霧 ウラル / 桜木紫乃 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。




昨日、一気に読みました
久しぶりの桜木紫乃さん
バレエ仲間のゴージャスマダムが
読んでみる??と貸して下さいました
こちらの作品
ちょうど新聞の下段広告に
大々的に宣伝されてたんです
気になっておりましたので嬉しいです(>_<)


「 霧 ウラル 」桜木紫乃著


昭和30年代後半の北海道根室が舞台
地元で成功をおさめている
河之辺水産の三姉妹の物語

親に従い地元有力者と結婚する長女 智鶴
家を飛び出し芸者となり
ヤクザものと一緒になる次女 珠生
姉二人が家を出たため
家業を継ぐ羽目になる三女 早苗

次女の珠生が主人公です
ヤクザの相羽に惚れ抜き
そばにいることを決意し
相羽組の姐さんとして生きる珠生

そこに
親の言う通りに生きてきた智鶴からの
思わぬ仕打ち
自分の未来に納得出来ない早苗も絡んできて
三姉妹といえど
こんな形でしか向き合えない関係もあるのか
と、どーんよりしてしまいました

珠生、いい女風です
いや、いい女なんでしょう
好きな男性のために
これ程自分を出さずに生きるなんて!!
うわぁ無理無理無理
育ちの良さからくるプライドが
彼女の足枷になっている気がして
痛々しかったなぁ
好きな男性に
素直に甘えられないのはちょっと可哀想
(甘えさせない男性に問題大有りなんですが
なんせルックス抜群)

三姉妹とも生き方は違えど
家の呪縛からは
結局逃れられないのでした

ラストは帯のとおり
「今日から、海峡の鬼になる」
はい、まさに、、、

物語とは別の視点からの感想をひとつ
珠生さん、着物を取っ替え引っ替えでして
その描写が羨ましくなるくらい素敵です
極道の妻たち、岩下志麻さんも
すごーく襟足抜いた着こなしでしたよね
玄人さんならではの世界に
ちょっぴり魅かれてしまいます(笑)


一気読み出来る読みやすさでしたよ♫