おごってもらう | 大阪大学体育会水泳部のブログ

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大阪大学水泳部競泳面のブログです。
今年のスローガンは"和爛"
部員全員が団結し、部員全員が天真爛漫に輝くチームを目指します!

競泳主任の武田直樹です。



今日はOFFを取っている人も多かったようですね。

各自疲労を抜いて、技術面を再確認して、

レースに向けて自分の泳ぎを仕上げに向かっているところでしょう。

坂本君がシフトなかったんですが、後輩を心配してきてくれました。ありがたいですね。




さて、ブログですが。

土曜日の競泳Mで主任として伝えたかったことは、大方伝えました。

(ドライブに1週間限定で、スライドあげているのでもう一度見たい人はどうぞ)

昨日のブログでチームについて山田も述べてくれていたし、

何を書こうかなって思ったのですが、



まあ少し個人的なことを書かせてもらおうかなと思います。

長くなりそうですが笑




競泳主任になって、今日で361日。

僕たちは、関カレ1部昇格、七帝女子優勝に向かって

1年間色々な短期目標をクリアしながら、着実に成長しながら、

チームとしてやってきました。



何故そもそも僕は主任になろうと思ったか。



1回生の頃の僕だったら絶対にやっていなかった。

やりたくないと思っていました。




僕は中高と制度の新しくなった一貫校に通っていました。

なので自分たちが1期生でした。

これが何を意味するかというと、先輩がいないということです。

何もかもが新しく、自分たちで作っていかなくてはならなく、

常に6年間一番上であり続けました。




そんな僕は大学に入って、初めて先輩ができました。

大学に入って、クラブではなく、初めて体育会という部活に所属しました。



そこで少し驚きの体験をします。

それは先輩と昼ご飯を食べることになった時、先輩は僕におごってくれました。

「おごってもらう」という経験すらなかった僕は、

どう感謝を表したら良いのかわからず、ただひたすら申し訳なさと、

どうお返しするかを考えていた気がします。

恩を受けたら、恩返ししないとってそう思ってたのかもしれません。



その当時の先輩は
「自分もたくさんおごってもらってきた、今はおごってもらうといい。

後輩ができたらおごってあげな。」と。


その時僕はそう納得し、たくさんおごっていただきました(笑)




でも、

このおごる、おごってもらうという

一見僕にとっては不思議な部のしきたりにも大切なことがある。



僕はある時感じました。



先輩からしていただいたこと、学んだこと、感じ取ったこと。

それを自分なりの形で、今度はしっかり後輩へ伝えていく。






僕はたくさん先輩から色んなことを教わり、気づかされ、幾度となく救っていただきました。


生意気だった僕を、受け止めてくれて、話も聞いてくれて、


時には厳しく叱ってくれた。注意してくれた。


時には優しく声をかけてくれ、見守ってくれた。




特に僕は2つ上の主任には大きな影響を受けました。


口で多くは語りませんが、黙って部員の誰よりも競技に打ち込んでいました。


そんな頑張る姿に部員はついていき、その優しさから部員に慕われ、


個人としてもチームとしても結果をしっかり出して、チームを引っ張っていました。







僕が怪我をし、阪名戦に欠場するとわかった時、怒鳴って叱ってくださった。






僕が全国公の八継でベストと3秒離れて帰ってきて9位で予選落ちになった時、

責めることなく、笑いながら、泣き崩れる僕に何度も声をかけてくださった。






引退された今でも、僕の泳ぎや主任の相談に乗っていただき、

阪大チームや個人の結果を気にかけていただいています。









その主任をはじめ、多くの先輩方にはたくさん力をもらい、


たくさん迷惑をかけてきましたが、


自分自身を変えるきっかけをいただきました。


感謝の気持ちでいっぱいです。


だから今度は僕が、主任として、何か後輩に影響を与えられる人になりたい。


気づいたらそう考えていました。







主任になる!そう決心した僕は、


当時の主任(前主任)と主将を交えて、いつもチームの話、水泳の話をしていました。


先輩にずけずけ、チームに対する意見を言う僕と一緒に話をしてくださり、


チームがどう動いているかを近くで見させてもらい、


まだまだ視野の狭い自分に気づかされました。




前主任を中心として1つ上の代の先輩方が


この阪大水泳部にビックウェーブをもたらし、


実際にチームを変える動きを作ってくださったからこそ、


今僕たちのチームがあるんだと思います。






もしかしたら先輩といっても、同い年、あるいは年下ということもあります。

たかが1年、2年の差かもしれません。

それでも自分たちより数年長く部をみてきて、経験をしていて、

今のみんなと同じことを乗り越えてきていて。

だから今の自分たちには見えていないことが、見えているはずです。

僕も回生があがるにつれて、見えてくるものがありました。




だから先輩たちの言動をしっかり見てほしいです。


彼らの言動に込められた思いも、少しでいいから、くみ取ってほしい。


そして感じ取ったものを自分の行動に反映して、後輩に伝えていってほしい。


そうやってチームは作られ、受け継がれていきます。











果たして僕たちの代が、後輩の模範となる言動を常にできていたか。

そうは言いきれないかもしれません。

僕らの代は僕も含めて、我が強い人が多くて、マイペースな人もいます。

先輩の悪いところまでマネする必要はありません。

良くないというところは反面教師にして、自分たちはそうならないでほしい。







そんな同回を僕は一番信頼しています。


僕が自分らしく、主任そして一部員としてこの部活にいられるのは、


僕にないところをチームに補ってくれる同回がいるからです。


いつもそばにいて、安心感を与えてくれる。


主任を決める時も、何人かから反対を受けました。


真っすぐに僕の悪いところを指摘してくれました。





自分を注意してくれる、叱ってくれる先輩や同回の存在。


大切にしてください。



もう子供ではないので、なかなかそういう存在っていないと思います。


それはあなたをしっかり見ていて、気にかけていて、


期待しているからそう言ってくれているはずです。









ただ僕には1つ間違えがありました。








先輩からしていただいたこと、学んだこと、感じ取ったこと。

それを自分なりの形で、今度はしっかり後輩へ伝えていく。




それは一方方向ではないということ。


後輩から受ける刺激や後輩に気づかされることもまたあるということ、


主任をしていて改めてそれを強く実感しました。




主任として、先輩から学んだことを伝えていく!

そんな強い気持ちで始めた僕でしたが、

自分一人ではチームを変えることも、何もできない。



選手やマネージャー。



幾度となく意見のぶつかりや思いのすれ違いはあったと思います。

それでも「考えの違い」「価値観の違い」と言って議論することを放棄することなく、

共に悩み、最後までチームのために一緒に考えてくれました。

(多少僕の方が強引だったかもしれません)




メニュー陣。


僕の細かい注文や要望に応えてくれ、トレーニングに対する知識を交換し合い、

意見を出し合って、メニューを作って説明してくれました。




そうやって僕一人ではできないからこそ、


回生泳力関係なく、色んな人に頼って、仕事を任せてきました。


それをしっかりこなしてくれたみんなが、


こうしてチームのまとまりを生み出してくれています。


その協力なしでは、僕は主任をやっていけませんでした。






みんな各々様々な気持ちや思いを抱えて、


競泳に取り組んでいましたね。


そんな中必死になっているみんなに感化されながら、


見る見る成長していくみんなに驚きながら、


うれしくなりながら、僕ももっと頑張ろう!


いつも活力をもらっていました。








一人一人が自分の目標に向かって頑張ることが、

やがてチームの目標につながる。








大ベストを出す、


生涯ベストを出す、


全国公標準を突破する、


スランプから脱出して復調する、


決勝へ進出する、


表彰台に上る。


その裏にはたくさんの苦しみや悔しさがあったからこそ、


それが最&高にうれしく、喜びになる。







みんなそれぞれ自分のために、そしてチームのために尽くしてきてくれました。




ここまでやってきたことの「真価」が、今問われています。

僕たちはこの日をずっと待ち望んでやってきました。




関カレ 1部昇格


七大戦 女子優勝







気合は十分だと思う。



だから僕は選手に、

「いってらっしゃい」

そう言って招集所に送り出したい。






前々主任みたいに多くを語らないかっこよさはないけど、


前主任みたいにユーモアあふれる魅力はないけど、


みんなが誇りに思ってくれるチームの主任ができて、


僕は幸せ者です。





今までついてきてくれてありがとう。



本当にありがとう。





関カレまで あと 2日

七大戦まで あと 9日

Go!! 阪大!! FlyHigh!!








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