説明
築地の料亭“花巻”で働きながら、地唄舞いを心の支えにして生きている30歳の有紀は、日本画家の香屋雅伸と知りあい、香屋の妻の敵意と嫉妬をよそに運命的に結ばれた。激しく愛しあった10年の歳月、香屋は50歳の男盛りをガンに冒され、有紀を残してひとりで逝った。それから1年、有紀は、永遠に愛する男のために舞台に上がり、幽艶な女の情念を秘めて「雪」を舞う…。
結核を患う弟の療養のために鎌倉の閑静な
庵を借りて、勤める築地の料亭とを行き来
する有紀。鎌倉で偶然出会った画家の香屋と
あっという間に恋に落ちるのですが
ストレートな表現はほとんど登場せず
「匂わせ」る描かれ方で話は進みます。
香屋にはハーフのような豪華なルックスを
持つ妻の蔦子がいて、類を見ない猛妻。
有紀への嫌がらせが半端ないのです。
要約すると10年に渡る不倫関係の話。
日本画を探求する香屋と
日本舞踊を極めようとする有紀。
刮目すべきは日本舞踊の世界、でしょうか
お話に出てくる日舞の演目
「鉄輪」とか「雪」など
YouTubeで観ることができます。
全く知らない分野に触れられて新鮮でした。
有紀は控えめで美しくて真面目で
色っぽくて申し分ないのですが
本妻さんから見ればイヤな相手だなぁ、、
いくら悪妻で夫婦仲が悪くても
離婚せずに一緒に暮らしていたら
なにか2人で積み重ねたものがあるはず
ラストの方で本妻vs不倫相手が
対峙する場面がありまして
蔦子のセリフは強烈な上に正論でした。
貸して下さった先輩が
刺激が強いかも、と心配してくれました 笑
いえいえ私もすでに
どっぷりおばはんの胸中
刺激どころか充分堪能致しました。
この手の話の登場人物も最近は
みんな歳下なんですよね、ありゃりゃ
でもやっぱり不倫する女性よりも
元凶の男性側が苦手です
両手に花を欲しがるって何なんだろう?
面白く読みましたがお腹いっぱいです