「ハングル」千一夜話 第3話 | ハングル能力検定協会 ハングル検定 事務局 スタッフブログ

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아들の語源

아들は「息子」を意味する言葉で、これは가다리→아다리(枝)から来た言葉です。方言に나무아다리または나무아지という言葉がありますが、これは木の「枝」を意味します。「枝」は木の幹から生え出たもので、人間にたとえると親から生まれ出たのが「息子」だということになります。親が「幹」で、息子が「枝」ということですね。このように「息子」を意味する아들と、木の「枝」を意味する가다리は関係も同じで単語も同じです。아들は가다리から分化してできた言葉です。その変化の過程を見ますと、まず가다리から「ㄱ」が抜け落ち아다리となり아달→아들と変化したのです。すなわち、가다리→아다리→아달→아들という過程を通じてできた言葉です。現代朝鮮語で「枝」のことを가지と言いますが、一部の方言では가지から「ㄱ」を抜いて아지とも言っています。가지の가は길가(道端)や입가(口もと)の가と同じ言葉で、「横」「近く」という意味を表します。가지の지は가락지(指輪)の지と同じ言葉で、ある対象物であることを表す接尾辞です。つまり、가지とは「横に生じたもの」ということになりますね。

 

 아기, 아지の語源

幼い子供を아기(赤ん坊)と言います。아기という言葉は、싸라기(砕け米、くず米)(쌀-아기)のように、一部の名詞の接尾辞としても使われ、「小さいもの」を意味します。小枝や細い枝を아지と言います。아지という言葉は、바가지/박+아지(ひしゃく)、모가지/목+아지(首の卑語)、송아지(子牛)のように接尾辞として使われ、「小さなもの、枝分かれしたもの」を指します。아기と아지は起源を同じくする言葉で、아지がより古い形であったと見ることができます。아지は本来알-지から来た言葉で알의 사람(卵の人)という意味を表しています。알は現代語で小さなコップを指す알잔、고기알(魚の卵)の알ような言葉で、지は아버지(父親)の지のように「人」という意味を表す古語です。『三国遺事』『三国史記』などの古い文献によると、新羅の初代王김알지(キムアルジ)は알(卵)から生れ出た人なので、알지と言ったそうです。もちろん、この話はのちに作られた神話的な話ですが、아지という言葉の始まりが알지であり、알지から「ㄹ」が抜けて아지になったことを示しています。そして、짐치→김치(キムチ)、질→길(道)、지름→기름(油)などの例で見られるようなㅈ→ㄱの変化現象によって아지が아기になったということを推察することができます。

 

어린이の語源

어린이は、어린아이をかわいらしく言い表す言葉です。어린이は、形容詞어리다の連体形어린に人を表す이がついた어린 사람(幼い子)という意味の言葉です。しかし、어리다が最初から現在のような意味を持っていたのではありません。어리다は最初「愚かだ、足りない、未熟だ」という意味で用いられていました。1446年に刊行された「訓民正音(解例本)」には「愚かで未熟な人」という意味で어린 백성という例が出ています。「訓蒙字会」(1527年)にも어리석을 우(憂)を어릴 우と記しています。このように어린이は昔「未熟な人、愚かな人」という意味で使われていました。今日のような「子ども、児童」という意味で어린이を最初に使ったのは児童作家の方定煥(1899年~1931年)でした。彼は1923年、朝鮮で最初の児童雑誌である「어린이」を発刊しました。そして、その年の5月2日に「어린이날(こどもの日)」を制定して、朝鮮での어린이날運動の普及に努めました。

 

어른の語源

어른とは、「大人、成人」のことです。15世紀の文献には얼운という形で出てきます。この言葉の元の形は「男女関係を持つ、結婚する」という意味の어루다/얼우다です。어루다/얼우다の語幹の어루/얼우にㄴが付いて、어루+ㄴ→어룬→어른のように変化してできた言葉で「男女関係を持つ人、結婚した人」という意味です。어루다/얼우다の現代語は어우르다(一つにする、合わせる、性交する)で、어우르다の縮約形は어르다です。어른の形成過程は朝鮮の風習と関わりがあります。朝鮮では昔から어른の証を、年齢ではなく結婚したかどうかで判断していました。昔は幼くても結婚さえしていれば어른で、逆に成人でも結婚していないと大人扱いをしてもらえませんでした。例えば10歳で亡くなっても結婚していれば葬式を行いましたが、成人であっても結婚していなければ葬式を出してもらえず、棺にも入れてもらえませんでした。

 

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