大人の流儀6 不運と思うな。/ 伊集院静 | 我が家の本棚

我が家の本棚

大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。






再読本です
伊集院先生のベストセラーシリーズ
2015年、週刊現代連載分
震災から5年経過し
近しい人を亡くした人達へ想いを寄せ
ご自身の経験をもとに
遺族の心情を綴り、心持ちを説かれ、
さらには
近年の政治やメディアへの疑問を
はっきりと述べておられます

変わらずの静節の中にも
若かりし頃より丸みを帯びたご意見も見られ
たくさんの人を悼み見送ってらした
先生だからこそ、の内容になっています

早逝された弟さんや前妻さんを
不運と思ってきた先生ですが
やがてその気持ちは変化し
短い一生にも四季はあったと信じ
笑ったり喜んでいた表情を思い出すと
書いていらっしゃいます
それが二人の生への尊厳だ、と。

彼らも私も、不運とは思わなくなった、と。




昨日、フリーアナウンサーの
小林麻央さんの悲しいニュースを知りました
若く美しく、お子様は小さく、
なぜこれほど素敵な女性が
このような形で逝ってしまうのか、、、
ご家族のお気持ちを想うと
言葉は見つかりません

でも
彼女の人生は
かわいそうで不運だったなどと決して
表現してはならないと思いました

それだけだったはずなどなく
先生が仰るように
彩り鮮やかな四季があり
笑いや喜びに満ちた日々があったのだと
ニュースを聞いて、ただただ
かわいそうで仕方ない気持ちの私は
先生の文章に救いを求めています