広島で最も会いたかった磨崖仏(前編) | 半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

暑すぎませんか。9月も半ばなのに。

このまま行くと温度上昇により人類はすべて滅び去り、

熱帯に適応する生物のみ生き残るのではないか。

そして人類が滅んだ後も、石に刻まれた磨崖仏は残りつづける…

そんな世紀末的な想像をしてしまう今日このごろ。

皆さま、生きてますか。

 

先月8月、猛暑の最中に広島で山登りをして、

熱中症初期のような状態になった話をしようと思います。

 

 

どうやら広島県には『白滝山』と呼ばれる山がふたつあるみたいです。

広島で行きたい磨崖仏と石仏を調べると、両方とも場所が『白滝山』でした。

ですからてっきり同じ山だと思っていたんです。

ところがふたつは別の白滝山でした。

ひとつは瀬戸内海に浮かぶ因島にある標高226メートルの『白滝山』

もうひとつは三原市の南西部にある標高340メートルの『白滝山』

結果から言うと私は1日でこの両方の白滝山に登りました。

 

最初に目指したのは三原市の白滝山です。

私が会いたい磨崖仏は龍泉寺磨崖仏と言い、

三原市の白滝山の山頂付近にある龍泉寺というお寺の先、

まさに山の山頂に刻まれているらしいのです。

これはめちゃめちゃ会いたい。

 

 

龍泉寺までは最寄りの駅から歩くと、おそらく一時間以上かかります。

車だと、こんな感じの舗装された細い山道を走り、

お寺に一番近い駐車場に車を停め、

そこから徒歩で10分ほどの登山になります。

 

 

それまでの山道にも点々とお地蔵さまがありましたが、

駐車場近くでひときわ大きなお地蔵さまと観音さまがお出迎えしてくださいます。

ここが山登りのスタート地点。

 

この日の広島の気温は、

最低気温が28.0度、

最高気温が37.6度

…平熱を上回るぐらいな酷暑!

 

山登りとか、普通ならあり得ないんです。

でも高所だし、少し涼しいかも…

なんて淡い期待を持ちつつ向かいましたが、

標高1000メートルクラスならともかく、

300メートルクラスの山ですからそんなこともなく…

数分歩くと汗が滴り落ち、歩きはじめてから約10分後、

石段の先に龍泉寺が見えて来たときにはすでに汗ダクに。

 

 

階段の上に見えているのが龍泉寺の山門です。

石のちょっとファニーな仁王さま(ファニオーさま)がいらっしゃいました。

正面には立派な本堂。

本堂左手には地蔵堂。

ひとつひとつご紹介したいところですが、長くなりますので省きます。

 

本堂に手を合わせまして、今回の最大の目的である山頂の磨崖仏へと向かいましょう。

 

 

本堂の左手奥に石の鳥居があり、

その先にやや傾斜のキツそうな坂が見えています。

 

ここを登るのか…ツラそうだな…

暑くて、もうこの先は家族もついて来てくれません。

(そりゃそうだと思う、ここまで来てくれたことに感謝)

だからひとりで行きます。

ここまで来たんだから暑くても行く。

 

 

10分は歩いてないと思います。

6〜7分というところかな、

汗を拭いながら登って行くと、左手に石の羅漢さんが現れました。

 

「おっ、羅漢さんだ」

そろそろ山頂かな?

と、

左カーブを曲がって見上げた次の瞬間!

 

 

現れたのは、

巨大な岩場とそこに点在する羅漢さん!

岩が大きいだけに迫力があります。

なんでも方丈岩(八畳岩)といわれる大岩なんだそうです。

 

 

そして、

この羅漢さんゾーンの先にとうとう見えてきました…

 

 

 

釈迦三尊磨崖仏!!

 

中尊が釈迦如来坐像。

脇侍に迦葉尊者(かしょうそんじゃ)と阿難尊者(あなんそんじゃ)。

こちらは立像、つまり立ってる像で、いずれも釈迦の十大弟子です。

が雲に乗って出迎えてくださってます!

 

山の山頂にある大岩の一番高い位置に、雲に乗った釈迦三尊像

なんだか象徴的です。

江戸時代初期の作と推定されるとのこと。

よくここまで残っていますね…素晴らしい。

 

そしてここから先がさらに凄かったんです。

もう少しありますが長くなりますので、後編につづきます。