沖で待つ / 絲山秋子 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。




久しぶりに読んだ絲山秋子さん
芥川賞受賞作ということもあり
読むのを躊躇っておりました
(芥川賞作品と相性悪い自覚ありの為)

ただページ数が少ないので
ちょっと気が変わり購入
他に二編収録されていました




『 沖で待つ 』絲山秋子著


同期入社で
互いに九州の営業所へ配属になった
太っちゃんと私(及川さん)の
性別をこえた友情物語

初っ端でいきなり、太っちゃんが
3ヶ月前に亡くなっている事実判明
及川さんが
太っちゃんとどんな風に働いて
太っちゃんとどんな風に付き合ったかを
思い出しながら語ります

男女の垣根が無いんです
二人とも知らない土地で
一所懸命働き、励まし合い、
徐々に認められていって、、、
職場で最強の同士という関係


絲山秋子さんの年齢から察するに
おそらく男女雇用機会均等法によって
新卒女子大生も総合職での就職が
解禁された時代かと思われます
その背景を想像しながら読むと
より太っちゃんと及川さんの繋がりを 
強く強く感じます

死んだ経緯も
タイトル「沖で待つ」の意味も
太っちゃんの人柄があらわれていて
何だかしんみりしてしまいました
静かな物語で好みでした
じんわり良かったです


芥川賞作品で
好きだなーと感じた本は
もしや初めて?か

他の二編は途中でやめちゃったけどww