まず、もしご自分のお子さんがADHDかも?と疑問を感じたら、ご両親自信がしっかりりとADHDについて学んでください。便利な時代で、インターネットで検索すれば、それこそものすごい数のウェブサイトが出て来ます。
その内の一つ、自分の子供に当てはまるものだけを読んで信じるのではなく、できるだけたくさんのケースを読んでくださいね。
ウェブサイトの中には、未だに ADHD=教室でジッとできない問題児 という定義のみで書かれているものもありますから、要注意です。
親がADHDの知識をきっちりと付けること、それが一番重要です。
ADHDという障害が認められてきたのは、ついここ最近。まだまだ未知の障害であることもしっかりと頭に入れておいてください。
そして、誤診が多い障害であることも忘れずに理解していて頂きたいです。
特に早生まれの小さいお子さん、低学年のお子さんは誤診に要注意! それについては、下記に詳しく説明しています。
一応私が考えるADHDについての注意点を8つ箇条書きにしてみました。それらの詳しい説明を、その下にしてあります。あくまで私の考えですので、ご参考までに。
1) お子さんがまだ小さい場合、忘れ物が多いからとADHDを疑う前に、忘れ物トレーニングしてあげてください。子供の忘れ物は、親のほんの少しのお手伝いで改善されます。
2) 多動性の症状が著しく現れている場合、それに伴って忘れ物以外の注意欠陥の症状も出ているのかどうかを確かめてください。多動性の症状のみの場合はADHDではありません。
3) 早生まれのお子さんの場合、ADHDと誤診されるケースが多いですので、小さい頃に診断された場合は、成長してからもう一度診断を受け直してください。
4) ADHDの診断には時間と根気が必要です。適切な病院選び、そして諦めずに根気づよく何度も足を運んでください。
5) ADHDの診断は、すぐに降りるものではありません。すぐに診断が降りた場合は、逆に誤診を疑ってください。
6)ADHDは、知的障害(俗称:知恵おくれ)は伴いません。
7)薬物治療は危険を伴います。ADHD誤診が多い現在、特に小さいお子さんの薬物治療は慎重にしてください。薬物治療の前に、他の医師や援助センターの意見を聞く事も大事。
8) ADHDであると診断されることが大事なのではありません。もし、お子さんのことをADHDだと信じるのならば、お子さんの症状を理解し、それを改善する為の手助けをしてあげてください。
1)忘れ物について
よく「うちの子も忘れ物多いの。宿題もできないのよね~。」という部分から、ADHDかも?なんて安易に考えてしまう傾向がありますが…
これはあくまで私の見解ですが、もし、お母さんが、お子さんの忘れ物の多さがまず気になってADHDを疑っていたとしたら…おそらくあなたのお子さんはADHDではありません。
子供というのは、小さい頃は忘れ物をするものだし、やりたくない勉強や宿題をしたがらないのは、子供として当たり前のことなのです。ゲームや遊びにばっかり夢中になってるのも同じこと。それは子供だから、当たり前のこと。
そして大抵の忘れ物と宿題は、親が少し手助けをしてあげればすぐに改善ができますし、躾の一環でもあります。忘れ物が多いからADHD?と思うのではなく、忘れ物が多ければ、まず忘れ物をしないように親が手伝ってあげてください。
前日の夜に翌日の持ち物のチェックをする。もし忘れ物が多いことが気になるのならば、「チェックしなさいよ~」と声をかけるだけではなく、子供と一緒にチェックしてあげてください。
親の怠慢が子供の忘れ物を増やしていること、多いと思いますよ。
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これ私、私。(笑) 私はそれで苦労しましたから~。フロリダでは学校まで車で30分以上。「ママ~ごめん、宿題の紙、持って来るの忘れた~。」とか電話がかかってきた時、キーッってなってましたから。
「宿題ちゃんと持ったー?」と言うだけじゃダメなんですよね。それを本当に持ってるのか、自分が見てる前でチェックさせることが大事。
忘れ物なんて、中学高校になっても必ずあるものですから。(大人になってもあるしね)だから、小学校の時に忘れ物が多くて、ADHDかも? なんて思う必要はないです。
忘れ物トレーニングは、トイレトレーニングみたいなもんです。ただ、トイレトレーニングは1年くらいで終るけれど、忘れ物トレーニングは数年に渡って一緒にやってあげないといけないので面倒くさいんですけどね。だんだん怠慢になっちゃうし。<私
そして、成長していくに連れて忘れ物が少なくなり、勉強はしたくなくてもしなきゃいけないものだと理解していきます。それが子供ってもんです。
確かにADHDについての説明を読むと必ず「忘れ物が多い」と書いてあります。でも、ADHDを疑う時の肝心な要素は、「忘れ物」だけではなくて、それにプラス、その他の要素がどう絡んでいるのかという部分です。
2) ADHDは、多動性をともなわない注意欠陥障害はあっても、注意欠陥障害をともわない多動性のみの症状はありませんので、お間違いのないように。
ADHDの症状を読んで、多動性の部分はひっかかるけど、注意欠陥の部分はひっかからないわ~ってお子さんをお持ちの方は、ADHDではなく、別の障害をお調べください。
あと、男の子は特に、小さい頃はよく動き回って落ち着きがなかったりとか…当たり前みたいですよね。年齢を重ねるに従って落ちついて行く子がほとんどですから。
普段の生活習慣とか、きちんと癖付けをしてあげる事も大事。家で、食事をジッと座ってできないとか、レストランで走り回るとか… あれ、きちんと出来るように、普段からそういう癖をつけてあげてください。
それって、学校とか行き出す前の話です。レストランで走り回ってる子供が全員ADHDじゃないですからね。レストランで走り回ってるような子が、学校に行ったからって突然ジッとできる訳ないし。ADHDを疑う前に、まずは躾の見直しから!
3) 早生まれの子供達に誤診が多い理由。
早生まれの子供達は、4月生まれ(アメリカだと9月生まれ)の子供たちに比べ、ほぼ一年早く学校に入る訳です。子供の頃の1年の差って大きいですよね。特に年齢が小さければ小さいほど、その1年の差は大きいです。
だから、得に低学年の頃は、同じ教室にいても、他の子供達より勉強が少し遅れてしまったり、聞き分けがなかったり、落ち着きがなかったり…そういうのは当たり前の違いなんだそうです。
統計でも、早生まれの子供に対する誤診が、早生まれでない子に比べかなり多いらしいですので要注意です。
そういうことからも、年齢が小さい内にADHDの診断を受けていたら、もう少し年齢が高くなってから、再診を受けることをお勧めします。
4) 5)ADHDの診断は、一回何かのテストを受けたからそうだと分かるものではありません。いろんな種類のテストに加えて、数度に渡るカウンセリングによりやっと診断がおりる障害であり、決して1回や2回病院に足を運んだからといっておりる診断ではないことを理解しておいてください。
これは、日本よりADHDの理解が進んでいると言われているアメリカでさえそうですから、日本ならなおさらだと思います。
誤診が多く、ADHDでなはいのにADHDであると診断されている子供の数が異常に多いこと、特に日本では近年ADHDの誤診が大幅に増えているようですので、気をつけてください。そして、実際には本当にADHDである子供はがそうだと診察されず、苦しみ続けていることも多いのです。
例えば子供が、学校の教室でジッとできない問題児であったとしても、そういう子供が全てADHDではないということです。そんなことを言っていたら、学級崩壊などが問題になってる学校では、生徒全員がADHDなんてことになっちゃいます。絶対にないですから、それ。
2)でも書きましたが、学校で問題児になっているのは、本人の性格もありますし、親のしつけも大きく関わってきます。
まだADHDの理解がなかった頃には、ADHDの子供を持つ親が「親のしつけがなってない」と責められたりすることが問題となっていましたが、今では反対に、実際しつけが出来ない親が、その責任逃れにADHDを利用しようとしている…なんてケースが増えて来ているのが問題です。
実際ADHDである確率は、世界的に見て2~5%と言われていますから、そうそうそこら中にADHDの子供がいるのではないということ。クラスに1人いるかいないか程度と考えるのが妥当かと思います。
子供なら誰しもがADHDっぽい気質を持ってるのも確かで、それはごく当たり前のことであり、その中のほとんどが成長とともに生活の仕方、勉強の仕方を学び、改善されていくのです。
6)ADHDHは時としてLD:学習障害を伴いますが、ID:知的障害(IQ70以下、俗称:知恵おくれ)は伴いません。しかし、LD:学習障害はID:知的障害を伴うことがあります。きゃ~、ややこしい。(笑)
ここで言えるのは、もしお子さんが知的障害ならば、ADHDではないということです。
LDについては詳しく調べてないので分かりませんが、LDを伴わないADHDの場合は、勉強する環境を整えてあげることで、随分学力は伸びると思います。
例えば、試験を静かな別室で受けるということが出来れば、他に気を取られることもないので、試験に集中することができます。それでも点数悪かったら…それはただの勉強不足。(笑)
時々、ADHDであるのに普通に学校に通うことにばかりとらわれているご両親がいらっしゃいますが…もし、周りに人がたくさんいることで授業中に勉強に集中できない、多動性の症状が酷く授業中ジッとしてられないで他の生徒に迷惑をかけてしまう…などの問題があるのならば、無理矢理他の子と一緒のスケジュールで学校に通わせる必要ってないと思うんですよね。
ADHDは注意力(集中力)が持続しないというのが大きな特徴ですが…反対に好きな物に対してだけは人一倍の集中力を発揮するのも大きな特徴です。本人が興味があってきちんと授業を受けれる科目だけ受けて、どうしてもダメなものは家で勉強するとか、家庭教師をつけるとか、1日中が無理なら、半日だけ学校に行くとか、個人個人の症状によって、勉強のしやすい環境を作ってあげればいいと思うんです。
もちろん、そういうことすると、負担がかかってくるのは親(特に母親)なんだけど…でも、親なんだからね、先生まかせにしないで頑張ってください。
人に迷惑をかけてまで学校に通っても、自分も勉強できない、人も勉強できないでは、学校に行く意味がないと思います。
日本は中学までは義務教育で、出席日数が足りなくても卒業できますから。学校に通わせることにばかりこだわるよりも、本人がきちんと勉強できる環境を整える方法を考えてあげるべきです。
7)薬物治療においては、本当に慎重になってください。
これまた私の個人的な意見ですが… 安易に薬物治療を始めないでください。数人のお医者様に診てもらい、診断を受けて、カウンセリングやコーチングなどを受けて、それでも改善しなくて症状が酷い場合の最終の手段として考慮されることをお勧めします。
ADHDと診断されたとしても、それが誤診であるケースも多い現在ですから、副作用の大きな薬物治療でお子さんの身体をボロボロにしてしまう…なんてことのないように。
8) 先にも書いたようにADHDはとっても診断が難しい障害です。もしお子さんがADHDだと診断されなかったとしても、お子さんの様子を一番良く知ってるのは側にいるご両親です。そのご両親がADHDだと信じるのならば、少しでもそのADHDの症状が改善できるように手助けしてあげてください。
一言でADHDと言っても十人十色、お子さんがどういうタイプかをしっかりと見極めることも大切です。
繰り返しになりますが、とにかくご両親が頭を柔らかくしていろんなケースを考えてあげてください。
ADHDの診断がおりなくて、ご両親がきちんと理解してあげていれば、それだけお子さんは気が楽になるし、一緒に改善策を考えていけますから。
ADHDは、障害を失くすことはできませんが、改善は可能です。 多動性の部分は、年齢を重ねる内に症状が随分収まるケースも多いです。
でも、その改善には必ずご両親や学校の手助けが必要であること、それを忘れないで下さい。