死と生きる / 池田晶子・陸田真志 | 我が家の本棚

我が家の本棚

大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。





なんでつい購入してしまったのか
*ちなみに古本です
ハードル高過ぎました

池田晶子さんの著書とはいえ
安かったからと簡単に飛びついて
無茶してしまいました
分かりそうで分からない
掴めそうで掴みきれない

死刑囚との書簡のやりとりは
一般人の理解などという
安易な目的があるわけでは無く

ひとりの人間が
死刑囚となったひとりの人間が
残りの時間をどう善く生きるのか?
そのことにのみ焦点を当てています

読み考え書く死刑囚にむかって
もっと読め、考えろ、書けと
導く池田女史
哲学の根本を死刑囚の手紙への
駄目出しから何とか拾ってみようとしました
が、撃沈

この本の本質を
理解出来なかったかもしれませんが
この本を読んで
何とか理解しようとした時間は
無駄ではなかったと思います
とはいえ
私とは何者なのか?と突き詰めて
考える習慣がないため
多少触れただけではどうにもなりません


死刑囚、陸田真志が起こした
事件の概要について転載します
陸田真志氏(1970年生まれ)は、
1995年12月、当時勤務していた
五反田のSMクラブの経営者と店長を、
同僚二人と共謀して殺害した。
凶器には手斧、ハンマー、バタフライナイフが使用され、二名の遺体は茨城県鹿島港の海中にコンクリート詰めして遺棄された。
陸田氏は、東京地方裁判所にて強盗殺人、
死体遺棄等により1998年6月5日に
死刑判決を受け、控訴した。


極悪非道の犯罪です
陸田氏は当初、判決を受け入れており
控訴予定はありませんでした
獄中で読んだ池田晶子さんの本で
何かを悟った彼は御礼の手紙を
池田女史に出します
死刑囚とはいえ
彼の文章に感動し
人間の本質を理解し合えるのではと感じた
池田女史は、彼に書くことを薦めます

書いてから死ね、と
それがあなたの役割だ、と

控訴は彼女の側から提案されました
死刑が確定すると
外部との書簡のやりとりは出来ないため
彼が書ききるまでの時間を確保するのが
目的です
被害に遭われたご遺族への配慮や
この書簡を掲載するにあたっての批判等
色々考慮なさったようてすが
それにしても思い切ったものです

実際に死刑が執行されたのはかなり後
池田晶子さんが病気でお亡くなりになった
翌年に陸田真二氏の刑が執行されています
池田女史が先に旅立たれた事実を知り
軽くショックを受けました
よく考えなさい、善く生きて死んでいけと
声をかけた側が早く逝ってしまうなんて

最後に
彼は何を想って目を閉じたのか

本人にしか分からないことなんですよね