世界やアメリカの長者番付については
フォーブス
が報じているので、そちらを参考していただければいいのですが、そこでは
ジェフ・ベゾス
ビル・ゲイツ
アマンシオ・オルテガ(ザラの創業者、スペイン)
ウォーレン・バフェット
カルロス・スリム・ヘル(通信会社、メキシコ)
などの面々が登場しているのは周知のとおりです。
なので、ここでは詳しく述べません。
やはり留学していた英国のことが好きだし、気になるので以下、
サンデータイムズ・リッチリスト2017
について述べてみたいと思います。
http://features.thesundaytimes.co.uk/richlist/live/richlist#profile-1
(注:現在はログインできない)
気になったところでは
1位のヒンドュジャ兄弟と3位のルーベン兄弟はインド系、4位のラクシュミ・ミッタルはインド人
2位のブラバトニックはソ連生まれのユダヤ人、5位のウスマノフと13位のアブラモビッチはロシア人
6位のエルネスト・ベルタレッリはスイス人
です。
すなわち、1位から6位までは全て外国人、ないしは、外国生まれの者が英国長者番付の上位にいるということです。
アメリカや日本よりも国際化が徹底している感じです。
アメリカでもトップ3は、ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェットとすべて生粋のアメリカ人なので。
他にめぼしい人物は、
9位にウェストミンスター公爵
14位にダイソン(掃除機など家電で有名)
17位にカドガン伯爵
となっています。
1位のヒンドュジャ兄弟の資産額は、1ポンド150円だと
2兆4300億円(162億ポンド)
なので、アメリカと比べると、少ないように思えます。
アメリカ1位のジェフ・ベゾスは、1ドル107円だと
11兆9840億円(1120億ドル)
ですので。(2018年版フォーブスより)
https://www.forbes.com/billionaires/list/
さらに、
最も裕福な貴族(The wealthiest aristocrats)
というリストもありました。
http://nuk-rich-list-ui-2017-uk-prod.eu-west-1.elasticbeanstalk.com/richlist/view/group88#list
以前、エリザベス女王よりも裕福な14人の貴族、という記事をアップしましたがその続きのリストだと思っていただければ幸いです。
https://ameblo.jp/hannibal23/entry-12313580264.html
正直、英国の大学に留学して、
Lord(ロード)
Lady(レディ)
といった貴族の呼称を持つ人物が出てきたのには本当に驚きました。
現代でも、貴族の令嬢たちがドレスを着て羽根飾りのついた帽子をかぶって、郊外を馬車で移動していたのも見ましたし(映画の撮影ではない)、
ダイアナ妃の実家であるスペンサー伯爵家のオルソープ・ハウスなどに遠足(エクスカーション)に行く、という企画もあり刺激的でした。
留学生の中でも、フランス人は貴族自体をあまり好きではなかったように見えましたが、タイ人は王室(His Majesty)宮内庁から派遣されてきていたし、中国人、韓国人、メキシコ人その他は面白がっていました。
それ以来、英国貴族やヨーロッパの王室に興味を持ちました。
加えて、今では、彼らの家の名誉と義務、ライフスタイル、財産維持の方法にも興味を持っています。
以下、気になったリストについてピックアップして述べてみたいと思います。
3 レディ・シャルロット・ウェズリー
資産5793億円(1ポンド150円で計算)
以前紹介した、エリザベス女王よりも裕福な14人の貴族、の中には入っておらず、今回、新規にリストに入りました。
レディ・シャルロットは、ナポレオンを完全撃破したウェリントン公爵家の令嬢であり、コロンビアの大富豪一族(世界2位のビール会社SABミラーの15%の株式を有している一族)であるアレクサンドロ・サント・ドミンゴ氏と結婚したことにより、ランクインしたようです。
貴族の娘なのでレディの称号は保有できますが、彼女自身は既に貴族ではないです。
レディ・シャルロットの例を見て思うのは、社交とか人脈というのを最大限に活用するのが本当の貴族である、ということです。
普通の人は5000億円超もの資産を有する人物とアクセスできないです。
そのような人物とアクセスできる、むしろ、アクセスできる人脈を作るのが貴族や王族の真骨頂なのでしょう。
16 エリザベス女王
資産540億円
The crownという王権自体には土地だけで何百万エーカーもの凄まじい富が付随しています。
またロイヤルコレクションという宝石類や歴史的作品の価値も大きいです。
しかし、それらはエリザベス女王個人の資産ではないです。
女王個人としては、相続によりサンドリンガム・ハウスやバルモラル城を保有しています。夏と冬の離宮になっているようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%A9%E3%83%AB%E5%9F%8E
ちなみに、英国の土地法(Land Law)は面白くて、土地の所有者は女王陛下(正確にはThe Crownという王権が所有者)であり、女王陛下が国民に土地を貸している、という体裁をとっています。実際は国民に完全な所有権があるのですが(freeholdという)、そのような形式をとっているのは面白いです。
leaseholdでは99年貸すとかもありますが(99年賃貸をさらに10年~30年の期間に分けて貸したりもする)、英国が中国から香港を99年租借した、というのも英国のLand Lawの考えの延長だと思われます。
17 ソールズベリー侯爵
資産502.5億円
ガスコイン・セシル家が世襲しています。
エリザベス1世の時代から政治家を輩出している家系で、その時代の大臣だったウィリアム・セシルがその地位を利用して相当な蓄財をしたことがソールズベリー候の財産の基礎となっています。
ノーサンバーランド公、ダービー伯、シュローズベリー伯が武官的な性格だとすると、ソールズベリー候は文官の性格を持っていると言えます。
ヴィクトリア女王の時代に、3度も英国首相を務めたロバート・ガスコイン・セシルが特に有名です。
邸宅であるハットフィールド・ハウスには日英同盟のため伊藤博文も訪れたという由緒ある邸宅です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9
ちなみに、この前、ロシアの二重スパイであったセルゲイ・スクリパリ氏に神経毒と思われる物質が投与された事件があった場所がソールズベリーであり、大聖堂が有名な古都です。
23 バクルー公爵
資産319.5億円
バクルー公は250,000エーカーもの所領を持つヨーロッパ最大の地主です。
250,000エーカーというのは、東京23区の1.67倍くらいの所領です。
個人がこれだけの土地を所有しているのは、日本では到底考えられないです。
かつて江戸時代から日本一の地主と呼ばれたのは山形県酒田の本間家でしたが、戦後の農地改革で土地を大幅に失っています。
バクルー公は大土地所有者としてはある種の奇跡的存在だと思います。
バクルー公はモンタギュー・ダグラス・スコットという英国でも珍しい3重姓になっています。もともとスコットという姓でしたが、モンタギュー家、ダグラス家の資産を母系を通じて相続したので、3重姓に改姓したようです。
本拠地はボウヒル・ハウスです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Bowhill_House
他にも、ベルサイユ宮殿を模したボートン・ハウスや、ドラムラリング城を有し、美術品や工芸品も超一級の物を所有している大富豪です。
25 マールバラ公爵
資産282億円
バトル・オブ・ブリテンを指揮して英国を第2次世界大戦勝利に導いたウィンストン・チャーチルの本家です。
邸宅はブレナム宮殿という世界遺産でもある非常に有名なカントリーハウスで、資産価値は大部分がブレナム宮殿の不動産価値だと思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%A0%E5%AE%AE%E6%AE%BF
ゆえに、公爵家はブレナム宮殿の維持費だけで四苦八苦しており、過去にはアメリカ人大富豪の娘と結婚して、宮殿の維持に努めています。
正式な姓は、スペンサー・チャーチルという2重姓です。これはいったん公爵の娘がスペンサー家へ嫁いで男子を産んだのですが、本家のチャーチル家が断絶したので、その男子がスペンサー家のみならずチャーチル家も相続して、スペンサー・チャーチルという姓になりました。
28 ボーフォート公爵
資産225億円
邸宅はバドミントン・ハウスであり、広大な所領を利用した狩猟(バドミントン・ハント)がお家芸となっています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Badminton_House
ランカスター王家の非嫡出子の系統で、古い家系なのですが、所領維持に成功して裕福なままです。
他の古い家系の貴族である、ノーフォーク公、ダービー伯、シュローズベリー伯などは相続や当主の不如意で大幅に所領を手放しているのに比べ、ボーフォート公は富豪のままです。
10世公爵ヘンリー・サマーセットは、他の貴族が所領を大幅に減らす中でむしろ所領を増やすことに成功し、現在でも52,000エーカーもの所領を維持しているので、10世公の手腕が卓越したものだったのでしょう。
ボーフォート公は狩猟がお家芸のためか血の気の多い話が多く、ヴィクトリア女王に食って掛かったり、偉大な宰相ウィンストン・チャーチルに対しても「できたらわが家の猟犬で八つ裂きにしてやりたい」と公言していたとか。
34 ロクスバラ公爵
資産187.5億円
イニス・カー家が世襲しています。全世界のカー姓のクランチーフ(族長)です。
スコットランド貴族はクランチーフが貴族になることが多く、例えば全世界のキャンベルという姓のクランチーフはアーガイル公爵、ゴードンという姓のクランチーフはハントリー侯爵、となっています。
簡単にいえば、ロクスバラ公は、世界中のカーという姓の大親分のような感じでしょうか。
ちなみに、アーガイル公の居城修理に巨額の費用が必要となり、アーガイル公自身がとてもその支出を賄えない時、全世界のキャンベル姓の者から寄付が行われ、無事、居城の修理ができたという話もあり、まだ、族長の権威及び一族とのつながりのようなものも存在するようです。
ロクスバラ公の居城であるフロアーズ城は本当に重厚であり、かつ、壮麗です。
https://web.archive.org/web/20141129192558/http://www.roxburghe.net/castle
34 スペンサー伯爵
資産187.5億円
ダイアナ元妃の実家です。現在はダイアナ元妃の弟がスペンサー伯を継承しています。
実は、先ほどのマールバラ公の方がスペンサー家の本流であり、スペンサー伯は分家筋です。
先祖は羊飼いで羊毛業者だったようですが、当時、国内随一の現金保有者ということで貴族になっています。
スペンサー伯も先代から所領や邸宅の維持のため、書画骨董を売却しているようで、徐々に家計は苦しくなってきていると思われます。
スペンサー家は美人の家系として知られており、ダイアナ元妃の他にも、デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナ・キャベンディッシュ、作家でメルバーン子爵夫人のキャロライン・ラムなどが特に美人で有名です。
ただ、ダイアナ元妃で思い出したのですが、かつて大衆紙には「ダイアナの脳は小鳥なみ」などというショッキングな見出しが躍るなど、イギリスのブラックジョークは凄まじいです。同様のことは、日本ではとてもできないですね。
本拠地はオルソープ・ハウスです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Althorp
富豪貴族リストにのっている、マールバラ公やスペンサー伯ですら、すでに家計が苦しくなってきているので、
他のリストにのっていない貴族はもっと苦しいと思われます。
立派なカントリーハウスを維持できずに手放す貴族も多く、日本の多くの華族が没落していったのと同様、盛者必衰なのかもしれません。
ちなみに、当ブログのアイコンの白亜の城は、サザーランド伯爵の居城であるダンロビン城です。スコットランドにある城ですが、英国のなかでも特に美しい城です。