今年10月に出版された
佐野洋子さんの絵本
「 あっちの豚 こっちの豚 」
このお話は
1987年に
作・佐野洋子 / 絵・広瀬弦 という
親子初の共演作として
一度出版されています
佐野洋子さんが
お亡くなりになったあと
彼女が住んでいた
北軽井沢の山荘から
このお話の原画30点が発見され
彼女の絵で
改めて出版されました
ちなみに洋子さんの絵⇩
当時高校生だった弦さんの絵⇩
絵本ですが
内容はかなりシュール
どちらかというと
子どもより大人向き
…
ずっと昔から林に住んでいる豚
裸で暮らし
食べたい時に食べ
どろんこで遊び
笑いたい時に笑い
寝たい時に寝て
自由に暮らしていました
あるとき
林にトラックがやってきて
たくさんの動物たちが
木を切り野原を作り
たくさんの家をたて
暮らし始めました
やがて着飾った
キツネとウサギの夫婦がやってきて
豚にたいして
「服をきて。われわれは
文化的な生活をしている。あなたの
豚小屋があるために、困っている」と
訴え、自分たちと同じように
服をきて、仕事を持つことを求めます
ある日
豚が小川から帰ると
豚小屋があったところに
きれいな家がたち
家に入ると
見たことのない
子どもと奥さんが
「おとうさん、おかえり」……
豚は
キツネやウサギのいう
文化的で幸せな生活に
放り込まれるのですが
さて豚はどうするのか
『幸せ』とは何かを
佐野さんらしい
ピリッと辛口な表現で
こちらへ問いかけます
横並びの幸福論にパンチ
でもただ否定している訳ではなく
『幸せ』とは人それぞれだと
何が幸せか
みんなちょっとずつ違いますよね
仕事があり
持ち家で家族がいて
奥さんが毛皮を着て
子どもがいい学校へ行って
というキツネとウサギの夫婦
それも幸せの形の一つ
自由気ままな豚の生活
それも幸せの形の一つ
本当に欲しいもの
物欲は実はあまりなくて(笑)
なるべく事故や病気
他人の悪意などと無縁で
家族が元気に無事で
長く生きてくれたら、、、
本当の願いはそこだけ
でもこの願いが一番贅沢なのかも
そして現実となると
子どもには
少しでも知恵と体力と度胸を
身につけてもらいたいし
旦那さんには
頑張って働いてもらわなければ
なりません
……
でもこんなふうに思える
平凡な日常
ありがたいし、幸せです
本当にそう思います
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