やっと登れた!
それからは同じ要領でその上の棚、またその上の棚と登り
とうとうキャットウオークまでたどり着いた。
と、思ったらTVのうえへ飛び降りて、
下まで降りてきた。
それからが面白い。
テムジンも楽しかったに違いない。
うれしかったに違いない。
なぜなら、降りてきてはまた縄をよじ登り、
棚を次々に登って行く。
キャットウオークへ行ってはまた降りて来る。
何度も何度も繰り返すその顔が真剣だが満足そうだ。
そういえばハンタに新しいトイレを買ってやった時、
ハンタはうれしくって5分も待たずに何度もトイレに入ったっけ。
新しい爪とぎを買ってやった時も喜んで
何度も何度も爪とぎに爪をとぎに行ったっけ。
男の子ってうれしさをこんな風に表現するのかな~?
女の子もするのかな~?
こんな時飼い主は「あ~猫棚を作ってやって良かったな~」
とか「爪とぎを新しくしてやってよかったな~」なんて思うのだ。
これを飼い主冥利に尽きるというのだろうな。