まるまるの毬/西条奈加 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。




おはようございます
今日は暑くなりそうですね
熱中症に気をつけましょう



時代小説が大好きです
直木賞作家の西条奈加さんの作品を
初めて読みました
とーっても好みで面白かったです
吉川英治文学新人賞受賞作


『まるまるの毬(いが)』西条奈加著


麹町で小店の菓子屋「南星屋」を営む
治兵衛と娘のお永、孫のお君

親子三代での商いは
治兵衛が諸国を周り覚えた菓子を
日替わりで作り売る
珍しさと美味しさと安さで
繁盛しています

登場するお菓子のなんとも
美味しそうなこと!
穏やかで優しい治兵衛
物静かでしっかり者のお永
怖いもの知らずで
チャキチャキの江戸娘のお君
治兵衛の弟で高僧の五郎は豪放磊落

嫌な人間は
ひとりも出てこないお話かと思いきや
静かに真面目に商売をしていても
災難は降りかかってきます
理不尽すぎる

それは治兵衛の出生に秘密がありました
武家出身の治兵衛が
なぜ菓子職人になったのか?
それは上様のご落胤だから
うーん、本人に罪はないのに

治兵衛の生い立ち話や
お永と元夫の逢瀬、お君の縁談話など
読み応え満載の人情物語で
涙あり笑いあり

南星屋さん、シリーズ化して欲しい!