あしたの君へ / 柚月裕子 | 我が家の本棚

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お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。





おはようございます〜





お気に入り作家さんの作品
ひたむきに頑張る若者を
純粋に応援したくなりました
サラっと読みやすくて数時間で読了
続編を描いてくれないかなー


『 あしたの君へ 』柚月裕子著


家庭裁判所の未来の調査官として
第一歩を踏み出した望月大地
研修の間、調査官補(見習い)として
九州のとある市へ赴任します

大地が扱う案件とエピソードが
五話描かれています

①17歳 友理 窃盗
②16歳 潤 ストーカー容疑
③23歳 理沙 大地の初恋相手の今
④35歳 可南子 モラハラ離婚
⑤10歳 悠真 親権争い

家庭裁判所調査官の仕事とは
問題を抱えた当事者の背景を調査し
持っている専門知識を生かして
調停委員や裁判官をサポートしながら
紛争を解決へ導くこと、とあります

若い大地には厳しい仕事です
当事者の背景は複雑で
調査をするには
まず自分の考え方や捉え方を
わきにおかねばなりません

①ラブホテルに男を誘った女子高生が
なぜ財布を盗んで逃げたのか 

②教育熱心な家庭で育った優等生が
なぜ元彼女を刃物で襲おうとしたのか

③初恋相手の理沙は資産家へ嫁ぎ
子供を産んで幸せに暮らしていたはず
意外な真実を大地に打ち明けたのはなぜか

④仲睦まじく見えた夫婦なのに
なぜ妻は頑なに出来た夫を拒否するのか

⑤両親の離婚問題で揺れる小学生は
なぜ何も語ろうとしないのか

どの案件も闇が深い
親族間の揉め事は解決がいかに
難しいか、、、一端に触れた気がします

大地の、自信の無さからくる
誠実さや優しさや曖昧さは
とても人間らしくて安心します
きっといつか立派な温かい調査官になる
そう思わせてくれる物語でした