
空いた時間を利用してカキコです。
さて、今回は僕のユニホームを刺繍するという企画です。
自分の作業着なので、柄から刺繍の仕方からすべて自由な企画なので、
こういう作業はとても楽しいです

まずは図案は自作イラストを用意。

ブログのバナースキンにも使われているイラストです。
折角のハンドクラフトですから、製品シャツの背中一杯に入れてやろうと、
370mmで用意しました。ちょっとでかいかな
図案を型に焼きます。

ちょっと見えにくいですね。このスクリーンを使って、刺繍面に手捺染で型付けをします。
僕のユニホームはこれです


JELADO ANTIQUE GARMENTS 30's STYLE Cotton Linen ワークシャツ BLUEです。
シャツを目にしたとき、何かしら落とし込みたいと考えていたシャツです。
JELADOさんHP http://jelado.ocnk.net/
僕はB型で、血液型では結構酷いこと言われます

まぁあまり気にしていませんけどね。
キャンプ用のテントや、寝袋などを購入したときも、キャンプの前に自宅庭にて試したく
なる性分です。血液型ではなく性格

シャツが届くと直ぐに試着


しかし

シャツには問題はなかったのですが、僕の側で問題発生です

型付けは通常白色か青色で僕は型付けをするのですが、大概はどちらか一方でOKです。
しかしよく考えてみれば納得なのですが、このシャツシャンブレーのヘリンボーン組織…
青と白が織りなすおしゃれな色合いが、僕の型付けを

この分だと黒シャツを購入しても、同じだろうな…恐るべしシャンブレー地です。
染料屋さんに相談しなきゃな…とりあえず型付けは手書きに変更です。
型は今回無駄になってしまった。
代替え案は今のところ赤色カーボン紙です。
出来ればあまり使いたくない。落ちにくいという点で使いたくないのですが、
仕方ありません。
とそこで、最初なので軽く説明を


ミシン台の下です。
多くのミシンでは、糸は上に配置して縫います。
ハンドルミシンは下から引き上げるんです。
チェーンの形にするために、上から糸を送り込むと構造上無理なんです。
リングにするためにはミシン内部にある、『螺旋状のパーツ』を使って輪っかにするんですね。
これはまた別の機会にでも。
下にある糸をまずは上部に引き出す作業が必要です。

ピアノ線の先を曲げた物です。これを穴の中に差し込みます。

穴が二つ見えます。ちょっと見難いけど。手前側の見えにくい方から糸を引き出します。


針金を差し込んだら台の下から右手で、糸を針金のカギに引っかけてやる。
引っかかったのを確かめたら、針金を引いてやると糸がでてきます。

そしたらミシン内部にある螺旋に糸を絡めるため、ハンドルを回してあげて、一度
針を落とします。
すると向こう側の穴から糸がでてくるようになります。
これで刺繍が出来る準備が整いました

もっと簡単に出来ない物かとよく思います。
一度縫いが終わるとこの作業ですから、
刺繍している時間より、この準備に費やす回数が増える柄ですと、もう相当な時間が掛かります。
でも引き出す準備をしなくても良い方法が、あるにはあるんですけどね、色々それが出来ない事情
があるのだ…。それもまた次の機会に。

っていきなり縫い上げてるし…
プリントじゃねーんだぞ

ブログ作業用に写真を撮っていなかったので、仕方ないって言えば仕方ないのです。
まぁこれから追々載せることになるでしょうから、今回はよしとしましょう。

この図案はある意味かなり楽そうに刺繍できるように見えて、実はもの凄くヘビーな
内容の図案にしました。
そりゃもう疲弊するほどに


全体的に普通やらないだろ!っていう位、ちょこっと刺繍して終わるという始末。
筆記体のように縫い続けられる構成で図案を作りませんでした。
この単語の数……泣けてきます。
一文字縫ったらシャツをどけて、先ほどの糸だし準備です。
中には肉厚な生地もあるので、気を付けないと針が生地を引っかけてしまうので、慎重に
作業します。

細かい単語に加えて、もうひとつハードルを上げてみたのが、この円ステッチ部分。
ミシンの絵柄部分も同じ事が言えるのだけど、この円ラインは太い方を4本並べて1本空けて、1本
刺繍するという構成。
これは1周で縫い上げてます。それを並べる訳ですが、どれだけふらつかないで刺繍ができるか
が腕の見せ所なわけです。
こういう図案の場合、楽な方法は『刺繍で塗りつぶす』という感じで刺繍するのが楽です。
常にふらついている刺繍目が並ぶから、それなりに見えるんですね。だから重なっても縫い直さない。
刺繍ヶ所が埋まればおしまい。
ループにして埋める方法もそれなりに楽です。HANDLERの文字のように。
ただ下縫いを入れてから、ループに刺繍するので、時間は掛かるし手間はあまり変わらないですね。

ラインがぶれています。
これはここでは良くない仕事です。出来るだけ縫い直して綺麗なラインになるように、心がけたい
物です。

ぶれたところは左角の位置で、シャツの身頃がミシンの懐に押し返されてしまった為、こうなった
わけです。あとは刺繍による生地の吊れが原因なので、回避が難しい所です。
刺繍している最中は、綺麗に型付けの通りに縫えていたのに、次第に刺繍が膨らんで来て、まっすぐ
なラインが丸くなった。そんなこともあります。
これが手作業による『あじ』ってやつです。
決して手抜きじゃないんですよ。その辺ご理解頂ける日が、きっと来るはずです。
僕はそう信じてますよ…


このほかにも話すのも恐ろしい作業があるんですけど、それもまたの機会に。
このサイズ感では、コンピューターミシン(ジャガードミシンとか平縫いってやつです)では、
マンツーマンで一枚張り付いていないと、刺繍できないですね。
手ハンドルならではのインパクトです。

せっかくなので左胸にもイニシャルを入れてみました。
1本ラインでは、片道で終える縫い方と、往復して終える縫い方があります。
前者はリングの穴目がハッキリ見え、チェーン刺繍の趣があります。デメリットは貧弱に見える。
今回は後者の往復して終える縫い方で刺繍しました。
やはり片道よりは安定感

このワークシャツはコットンリネンですので、当然経年変化を楽しむ為に、
作られたようなシャツです。刺繍も一緒に年を取れるように配慮しまして、
コットン100%の堅牢染めで『無い』糸を使いました。
ドレッシーなシャツにはレーヨン100%刺繍糸を使ったり、無骨なワークシャツなどには
綿糸を使ったり、素材を選ぶのも楽しみなところですね。
これは決まりがないので、選択肢は自由です

レーヨン糸の日焼けした経年変化も捨てがたいです。
ちなみにこの偉い大変な内容の刺繍ですが、背中で13時間半と左胸に10分の作業時間がかかりました。
背中は時間計測ミス?かと思ったくらいです。
左胸のロゴが単語分けされたら、だいたい1時間程度の作業時間になると思います。それを思えば
そりゃいくわな……

ではまたの機会に
