三十郎 | ネコに学ぶ21世紀を生き抜く法

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気がつけば一月以上経ってしまった。
風邪をこじらせて2週間もうだうだしていた4月。
その後はセミナーの準備に追われたり、家の整理に追われたり。

そんなある夜、保護したのは生後3日目の2匹。
4匹のうち2匹は既に息絶えていた。
母ネコは朝出たきり帰って来ず、子猫は一日何も食べていないと言うことだ。
急遽夜間診療所へつれてゆく。
そこまでも一匹はもたなかった。
最後の一匹だけでも死なせてなるものか。
しかし・・・
こういうところって、こんなに危ない子でも入院させてくれない
ものなの?

湯たんぽを入れてタオルで包み朝を待つ。
朝一番でかかりつけの獣医へ行く予定だった。
そのほんの30分前、

「鳴いてないよ。呼吸してないんじゃないか?」 と息子が言う。
あわてて覗いたタオルの中で子猫は動かない。
もう声も立てない。

一人前の猫に死なれるのも、生まれて3日目の子猫に死なれるのも
心が受ける辛さや空しさは同じだと言うことが分かった。

あんなに小さいのに、まだ臍の緒がついたままなのに、
一晩しか我が家に居なかったのに、それでもチビの存在が
とても大きかったのだと、思い知らされた。

あ~あ、何とか大きくなって欲しかったな。
あのムニムニと動くまだ毛も生えていない
小さな手足を、家中駆け回るようにしてやりたかったな。

雨が上がるのを待って、庭に穴を掘り
二匹を向かい合わせに寝かせて埋めた。
「すぐに戻っておいでよ。待ってるからね」そう言って埋めた。

いつ戻ってきてくれるかな~。

「せめて名前だけでも残してやろう」
そういって息子がつけた名前。
女の子=よしえ
男の子=三十郎 だって。