X JAPANのHIDEを刺しゅうする! | HANDLERのブログ

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みなさんこんにちはHandlerです。

めっちゃくちゃ忙しいです!

ありがとうございます!!(^o^)/

って暇なときにこの忙しい商品をシフトしてほしいと、本気で思ってます。


季節に合わせて選ぶ服も変わってくるし、それは無理なことなんだけどね。

昔って僕が20歳の頃、もう25年経つんだね…

その頃はね、夏の暑い時期にウール毛などの暖かい素材を仕込む。

そうしないと冬のオンシーズンに商品が間に合わないから。

そういう仕事の量もすごく多かったんだね。

最近では仕事量も昔のようにはいかず、寒くなってからでも十分間に合う商品も

沢山あって、ブランドによっては気になるブランドの商品をみて急きょ商品を追加する。

そんなこともあります。

つまり僕ら生産者はより短納期に対応しなければならなくなりました。

まぁ仕方がないね。

仕事を戴けてる。その事実はほんと感謝しながら生産してますよ。(^o^)/



表題のX JAPANのHIDEを刺しゅうする!です。

こちらはそういった季節の商品ではありませんが、コンサートに間に合わせる!という

凄く大事な問題があります。

11月12月がもうそういう待ったなしの仕事が立て続けに舞い込んで来まして、

このX JAPANのシニールワッペンは1月ほどお時間をいただいていました。

もう神様のようなご依頼主様です!

こういう物は発注したらすぐ欲しくなるのが人情。一日だって早く作ってあげたいのに…

もう目いっぱい納期をいただきました。

12月に入ってようやく手を付けます。

シニールワッペンを作る前にはかならずチェーン刺しゅうをします。

これがシニールの仕上がりの肝になる。

シニールというのはモコモコしているので、毛足が多少傾いて倒れてしまうだけで

形がいびつになる。

つまり下縫いで誤差が出て、毛足でさらに誤差が出る…それがシニールです。


僕のキャリアは自慢できるものはないのだけれど、それでも右手のハンドルを持つ力が

かなり入ります。

本当はそんな必要なくって、優しく回せばいいのだけど、細かい0,1mm0,2mmの誤差を

調整しようと思うと、手にも力が入ります。

シビアなものではもう首と肩と腕と手がパンパンになる…

0,1mmの誤差を調整するとか、信じられないでしょ!?やるんですよ普通に。

もちろん0,2との違いを明確に表現することはできないけれど、この誤差を意識しないと

駄目なんだな。

僕自身に縛ってることの一つです。

○が丸でない。そういう認識を人の目はしっかりやってのけるんです。

目で寸法を測る精度は無くても、真っ直ぐか曲がっているかという誤差はちゃんと感じる。

X JAPANのロゴを起き上がった毛糸で表現する。

これね、大きくなればなるほどしっかりさせやすいです。

小さなロゴは本当に難しい。

シニールでは大きさの相談を事前によくやります。それはこういった一つの毛足で表現

される部分と、実際の細かさとの兼ね合いを合わせるためなんです。

小さい図案をどうしても!って言われてお預かりしても、結局表現ができず満足できない

商品を作ってしまう。

それでもいい?という打ち合わせに時間を使います。

慣れてくるとお任せって言われます。(*´∀`)

性格もあるのかな。


ただ僕の作品っていうか僕が手掛ける商品では、ブレた味を故意に出すこともやるので、

出来上がりのイメージも伝えてくださるとありがたいですね。

図案に忠実にって言われれば、しっかりチェーンでトレースするし、少し甘くって言われれば

ミシンスピードを少し上げる。

人が作っているという現実を、商品から0にはしたくないって思います。









HIDEってお亡くなりになっているんですよね。

当時僕もニュースを観て知ってます。ロッカーって短命な方多い気がする。

ネットでちょっと調べてみたけど、今でも熱狂なファンがとても多い。


どんどんチェーンを入れてゆく。

HIDEの唇の形もこだわりがある。

「富士山口」って言うらしく、形がとても大事なんだって。

伺っておいてよかったって思ったのが髪の毛の襟足の色。

全部ピンクかと思ったら襟足は黒い髪なんだって。

これはほんとやり直す勢いでした。

確かによく見ると黒っぽい画像。

でも移りが悪くて黒っぽいと言ってもわからないレベルだと、うっかりピンクで刺しゅう

しちゃうところだった。知ってる人が見たら違い気が付くよね。

良かったよかった。


チェーンを入れたらシニールで埋めます。

埋めすぎると周りに干渉してしまって、形が歪になる。

せっかくきれいにチェーンでトレース、もっと言えばおおもとの図案の精度もそうだし、

手書き図案では仕方がないけど、精密な図案もこのシニール刺しゅうのやり方で、台無しにな

る。


刺しゅうが終わったらフェルトをカット。

これで失敗したことあります…

泣くことも忘れるくらい呆然となります…( ̄□ ̄;)


台フェルトを黒にします。

これはご依頼者も僕も同じ色を考えてました。

X JAPANのワッペンともセットアップできるしね。


出来上がりです。

先週X JAPANのコンサートだったそうです。

楽しかったんだろうなぁ~♪Liveは良い物です╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ !

HIDEがいなくて少しさみしかったりするのかな。


これはGift。


またぜひよろしくお願いいたします!

ありがとうございました(^o^)/



それではまた次回