釜 | HANDLERのブログ

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OKこんにちは。Handlerです。


乾燥注意報だそうです。群馬は+風です。
キンキンに冷えた突風が!!吹き荒れます!!
一度来てみるとわかります。「二度と行くか!」って思うかも知れません。
12月から3月位までは、群馬は砂埃をともなう突風です。

風の谷のなんとかだったら可愛げもある物ですが、「風の盆地の…」これ以上は言いません。
僕の地元はみなさんが喜ぶような物は無いのです。もちろん王蟲もいませんから。王蟲キキキ…キ



僕の友人は言いました。
「Handlerのブログは、一般ウケはしないよね。業者は多少喜ぶかもしれんけど…」

そんなこたぁわかってるんですよむっ
それでもいつかは役に立つだろうって、僕は信じてます。

友人「あそ。更新しないブログはもっとつまら」

それもショック!知ってます!!




本当に友人でしょうか。
今度会ったら聞いてみたいと思います。







さて、前回は針についてでした。
今回は「釜内部」です。
まぁこの流れで、敏感な人は「またつまらんブログかい」と立ち去るのでしょうね…にひひめげません。




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通称「どぶ板」なんて呼んでます。このフタを外します。


すると中央に螺旋の様な物が見えますか?

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先っちょに凹みがあるパーツです。
これがチェーンのリングを作る「キモ」です。
ハンドルを回すと
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この螺旋も同じ回転をします。



このままの状態で糸を引き上げてみます。

まずは螺旋中央に返しがついたピアノ線をやさしく突っ込みます。

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下に出てきたピアノ線に、刺繍糸を引っかけてピアノ線を引き上げます。
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引き上げ完了。





糸が出てきました。
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今度は刺繍が出来るように、糸を螺旋にセットします。

螺旋にセットするには、左手で引き上げた糸を持ち、右手でハンドルを「1回転」させます。
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すると螺旋の先端あたりにある凹みに糸が引っかかります。
ここで動力ペダルを一度踏んでやります。

一針縫う動作です。
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かぎ針に糸が引っかかっているのがわかりますか?
これで引っかかった糸を外してやれば、刺繍が出来ます。
これで準備OK



伝わりましたか?
たぶん半分も理解できていないと思いますが、「へぇ~」程度に伝わったらグッド!
だって刺繍するのは僕ですからねニコニコ



あれ、だけどそういってしまったら、これは何のためのブログなのでしょうか…
破綻してます叫び






まぁいいです。(良いのかい!

フタを付けておさらい
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糸を引き出すため、手前の穴にピアノ線を挿入。


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糸を引っかけて引き上げる。



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糸が引き上がる。



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右手でハンドルを1回転させ、ペダルを1度踏む。



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刺繍が出来る状態になる。






これが本縫いミシンでは、

ボビンケースに下糸をセットし、釜に装着する。
上糸をガイドに通し、ミシン針の穴に糸を通す。


これに匹敵します。
日本人日本とアメリカ人アメリカほどに違う作業です。(ワケワカメ



ずいぶんと面倒な気がしますが、実際は慣れれば10秒程度の作業です。
老眼掛けないと針穴が見えない…という人が眼鏡無しで、本縫いミシンスタンバイするより断然早い!?と思います。
まぁ目が見える内は本縫いの方が早いでしょうね。


しかし気にしません。
アメカジってそういう事象ばかりですから。
あ、JAPAN MADEのアメカジの話ね。
根本的にアメリカ製・イギリス製などとは生産する上でのプロセスがまるで違います。(多くのケースで


たまに耳にしますが、アメカジブランドなのに、JAPAN製ってどういう事よ…と笑う声があります。
これって意味を取り違えてしまってると思うんですよね。
現在の日本のリプロダクツは、時系列をとても大事に扱っているわけですから、当然どういう流れで今日に至るかが大事なわけです。
それによって廃れた物や、連綿と続く伝統製法をリスペクトし、継承してゆこうという姿勢な訳だと僕は思うんです。
そういうこだわりというのは、日本独自な考え方かも知れません。
あ、そんな事無いのかな…考古学も通じるものあるか


脱線してしまったついでにもう少し。

僕がこういう事を言うのもなんだけど、僕のお仕事の奔流はやはりジャカードミシンであって、経済的な現代のミシンな訳です。
どちらが良い物かという議論があれば、コンピューター制御のジャカードミシンなのかも知れない。
これは僕のお仕事の中心に、今はあるから。
ジャカードミシンでは、0,1mmの精度を要求できる。(実際はミシンは0,1mmに反応できないけど)
こんなミシンが例えば、1950年代に確立されていたとしたら、こんな手ハンドルミシンなんて、流行もしなかっただろうね。
当然といえば当然。でもそうではなかった時系列を、僕も大事にしているところがあって、わざわざ仕上がりが変わってしまう、不安定なアナログミシンを喜んで稼働させてますチョキ
一言で言えば「人間ぽい刺繍だから」




あれれ、何でこういう話になったんだろ顔文字
まぁいいっかにひひ



かなり脱線がひどくて、続きは次回に。

ごめんなさい。(って誰に謝ってるのか…
次回は「刺繍してみる」の稼働編です。