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みなさんこんにちはHandlerです。


今回は新テーマです。c⌒っ゚д゚)っφ メモメモ...

蚕糸や座繰って聞いたことはありますか?
なかなかマイナーな分野かもしれません。僕ら糸辺に生きる者たちには身近な話題ですが、実際の作業に触れるのは僕は初めてでとても興奮しました。+(0゚・∀・) + ワクテカ +


「かいこいと」と書いてサンシと読みます。
そうです絹糸のことです。
座繰【ザクリ】と読みます。これは蚕が作った繭を煮て生糸にする作業を言います。
今回レクチャーを受けたのは上州座繰という歯車式の機器を使ったものです。

そういった伝統を大事にして座繰、染色、機織りを一手にこなす方がアトリエカノアンの中野紘子さんです。
若くてチャーミングな人です。


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繭は蚕が口から吐き出した糸(タンパク質)をノリと一緒にして噴出します。
それを自分の体を覆うように形成してゆき繭を作り体を外部から保護します。
つまりこの糸(生糸)は一本でつながっていて、品種によって長さは変わりますがおよそ1300mから1500mの長さとなります。゚(∀) ゚ エッ?
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図解するとこんなイメージ。
口から二本のタンパク質を吐き出しながら、セリシンという乾くと硬くなるノリをつけながら吐き出してゆきます。
これは化繊のポリエステルやナイロンなどの生成方法と同じです。石油材料がドロドロになっている状態で、細いノズルから水溶液に射出すると線維となります。途切れずに射出すれば結び目のない一本の繊維になる。これをやっているのが蚕なわけです。
凄いぞお蚕さま!( ゚Å゚) < エラいな

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繭を水で煮ます。すると外側の糸口から糸が解れてきます。

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糸口から糸を引っ張ると、髪の毛よりさらに細い生糸が出てきます。
画像で見ると一つの繭からいくつもの糸が出ていますがこれは崩れているからです。これを手繰って行くとやがて一本の糸になります。
これをそれぞれの繭で行いひと束にして糸巻きに巻いてゆく作業が座繰です。
説明が下手で解りづらいだろうね…┐(´д`)┌ヤレヤレ

そうそう良くドラマなどで『事件解決の糸口が見つからない』とか聞きません?あの糸口を探すというのは、物事を展開させるきっかけのことで、繭の糸口を探すという事象から使われているんですって。(´・∀・`)ヘー

この作業の仕組みは僕もずっと長い間疑問に思っていたことでした。
一見繭だけを見ても蚕が最初に吐き出した糸口に印があるわけでもないし、大変な量の繭と格闘するとも思えないこの作業には、目からうろこでした。

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一つ一つのまゆの糸口を見つけ一つの束にします。
この一本はおよそ3d(デニール)という太さです。(´ε`;)ウーン…
伝えにくい…
通常刺繍で使っている太さは120d/2だから240dということになる。つまりその糸の80分の1。
だめだ余計わからんね。
とにかく極細です。髪の毛より数段細い。
間違えていたら後々訂正するとして…ヾ(゚Д゚ )ォィォィ
120d/2の刺繍糸を作るには繭40個を煮て座繰する。巻き取られた120dの生糸を2本撚り合わせると出来上がることになるね。
凄いよこの作業。

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それを座繰を使って巻き取って行きます。

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この歯車が上州座繰の特徴。
上州座繰器は江戸時代後期に群馬県で発明されたと言われています。
手挽き特有の素朴で温かい風合いがあります。
この歯車ががプーリーになっていて、紐でつないでいるタイプが奥州座繰だそうです。
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このカムシャフトで束ねた糸を左右に振って巻き取ります。


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座繰の後、精練や染色をすると製品になります。
この状態を「かせ」といいます。
僕等が刺繍する際にはこのかせからコーン巻きしてボビン化して使います。

精練によってセリシンを取り除くとしなやかな絹糸になります。
セリシンが残っている生糸も僕はとても好きです。荒々しい感じは麻の様です。
まぁ絹の特徴を生かすには断然前者ですけれどね。

近日中野紘子さんが作った絹糸で刺繍を試してみます。


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座繰に挑戦させていただきました。ガン( ゚д゚)ガレ
繭が入っているボールはストーブに乗っていて弱火で温められています。

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繭をこのモロコシ箒で撫でるようにすると糸が引っ掛かります。
それを束ね集まった個所に触れさせると糸同士が引き合い座繰に巻かれてゆきます。
この作業は左手でハンドルを反時計回しで回転させ、右手で箒を使いお湯を回転させます。
遠心力で糸口が拾えていない繭は外に離れてゆくので、その繭をこの箒で撫でます。糸が拾えたら集合部に箒を当てます。

簡単そうでとてもナイーブな作業です。いつまでも糸口を拾えなければ既定の太さを得られていない束になります。
地味で繊細な作業です。
しかしこの座繰の味というのも手作業ならではと感じました。
結局のところ常に均一でないから良いこともあるのですから、このイレギュラーを理解して商品に愛着が持てたら、本当の意味で素材を知ることができたわけです。
消費者の皆さんにはそういう目や知識を養ってほしいと思いました。


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これは蚕の蛹(さなぎ)です。ピューパってやつですね。
見る人によっては可愛かったり、ギャアァァァァ━━━━━━(|||゚Д゚)━━━━━━!!!!!!だったり。

うちの嫁さんはカワ(・∀・)イイ!!って言って戴いてきました。゚(∀) ゚ エッ?



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タテ糸がたくさん並んでいます。
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ペダルは両足でそれぞれ踏みます。
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シャトルが写真になく残念。
シャトルは両手で右から左、左から右へ移動させてヨコ糸を重ねてゆきます。
シャトルを左から右へ渡すときは、左足のペダルを踏みます。加えて逆の作業をしてこれを繰り返して織って行きます。
単純な作業ですがヨコ糸のテンションや織り重ねた時の目の詰まり具合など、微妙な加減が命です。均一な加減が要求されますので、年季のいる仕事ですね。


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シルク製品のタッセルキーホルダー。
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シルク製の垢すり。
最初に図解したフィブロインは楕円ではなく、三角形なんだそうです。
その角がうまく作用して良く垢がとれるんだそうですよ。
とても長く愛用できるようなので、肌に敏感な人は一度試してみるとよいかも。

この他にもストールなど素敵な商品がありました。

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未精練の生糸を使ったランプシェード¥700
購入させていただきました(´∀`)
とても軽い商品なのでロウソクなど使わずに、LEDライトを使用していました。
100円ショップで売っているんですね。ロウソクの様なワナワナした揺らめきで点灯します。
これは(・∀・)イイネ!!
明日買ってこようε=ε=ε=(┌ ^ω^)┘シュタシュタシュタ


ワークショップもありますよ!

繭からひいた糸を草木染めで手織りした、オリジナルストールが作れるワークショップ。

2014年1月
座繰16日・17日定員各日2名
染色18日定員5名
機織り17日定員2名


2014年2月
座繰13日・15日定員各日2名
染色14日定員5名
機織り15日定員2名


参加には事前申し込みが必要。
座繰¥5,000
染色¥4,000
機織り¥5,000

体験料にはスイーツ・ドリンクが含まれているそうです。
糸づくりから染色、そして機織りという一連の流れを通して、オリジナルストールを制作するワークショップだそうです。
お時間のある方は是非。
詳しくはアトリエカノアンさんへお問い合わせください。


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中野さん、群馬県農政部蚕糸園芸課の岡さん。楽しいひと時でとても親切にご指導いただきありがとうございました。



それではまた次回