春に散る(上・下)/ 沢木耕太郎 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。





2021年1月も
気がついたら下旬

大変遅くなりましたが
本年もどうぞ宜しくお願い致します!

コロナで先の見通せない日々は
どこまで続くのだろうと思いつつも
1日の終わりには
今日も無事に過ごせて良かったなと
布団に入り数分で爆睡
最近睡眠の質がとても良くて
異様な早起きをせずに済んでます
ちゃんと寝る、は大事ですね



さて読書
年末に遊びにきてくれたMちゃんから
是非読んでみて!と渡された本です
本当にお久しぶりの沢木耕太郎さん
とても素敵な物語で
ラスト泣いてしまいました



『 春に散る 』上・下巻


広岡仁一という
ひとりの男性の春から春までの
1年間を描いたお話です

。。。。。

40年ぶりに日本へ帰ってきた
元ボクサーの広岡は
若い頃に同じジムで世界を目指した
仲間3人と再会

それぞれが事情を抱え
恵まれた環境にはおらず全員独り身
そこで広岡はあることを思いつきます
それは借り上げた一軒家での共同生活
かつて同じ寮で一緒に暮らしていた4人の
新しい生活は順調に進みます
そんな中
ひとりの青年ボクサーとの出会いが
彼らの人生に夢を与えることに!

有望株の黒木翔吾を
世界チャンピオンにするため
元ボクサーの広岡、藤原、星、佐瀬は
持っているものを全てを彼に渡そうと
奮闘します
一軒家を紹介した不動産屋さんに勤務する
佳菜子ちゃんが物語の要
とっても良い娘さんなんです
渋くてダンディな広岡と彼女の関わり方は
読んでいて気持ちが良く
時節柄
こういう登場人物を描いて下さった
沢木先生にお礼を言いたいくらいです

『どう生きてどう死ぬかを壮大に描く傑作』

と文庫本の裏表紙に書いてありましたが
あとがきで沢木先生も仰っているように
人としての『在り方』を描いた作品だと
思います
コロナ禍で色々な立場の方の
さまざまな発言を耳にすることの多い昨今
ひとり静かに
このような読後感の良い作品に触れるのも
精神衛生には良さそう