中国から帰ってきましたが、前提として自分は
中国を無条件で礼賛する親中派ではないし、
中国といえば何でも嫌いな嫌中派でもないです。
論語、孫子、六韜などの中国の古典や、春秋戦国時代、楚漢戦争時代、三国時代、唐、宋、明、清などの時代は好きですが、
むしろ、中国のどこが日本より進んでいて、どこが劣っているのか
現代中国も冷静に見てみたい、という世代だと思います。
ぶっちゃけ、中国ではマクドナルドで注文したり、バスに乗るのでさえ、日本にいる時のように簡単にはいかないので、
中国でいろいろ苦労してみる、それを楽しむ、臨機応変に対応する、
というのも旅の醍醐味だと思っています。
以下、箇条書きで旅の感想を書きます。
上海
入国時に機械でパスポートをスキャンして、指紋もスキャンするよう指示される。
問題なかったようで、OKという紙が出て、無事入国。
犯罪者登録などがあると、入国できないと思われる。以前はなかったシステム。
初リニアで地下鉄2号線の龍陽路駅まで来る。リニア切符は切符購入時に航空券をみせれば安くなる。
以前来たときよりも地下鉄の本数が格段に増えている。17号線まであり。
現地の暮らしを体験するために、なるべく、現地の地下鉄、バス、タクシー、高速鉄道(新幹線)、寝台車に乗ってみる。
地下鉄初乗りやバスは2元(34円弱)と安い。地下鉄は最大でも7元くらいまでか。
上海タクシー初乗り2.5キロも14元(238円)と安め。紹興はその半額7元くらい。
上海南~杭州東、までは友人と寝台車1階席に乗ってみた。高速鉄道和諧号(中国版新幹線)が満車で取れなかったため。
昼間だったが横になることができ、快適。
途中、中国人の母親と男の子2人が2階席に乗ってくる。
かわいい男の子で、相手していたら杭州に着いた。
上海では、水郷古鎮をいくつか回ってみる。七宝老街、南翔古鎮。地下鉄で行ける。
有名な周荘や朱家角などは郊外なので1日がかりだが、地下鉄で行ける水郷古鎮は中心地から30分ほどで行けて便利。
上海博物館で、中国の歴史を堪能する。
博物館は若干並ぶが無料なのが嬉しい、汝窯の陶磁器もあり、満足。青銅器、貨幣コーナーも興味深かった。
大世界遊楽場にも行ってみる。「大世界」、という大きい看板がある建物。
100年くらい昔は、呑む、打つ、買う、と魔都上海の象徴だった。今は家族連れでにぎわう健全な施設。
前に行ったときは改修中で入れなかったが、今回は入れて感激。
1Fホールで大世界の100年あまりの歴史を上映していたのも感動。
「龍(村上もとか)」「蒼天の拳(原哲夫)」あたりの漫画を読んでいる世代は、大世界遊楽場はツボ。
豫園の裏にある、金家坊や孔家弄という通りにも行ってみた。
簡単に言えば、上海のスラム。
トイレもなく、馬桶という桶に用を足して、朝に捨てに行くということをまだ大都会上海の中心地でやっている地域。
住民のおじさんが家の前にすわってじろじろ見ていたり、おばさんがバジャマで徘徊していたり、鶏や野犬がうろついていたり、電線が剥き出しになった建物だったりとかなりのスラム。
身の危険はないと聞いていたが、どうしても早足に通り過ぎてしまう。
ただ、上海スラムを経験してみたかった。
ロサンゼルスのスラム街であるスキッド・ロウよりも全然安全。スキッド・ロウはとても入れる雰囲気ではなく、遠目で眺めるのみだった。
インド・ムンバイのスラムも同様。危険すぎて立ち入れない。
龍華寺は、三国時代に孫権の母親が建立した、江南最古の寺院とのこと。
朝7時から開いているので朝早く行ってみましたが、広大な敷地の中で叩頭して一生懸命拝んでいる方も多い。
上海は現金ダメ、という店もあり新鮮。
アリペイ、ウィーチャットペイという電子決済が進んでいて、偽札も出回っているので、現金禁止の飲食店もそれなりに見かける。
現金禁止の店と知らずに飲食し、現金しかないのでそれで許してもらった、という黒歴史も作ってしまった。
コンビニ(全家・ファミリーマート)のイートインも体験。朝忙しい中国人はコンビニのイートインで朝食をかきこむ。
タワーマンションが狭い地域に密集している所もあり、地震が起きたら危ない。
中山公園のホテルも超高層ホテルだったが、隣の建物も超高層で近すぎて怖い。建蔽率とか考慮しているのか?
人々のオシャレ度は上海よりも東京の方が高いように見える。
漫画でしかみられないような巨大黒縁眼鏡をかけた若い女性とかいた。
漫画のナルト展をやっていたり、アキバというプリクラやガチャガチャの店があったりと、日本文化への興味も見られる。
上海人は、日本人だろうと、アメリカ人だろうと、お金さえ持っていれば何人でもOKと聞いた。
北京では日本人と分かると露骨に嫌がらせされたことがあるし、広東では比較的日本人に好意的な感じがしたが、土地柄か。
上海人は、北京の田舎者、アメリカの田舎者、東京の田舎者、というようなことを言っているとか。面白い感性。
昔行った、浦東、外灘、南京東路などのメジャー観光地には行かず。
今回は上海人の生活感を体験すべく、マニアックに攻めてみた。
杭州
世界遺産の観光地、西湖へ。
ここでモバイクを体験。
友人のウィーチャットペイで、モバイク自転車のQRコードをスキャンすると、自転車のロックが外れて自転車に乗れる。
30分1元(約17円)と安い。自転車で西湖をほぼ一周してみる。所用時間、1時間強。
降りてロックをかければ終了。街中で自転車が置けて、かつ、乗れるので便利だ。
モバイクのサービスは、中国企業と日本自治体が協力して札幌でサービスを開始しているとか。
モバイクで岳王廟へ行ってみる。
中国人は岳飛が大好き。多くの人がいた。
岳飛は宋の軍人で、金(女真族)への徹底抗戦を主張して、何度も金軍を撃退していた英雄。
しかし、和平派の宰相の秦檜に謀殺される。
岳飛の墓の近くには、土下座させられた秦檜夫婦の像があり、中国人がその像を殴っていたのを目撃。
世界遺産の大運河の一部にもモバイクで行ってみた。
さらに、西湖をカートで一周もしてみた。カートは10元~40元、と高め。
杭州は地方都市だが、とにかく人が多い。
夜の繁華街には盆と正月が一緒に来たかのような、人通りと賑わい。
上海、杭州ではイレズミを入れている人が日本よりも多い気がする。暑いので肌の露出は多め。
高速鉄道和諧号(新幹線)は、外見や内部の間取り、揺れなさ具合は日本新幹線とほとんど同じ。
しかし、杭州東~上海虹橋(シャンハイホンチャン)の約50分の区間が二等(日本では普通相当、一等はグリーン車)で1200円くらいは安い。
約50分の新大阪~名古屋、区間なら5830円なので、それに比べたら格段に安い。
高速鉄道は激込み。満車の上、席のないおばちゃん、若いおにーさんがあふれていた。次、次の次、次の次の次、も満車。
高速鉄道切符を買うのに、1時間強も友人と並ぶ。
杭州東駅の10列の切符売り場にものすごい人が並んでいて、ならぶ意欲をなくすほど。
中国人は身分証をスキャンして自動券売機で切符を買えるのに、ほとんど買っていない。外国人にも買えるようにしてほしい。
その反省から、高速鉄道切符は前日に買うようにした。
紹興
紹興酒のメッカ。
中国最大の文豪、魯迅の故郷。
魯迅の生家もあり観光できるが(周家、魯迅の本名は周樹人)、非常に立派。地方の富豪だったのだろう。
魯迅も通った、咸亨酒家もあり、当時のメニューも人気。つまみの豆、臭豆腐など。
臭豆腐のにおいは強烈で、好みが分かれると思う。
咸亨酒家の紹興酒は有名で、何年も甕につけて熟成させている。
世界遺産の大運河は紹興にも引かれており、八字橋付近の水郷の風景は風情がある。
実際に人々が暮らしており、江南地方の水郷の良さを体験できる。
おじさん、おばさんが家の前の椅子に座って、のんびりと水の流れを眺めたり、お隣さんと雑談したりしている。
今は都内に暮らしているが、田舎出身の自分としては、そういう生き方、暮らし方もアリなんじゃないか、と思える。
紹興北駅の建物は、ハコモノとしては非常に立派。
一地方都市とは思えないほど、大きく、重厚な感じ。高速鉄道が止まるからか、それにしても立派過ぎる。
杭州、紹興の郊外にはやたらとタワーマンションが林立しているが、誰も住んでいないように見える。
不動産は著しい供給過剰に見える。
全般的に、おじさんが痰を道で吐くシーンは意外に少なかった。
トイレで子供が便器ではなく、排水溝に直接小便をしていたのはショッキング。
また、上海の繁華街でも、茂みの中に小便をしているおじさんもいた。目撃したのは一人だけだったが。
トイレには紙がない。
ただ、全般的に地下鉄やバスの乗り降りなどもスマートだった気がする。
杭州では降りようとしているのに乗ってきたりする面があったが、上海ではそのような行為は体験した範囲ではなかった。
スマホに熱中していたためか、地下鉄やバスの中も意外に静かだった。
中国はマナーの点では、以前訪問した時よりも格段に進歩している気がした。
庶民の生活の中には、アメリカ関税の影響は見られず。
アメリカへの不満やデモもなかった。
まあ、これからかもしれないが。