8月5日12時33分、ミシェルが天国へ旅立ちました。
それはそれは安らかな旅立ちでした。
立派な旅立ちでした。
体調を崩してほぼ20日間、
時には我々の差し出すものを食べたり飲んだりしてくれました。
信じられない程よれよれの足で、時には自力で階段を降り、
自力で二階へ上った日もありました。
どこにそんな力があるのだろうと思うほどでした。
何も口にしなくなって4日程経った頃、
世の中には何も口にせずに1年も2年もひっそりと生きていた猫もいると
息子が聞いてきました。
「ミシェルと全く同じ状態だって」
そうか・・・・これが老衰というものだろう。
それならむやみに悲しまず、我々も明るく過ごそう。
ミシェルだって、我々の明るい気持ちを受け止めて、
必要以上に悲惨な思いで老後を過ごす事は無いだろう。
必要以上に暗くなる事も無いだろう。
ミシェに一杯の感謝を伝えて、最後まで出来る限りの愛を注ごう。
最後は優しい気持ちで、穏やかに迎えさせてやりたいと思いました。
苦しまず、ひっそりと息をしているミシェル。
苦しまないと言う事は本当にありがたいことです。
互いの様子を分かり合っている・・・幾日か、そんな空気が流れていました。
12:00頃、二階のミシェルが鳴きました。
最後に我々を呼んだのです(そうとしか思えない)
それからほぼ30分、ろうそくが消えるようにと、よく言われますが
それ以上にひっそりと少しずつ呼吸が消えて行きました。
我々に看取られての死でした。
急いで呼んだ娘だけが間に合いませんでしたが、
娘と孫の状況は分かっていたでしょう。
素晴らしい死でした。立派な死でした。
最後まで一人でトイレへ行ったし、我々を煩わせることが
ほとんど有りませんでした。
ひっそりと寝たきりの幾日かを過ごし、
最後の最後に我々を呼ぶなんて、カッコ良すぎます。
死に目に会えなかった娘は、
ミシェルを本当に可愛がっていました。
死んだミシェルにいつまでも話しかけていた様です。
「もうこの家に来る用事が無くなったね」(おいおい、私がいるじゃないか)
ミシェが旅立って半日。
明日からこの家に、
みんなの「ミシェ~~~!」という声が聞こえないのだと思うと
無性に悲しくなりました。
ミシェル、今日まで本当にありがとう。
あなたがいてくれて、私達はどんなに幸せだった事か。