かゆうま! -7ページ目

('A`)ドクオは一人で生きてきたようです

作者:ID:tbD1ZNh3O


 

名前?
 

そんなものが必要ないくらい、俺は人と話す機会がない。
 

幼い頃に、こうべを撫でられながら呼ばれた記憶があるが、それももう薄れている。


('A`)「……」


 そんな意味の無い名でも、知りたいなら教えてやろうか。


('A`)「……毒島ドクオ。よろしく」

 

それが俺の最後の日でした\(^o^)/


 ('A`)ドクオは一人で生きてきたようです


;ΩΩΩ「……」


 クラス全員の目の色が変わった。

 とは言え、俺には人間の顔をまともに見ていた経験なんて無いから、

 彼らが何を思っていたのか、俺の自己紹介を聞いてどう思ったのか、知る術はない。


;Ω「……はい毒島くんね。じゃあ次、32番の人……」


 教師は引きつった笑顔を浮かべながら、さっさと次の番号をコールした。


Ω「あ、俺……はい」


 32番が俺とすれ違う時、大きく唾を飲むが聞こえた。


;Ω「えっと……あの、俺、32番の……」


('A`)(……可哀想に)


 教壇に立って、人目に晒され、どもる32番を見ながら、何となくそう感じた。


;Ω「あぁ、そうだ! 俺、ハインリッヒ高岡! こんなんでも穴のある方だ! よろしく!」


 32番さん、苦悩の果てに繰り出した下ネタ、見事に滑りましたね。素敵です。

 頭の中では、俺は饒舌だ。だからこそ、そんな皮肉も浮かぶ。

 頬杖をつきながら、今頃俺は名前通りの顔になっているのだろう。


#Ω「ちくしょう! お前ら……今の内に首がくっついてる感覚を楽しんでおけよ!」


 正直、やっていられない。

 教室を静まり返らせたり、騒がせたり、お前は一体何がしたいのかと。

 ひとつ、顔が拝んでみたくなった。これは単に、

 こういう女は大抵、顔面崩壊した面白い顔をしているからだ。ユーは勘違いしてはならない。


从#゚∀从「ばーか! ばーか!」


 チガウ……! 暴れまわる女の顔を見たとき、俺はいつもの顔面崩壊女じゃないと分かった。

 それからいろいろあって、俺たちは付き合う事になるんだけど、そこからはもう苦労の連続!

 ハインが実は裏の世界に関わってて、しょっちゅう学校に警察が来たり、

 俺がキモイオタクだからか、汚いヤツらにイジメを受けたり。

 それでも俺たちは負けずに愛を育んで、まだ高校生だけど一人娘を産んだ。

 二人でずっと幸せに生きていけると思ったのに、ある日ハインは白血病になってしまった。

 俺は娘のために働きながら、毎日ハインに面会したけど、彼女は毎日弱っていく。

 ハインは最期に、聞き取れないくらい小さな声で言った。


「あとは頼んだぜ……天国でいつか会おう、ドクオ」


 ハインも、その時3歳の娘も、無邪気に笑っていた。泣いていたのは俺だけだった。スイーツ(完)



作者のあとがき 


終わり。スイーツに逃げるのは最低だね。