妊娠カレンダー / 小川洋子 | 我が家の本棚

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大好きな読書について書いてます。
お酒や音楽、趣味のバレエ、鉛筆デッサン、ナンタケットバスケット関連話も時々。


1991年
第104回芥川賞受賞作品
表題を含め3篇収録


「 妊娠カレンダー 」小川洋子著

姉の妊娠に戸惑いつつ
日記形式で姉の変化と
自分の心の内を綴る〈 妹 〉

我儘な姉と
静かな義兄との3人暮らし

神経症的な姉の理不尽な言動に
振り回されながらも
一切逆らうことなく
身の回りの世話を焼き
ひたすら寄り添い…

バイト先のスーパーで
大量のグレープフルーツを貰い
ジャムを作ると
姉が喜んで食べた…

アメリカ産の
グレープフルーツには
発癌性が強く
人間の染色体そのものを
破壊する、と言われる
防カビ剤PWHが大量に
付着している
とゼミの友人から聞いたことを
思い出し…

アメリカ産であることを
必ず確認してから
グレープフルーツを買い
姉のためにジャムを作り続ける妹

染色体の破壊された胎児を想像する妹

姉の陣痛が始まった、とのメモを見て
病院へ駆けつける妹……



情景描写は
繊細で美しく
病んでいる姉の
理不尽な言葉すら
どこか綺麗です


(  ゚ ▽ ゚ ;)
ただ感想を書くのが
かなり難しい小説です

自分の体験と
照らし合わせてしまいますが
姉の妊娠は
独身だった私には
嬉しい嬉しい出来事で
里帰りした姉と
名前どーするの♥!?とか
産まれる前に
ランチ行っとこ♥!とか
そんな感じでしたので

農薬まみれの果物で作ったジャムを
食べさせたい程の衝動を
想像しにくいんです~

しかも私も出産経験者ですので
妊娠中の自分を思い出すと
つわり期間以外は
大抵穏やかに過ごしていて
理不尽なことを言ったりはあまり?
なかったような気がします(笑)
体重管理と読書とウォーキングの日々


妹がここまで我慢するのは
なぜなのか?
姉の神経の病は改善せず
義兄はほぼ受け身
匂い1つにも
細かい注文をつける姉に対し
直接爆発することがないかわりに

ジャムで復讐

ディープすぎます(。-_-。)

最後は余韻を残して淡々と終わるので
読む側は妄想しまくりです
この世で1番怖ろしいのは人間ですね


他の2篇もちょっと摩訶不思議


率直な感想を。。。
芥川賞作品は
私にとっては難しいものが多い!
小川洋子さんは
好きな作家さんで
今回の作品は
何となくですが
自分なりに読みこなせた気がします
でも

ここ何年かの芥川賞作品は
文藝春秋に掲載されるたびに挑み
毎回撃沈しています

難しかったなーのレベルでなく
意味すら分からないケース多発


どうしてもどうしても
直木賞の方へ
気持ちが傾きます

好みですね
仕方ありません(。>0<。)







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