経年変化 『刺繍を着る』 | HANDLERのブログ

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こんにちはHandlerです。


(・∀・)イイ!!ですねー
秋って感じで風もカラッとしていて、日差しがまだ少し厚いって具合でも心地いい風が、僕の気分を現実逃避…ヾ(゚Д゚ )ォィォィ

週末は中之条ビエンナーレVol2です。
楽しみで仕方ありません。


そんな日に袖を通してみたくなるシャツ。

JELADOのアンティークガーメンツのリバティーシャツ。
こいつは生地がなんともいい味出します。僕のお友達も着ていますが、僕よりいい感じに育っていました。


表題の“経年変化”です。

生地と一緒に刺繍も育つ?老いる?


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僕の仕事着として作った刺繍です。
僕の場合は作業着ということよりも、刺繍の説明や刺繍のその後をお客様にお伝えするのに使う、サンプルのようなものになっています。

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刺繍した後に黄変の加工を施してあります。

黄変とは字のごとく黄ばむことですが、繊維がほこりや湿気を吸って本来の色から変色することを言います。俗に良くないこととして、僕らは白地などの生地を陽の光などからシャットアウトして、保管を心がけています。
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長い年月保管されたものにはどうしてもついて回る問題として厄介ですね。

そこがワーク系のシャツという事になると、これはもう仕事着ですから、機械に囲まれて仕事をなさっている方達にとってみれば、OILにまみれたり汚れてしまいます。
それを綺麗に洗濯してまた汚して。

そうやって培った?汚れはある意味プロの仕事を物語っているように思うのは、僕位でしょうか。
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より味が出るようにというより、シャツと一緒に朽ちてゆくように刺繍にも綿糸を使います。

現在はこの方法を取らずにエイジングさせているので、糸の劣化がなくなりました。
このシャツは割と早い段階で糸切れを起こしていました。
この商品は薬品の影響を随分受けていたため、この様に糸切れが起こっています。

スーパーウィークエンドでは多くのお客様がこの刺繍の雰囲気を見ていらっしゃいました。
嬉しかったけど『これボロボロじゃねーか( ゚д゚ )』って視線だったらどうしましょ…


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細い部分では往復して刺繍しているので、表面の糸が切れて下の糸だけ生き残っているような場所も見られます。
チェーンは基本終わり箇所を引っ張ると、刺繍が解れてしまいます。
この状況になっても一気に刺繍がなくなるような事故は今のところ起きていないので、着方次第では随分と上部なんだと改めて思います。


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日の光でみるとまた印象が違いますね。
刺繍綿糸もわずかな艶も抜けてしまい、何ともいい感じです。

ちなみに僕は洗濯する際はネットにも入れずに洗濯機でガラガラ。
あまりよろしくない行為ですヽ(;´Д`)ノヤメテー
まぁ着用事情にもよりますが、毎日なんて洗いませんからそれなりに労わっているのか。

水って恐らくほとんどの家庭では水道水で洗濯なさっているはずで、あれには塩素という物が含まれています。当然繊維もその影響を受けて洗うたびに弱ります。
かといって石油系ドライでは汗などの水溶性汚れは落ちませんから、自ずと自己責任で洗う羽目になる商品ってありますね。
服が老いるのは当たり前のことですけど、わざわざこういう加工を施してまでその雰囲気を味わうというのは、なんとも味な真似ですよね。
わざとらしいのはあまり好みませんけれど。

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これは初期のころに作った作業着です。
エイジング加工などはしておらず、元の綿糸のままです。
表面も毛羽立って来たりする程度ですが、いい雰囲気出ています。

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かなり大きな円で直径360mmもあります。
製品の状態(シャツになった状態)で刺繍を入れました。
袖や前身などがミシンと喧嘩すると生地が正しく送り出されなかったり、ハンドル操作のブレが所々に見られます。
手ハンドル特有のものですが、僕はこれがとても好きです。
神経質なお仕事ではミシンを止め、糸を解して縫い直したりします。

ちゃんと?見た目にきれいに刺繍しても、洗うと綿糸と生地が縮みこういう隙間が出てしまうこともあります。
これが耐えられない人はジャガードのコンピューターミシン商品や、プリント向き(印刷)でしょうね。きっちりかっちり正確なお仕事をします。



手が空いたらまた新しい仕事着作りましょうか。
それではまた次回