NEWSレーヨンシャツ BONSAI | HANDLERのブログ

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みなさんこんにちはHandlerです。

前回僕はエアコンは極力かけないなどとほざきましたが、あれ無かったことにしまつかお
今からスイッツィonさせていただきます。(アメブロ恐るべし…Onちゃんいた!)

本日の群馬県36度だそうです。
厳しいですねー!
お百姓さんには良いことなのかな?
住まいの近隣にあるスーパーでは、レタスが178円です。
少し前99円でしたから相当な値上がりになります。
僕はその差より美味しそうかどうかの方が気になっちゃうのですけど、嫁さんにお使い頼まれて買い物見て、『あーレタス高いねー』っていつも言われていると、いつの間にか僕は美味しさよりもお値段を見るようになっていることが先日判明!!

これステマってやつでしょうか?
というより洗脳?

まぁ目利きとはそういう物なんでしょうね。
市場を知るのは経済的にも環境的にもとても重要なことでしょうから、僕でもこの年で少しずつ成長しているわけです。(慰めにもならんか)



表題のNEWSレーヨンシャツです。
ようやく大事なお仕事を終えまして、S/Wの事が出来ます。
前回にも触れましたが、NEWSレーヨンシャツでは僕のマイブームだったり、事件事故、皮肉たっぷりの風刺などを刺繍シャツで表現しよう。それから50年後にみて感慨にふける。
そんなものを作りたいと思っています。

大手様の手に出しにくい題材にはできるだけ挑戦したいと思っています。



手始めは盆栽です。盆栽A
僕は盆栽など育てたことはありませんが、日本だなぁって感心する文化だと思います。
完成がない作品(趣味)ってなかなか無いし、ロマンを感じます。
しかし昨今のマーケットは国内の販売は減少傾向で、もっぱら海外へ輸出されているようです。

盆栽って本来は自分で小さな苗木から育ててゆく、とても地道で商業として大きく発展するマーケットではないと思っていました。
やっぱりあれなのかな、プラモデルも作る楽しみと、飾って楽しむは別の事なのか。
成長を重んじるなら小さな子供から、立派な大人になるのを見たいと思うのは、自然なことですよね?
これが国内で廃れ海外で繁栄する理由の一つなのかも。

まぁそれはいいとして、盆栽モチーフは数年前にシャツに落とし込んで僕自身が着ていました。
道ゆく人に微笑まれます。
子供とか指差すし……その後何と思われているのか。


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予定する背中図案です。
フォントは江戸勘亭流で和風に。
盆栽モチーフはありがちな?スタイルの松に、石を添えた小さなお庭の情景。

レーヨンシャツに合わせるので、糸はレーヨン糸100%で、太い300/2(サンビャクバンソウシ)の甘撚りを選択。それによって大味で重厚感が出ます。

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上が300/2で下が200/2です。数字が大きくなると太くなります。300dと書いてデニールと表記します。
デニールは合成繊維の太さを表す時に使います。
現在マーケットに流通しているレーヨン糸の太さは50/2・75/2・120/2・200/2・300/2などがあります。
ハンドルミシンに適した糸は120/2~300/2です。
糸は細くなればその分切れやすいです。太さを決める際は刺繍する図案に、細かな動きがたくさんある場合、それを緻密に表現するなら細糸。角をしっかり出したいなども細糸です。
僕はこの盆栽イメージを柔らかいイメージにするため、300/2をチョイスしました。
300/2はヴィンテージのボーリングシャツなどに多用されています。

これは当時のマーケットの中心に300/2があったと想定されます。
レーヨン糸は人絹とも言い、人口の絹という意味です。
優れた光沢としなやかな手触り。これがレーヨンが目指した特徴です。
日本ではもっぱら絹織物が全盛期だったころ、高価な絹に代わる繊維としてレーヨンが使われました。
絹織物へ手縫いによる刺繍をする際、細糸より効率の良い太糸を多用した経緯があります。
(太い方が密度を稼ぐので、少ない針数※で完成できる)
※針数とは生地に刺が通った数を言います。もっぱら針数が多いと大きな面積の刺繍となります。



さてまずは下絵を捺染します。

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トレースした図案をもとに、シルクスクリーンにてCMCを捺染。CMCは主原料パルプですので環境にやさしいです。それに胡粉(貝殻粉)を混ぜてノリにする。



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ハリは120番をチョイス。おっかないくらい極太針です。
薄手のレーヨンには使いたくない太さです。
しかしかぎ針の場合は太さより針の返しが特に大きな問題点なので、この際太さは縫い直しズレさえなければ問題ないです。


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使用する糸色です。黒が抜けていたので全部で10色使いです。
多い部類に入ります。すべて300/2甘撚りレーヨン糸。
撚りとは二本の糸を逆向きにねじりながら交差させ、1本の糸にすることです。
2本なら双糸(そうし:ふたこ)、3本は三こ(みこ)と言って刺繍糸は双糸が一般的。3本撚りは縫製糸に多いです。
この撚りのねじりが強いと強撚(きょうねん)といって、硬くなって強度が上がりシャリ感がでます。
同時に艶がなくなります。
この甘撚りは撚りが弱いので強度は弱い反面、レーヨンの最大の特徴の艶が最大限に引き出せています。独特のぬるっとした滑りは絹の様です。


説明が多い……
どうでもいい人にはスクロールで対応してください。



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文字刺繍して

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鉢を刺繍して黒で縁取ります。写真では見難いですがあるのとないのとでは、締りが違います。


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苔を植えてゆきます♪
本物色を敢えて使わないところに、独特なオリエンタルな雰囲気が出ます。
スカジャンの影響だろうか…そんな決まりはないのですけど、僕はこういう外しは好きです。


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これなんですかね……ベージュのモジャモジャ。
たぶんなんですけどピートか枯れた苔で保湿材?まぁ土の部分です。
お隣には石ころをゴロっと。
今回鉢や石ころは無機質なので、生物と分けてルーピングさせないでラインで表現。


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幹のハイライト部を明るめの茶色で刺繍します。


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濃茶で幹を作ります。


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松葉を刺繍します。本来チェーンは同じ線上を180度戻ってくる移動には適してなくて、折り返し点がきれいではありません。まぁでもへたれ感が出て味と受け取れたら良いのですけど。


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表に出ている糸を裏に引き抜きます。これをしないと解れてしまいます。
裏に引き抜いて切った糸の余りは、気になっても切らないでください。
完成です。

ロゴを敢えて小さく。
バランスの悪さがいい味手伝ってます。(主観ですので…)

半袖Sサイズで仕上げております。

S/W当日1点物として展示販売いたします。
ご興味ある方は『会場』で袖を通してみてください。

生地:レーヨン100%
巻き縫い縫製:3/16inch(細幅)
ボタン:ラクト(牛乳から作ったカゼイン樹脂を主原料としています。)



引き続きS/W用商品を作り続けてます。

それではまた次回。