昨年の震災後
新聞や雑誌などで
度々紹介されていた本
「 三陸海岸大津波 」吉村昭著
明治29年、昭和8年、昭和35年に
三陸海岸へ甚大な被害をもたらした
大津波の記録
文章が発表されたのは
昭和45年です
三陸海岸が過去に何度も
津波の被害にあっている土地だったこと
地形が鋸の歯のように入り組んでいるため、到達した津波が更に高くなり被害が拡大したこと
内陸部への交通網が無く、支援が進まなかったこと
冬場と晴天の時に津波は来ない、という根拠のない言い伝えを信じて逃げ遅れたお年寄りが多かったこと
津波を逃れても寒さで凍死した人がたくさんいたこと
……
津波を目撃した人達の証言
家族を亡くした子供達の作文
津波対策と問題点
……
あまりにも昨年の震災後に
見聞きした話と重なり
この本が40年前に書かれたものである
そのことに衝撃を受けました
数々の大津波を経験した男性が
「津波は時世が変わってもなくならない、必ず今後も襲ってくる。しかし、今のひとたちは色々な方法で十分警戒しているから、死ぬ人はめったにいないと思う。」との言葉を残しています
願いを込めての発言だったと思います
現実には大防波堤をあっという間に飲み込んだ津波
自然は人間の想像などお構いなく
猛威をふるいました
三陸海岸は
昭和35年のチリ地震以降
大津波は来ていません
10回地震が起こって
10回津波警報が出て
10回高台に逃げて
10回とも何事も起きなかったら
私は逃げただろうか…
記録書としてだけでなく
昨年のことを忘れないためにも
過去に何が起きたのかを
知っておくためにも
読むべき1冊だと感じました
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