透明な夜の香り/千早 茜 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。




6月なのに
連日の猛暑、堪えますね
お互い熱中症にはくれぐれも
用心いたしましょう


さて友人が貸してくれた本を読了しました
以前『始まりの木』を教えてくれた
優しい物語を好む彼女チョイスに
期待たっぷりで読み始めました
傷ついた人たちが再生していく姿は
読む側にも勇気を与えてくれます
洋館の庭の描写が素晴らしく
季節ごとに咲く花々、生い茂る薬草、
青々とした樹木、、、
映像のように目の前に浮かんできました
気持ちのあがる読書時間となりました



初読み作家さん
『透明な夜の香り』千早茜著



過去を乗り越えられないまま
仕事に行けなくなった一香(いちか)と
何もかもを匂いで察してしまう
調香師の朔(さく)

朔の働く洋館に家政婦兼事務員として
勤め始める一香
匂いについて様々な制約を受けつつも
彼女は静かな職場に馴染んでいきます
匂いで嘘を見抜く朔の秘密に触れ
少しずつ近づく2人

一香の友人、さつきちゃんや
朔の幼馴染の新城、庭師の源さん、
脇役の皆さんの個性と優しさが
2人をどれだけ救っているのか

小さな事件が起きたり
美味しそうな食事風景が
たびたび登場したりします
繊細な主人公2人の
苦悩や生きづらさだけをことさら
描き込んでいるわけでなく
物語としてとても面白かったです

次は直木賞作品へ!