峰不二子という女 Vol2 | HANDLERのブログ

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Handlerです。
猛暑ですね。昔はそれほどフォーカスされませんでしたが、近年では
一位二位を争うほどの酷暑地帯となっている群馬県です。
館林市の観測所の地面が「緑色のゴムシート」になっていて、伊勢崎市の観測所は
天然芝が生い茂っています。
館林市の観測所が話題になっていました。(ネットにて)
この辺の規定って各所で色々なんでしょうかね、確かにシートと芝では温度差に違いが
でますよね…きっと。

暑さ寒さは辛いですけど、僕はあまり気にしない方なので多少救われます。


さて前回特大バナーの題材として、峰不二子を選んで仕上がるまで1ヶ月です。
1ヶ月かかりっきりって事じゃないので誤解の無いようににひひ

それでも縫いに20時間仕上げに3時間を要しています。
仕事量から言えばスペシャルな域に達しています。

図案のトレース&実寸原稿に4時間生地へ書き写しに3時間30ですから、30時間から
掛かった
ことになります。


想定内の仕事量だったのですが、それでも丸2日は掛かるかもと見積もっていたので驚くほど
集中できましたね。
仕事に好きも嫌いもないのですが、それでも奮える仕事って言いますか、「よーし!やるぞ」って
気分になる仕事はある物です。
今回のモチーフである峰不二子は、最後まで集中できる物でした。

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出来るだけ薄気味悪く見えるように加工したフクロウから手を付けました。
べた塗り(総刺繍)になるところをどう表現させようか悩みました。
図案がイラスト調なので敢えて縫い分ける必要も無いのですけど、性格なのでしょうかイラスト
の中にもリアリティーを求めてしまい、少し不二子とちぐはぐな印象…
怖さを出すには良いと思うのですが、もともと無い物をとってつけたフクロウですから、本家
はどう書くのかとても興味がわきます目
「梟男」や「伯爵」にしなかったのはアニメ色が色濃くなるのをできるだけ防ぎたかったので、
鳥のままにしました。





不二子らしさが出せるとしたらこのピアスEaringだと思って、念入りにステッチしました。
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全体に言えることなんですけど、このバナーはとにかく手間を掛けています。
今でもお客様にご理解頂けるように、詳細に説明をしていることですが、なかなか歯切れの良い
リアクションがもらえない「手間」ですにひひ
トレースを作っていて常に気を付けたのは、「ギトギト」にならないようにする。
チェーンは360度どの方向へも転回可能です。行って返って来る際に、ステッチの上にも当然乗って戻ってこられます。同じ線上でしたら同じ太さのステッチになりますが、見え方は色濃くなり、加えて質量感が上がります。
ゆえに強調したい場合などは、この手法がもっとも効果を発揮します。一筆書きの名前などはしっかりした堅い印象に仕上がります。

このバナーでは敢えてそれを極力減らし、より繊細なタッチが感じられるように、一本のライン
は一本で終える様に刺繍しています。
チェーンステッチは縫い始まりは解れません。縫い終えたところは解れる造りになっていて、刺繍が解れないように生地裏に糸を抜きます。
つまりステッチの長さに関係なく縫って終えたら…

生地を避けて糸をルーパーにセッティングし生地の刺繍位置に戻す
(この1クール1つにつき仕上げ手間が1つ増えます)

チェーン刺繍がされた商品を見て、まずそれに気が付けたら、僕はそのお客様を尊敬しますねグッド!



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キモとなる「目」目です。
元絵は鉛筆画というよりチョーク調なのでもっと「ぼかし」の雰囲気が強いので、アイラインなどは堅いイメージが出てしまいます。
今回はリングのサイズや形を変えずに最初から最後まで統一したチェーンで刺繍と決めていましたので、ここは仕方ないです。元絵を変えずに出来るだけイメージを似せるため、複雑に並ぶアイラインには注意しました。もともと綺麗な並びのラインではないので、下手をすると子供絵になりかねません。
こういうヶ所は「崩す」ところと「抑える」ところがとても重要になります。
誰もがじっくり見るヶ所でもあるので、手が抜けませんガーン





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端に位置するLUPIN the Thirdのロゴです。
途中から痛感しましたが、Lから刺繍するべきでした…
柄の配置上で、不二子のveil(ベール)はオーガンジと想定して、オーガンジを透して髪が流れ、それらの上に文字を配置という構成なので、文字は端に位置するけれども先に刺繍が出来ない。髪やveilを作ってからロゴという順番になると生地が重く……
注意はしているのですけど、知らずに引っ張られたり、ミシンの懐に引っかかるんですね。
残念な仕上がりです。
縫い直しも考えましたが、依頼された仕事じゃないないし…監督は僕だし…ここは「手ハンドルのアジ」としました…(逃げたね汗)
曲がった!という雰囲気は刺繍していて感じますので、その時点で縫い直せば◎(じゃやれよ!)
製品シャツの背中なども生地が邪魔して大変なんですけど、やっぱりこれに比べると綺麗に出来ますよね。こういう大物を刺繍していると、もっと広いミシンテーブルが欲しいと思います。
無いんですけどね…

しかしveilを被ってこの目力は並大抵の女には無理です。




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「峰不二子という女」ロゴは、「縁なし」です。
LUPIN the Thirdではループさせた輪郭にチェーンを一周入れています。
そうすることによって文字に張りが出ます。ヴィンテージの手ハンドルでは、縁取りが有ったり無かったりです。
縁取りがないとより手刺繍感が強くなると僕は思っているので、二つを見比べてもらえるようにしました。
縁取りがないのでここでは書き順にも配慮しました。
これも刺繍ならではのアジです。




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これで刺繍は完成です。30時間越えの大作に見えないところがまた乙でした。


刺繍はこれで完了です。この後革あてを作って四隅に真鍮ハトメを打ち付けます。
横長構図は垂れそうなので、中央にも必要だろうな。



取りかかりから縫い上げまでもチマチマと、仕事の合間の作業ではほとほと集中力の維持が大変でした。
その後ブログupも時間を掛けてしまいましたから、いい加減前のスレから『何の話だったか』って感じです。
本当は出来上がった段階で『こんな事始めましたよ』という具合でブログupがよろしいのかも。


それではまた次回に。