わが心のジェニファー / 浅田次郎 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。





今日のバレエレッスンは
故障でお休みしていた友人が
1ヶ月ぶりに復帰
祝回復レッスン&ランチで
とても楽しい1日となりました

踊って大量の汗をかき
先生が見本として踊るNGな動きに爆笑し
レッスン後は
食事しながら沢山おしゃべりしたので
とにかく気分スッキリ〜


読了した本も
ユーモアが散りばめられていて
切ない設定ながら
暗くならずにサクッと終了
ただし!
浅田次郎さんの生い立ちを知る身には
この物語、笑えない箇所も多々あり


『 わが心のジェニファー 』浅田次郎著


分かりやすく読み易い物語です
プロポーズした日本フリークの恋人から
日本を旅して日本を感じてからでないと
結婚出来ないと告げられたラリー

恋人ジェニファーからのミッションに
真摯に応えるべく日本へ向かいます

まさに「ラリーの日本探訪記」です

アメリカのハイクラスのビジネスマンで
祖父母は社交界の名士
経済的不自由はありませんが
ラリーには親がいません

父母が家を出て行ってから
1度も会うことなく大人になった彼の
本人すら把握出来ていない心の中の欠損
物語の主軸は主人公ラリーが
この欠損部分をどう克服するのか?
ではないかと思われます
内容は時折くどいですが
全体的には笑いありしんみりあり
テンポ良く進んでいき
予想通りのラストで読後感は良し



浅田次郎さんは父母が家を出てしまい
祖父母に育てられた人で
高校生の時はすでに一人暮らし
名門、駒場東邦出身ですが
若い頃からご苦労されています
最近の作品は特に
母上への恋慕がヒシヒシと感じられて
読んでいていたたまれなくなります
エッセイで
出自から幼少期、学生時代、自衛隊入隊、
アパレル会社経営、小説家と
あらゆる時代をお書きになっていて
それらをほとんど読んでいますので
どれだけお母さんへの想いが強いのかを
想像するとやるせないのです

子供時代を何の憂いもなく
のびのび過ごすことがいかに重要かを
痛感します
親の愛情に疑いを持たず育つ、のは
当たり前ではないようです

でも考えてしまうのは
浅田次郎さんが親の愛情たっぷりに
のびのびすくすくと成長していたら
小説家にはなっていないかも、ということ
マイナス要素に見える部分も
違う角度から見るとプラス要素になったり。
何が幸せで何が不幸かは分かりません


浅田次郎さん、歳取ったなぁ    淋しい