広島で最も会いたかった磨崖仏(後編) | 半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

広島県三原市の白滝山にある龍泉寺さん。

そこからさらに山を登り、山頂の大岩に刻まれる磨崖仏、

龍泉寺磨崖仏を拝みに行った話。

前回の前編につづく後編になります。

 

前編ありきで話を進めてまいりますので、

どうぞ前編よりつづけてお読みください↓

 

 

 

このブログには何度か書いていますが、

私が旅をする上で最も大切にしているのは『初見の新鮮な驚き』です。

初見の場合、行く前にできるだけ詳細を調べないようにしています。

あえて情報を入れない。見ない。

そしておおいに驚く。

知らないことで道に迷うなどいろいろな失敗もあるわけですが、

トラブルもまた旅の醍醐味ととらえています。

 

龍泉寺磨崖仏に関しても

「釈迦三尊像以外にも磨崖仏がある」

程度の事前情報で山登りをしていました。

 

 

ですから、この釈迦三尊像に遭遇した後、

先にこの光景が見えて来たときには、本当に驚きました。

 

 

 

なんかめっちゃいる!!

凄くないですか…この密度!!

十三仏?…いや違うなぁ。

 

 

上写真の一番左の尊像はお腹に顔があるから、深沙大将かもしれません。

深沙大将(じんじゃだいしょう)とは仏教の守護神で、

玄奘三蔵像(西遊記の三蔵法師)とともに沙悟浄の立ち位置で描かれたりします。

となると写真の右の尊像は玄奘三蔵かもしれません。

なんかそう見えてきた。

 

特徴的なのでこの辺りは想像できましたが、

不勉強なもので他はさっぱり分からない…

 

十六善神(じゅうろくぜんしん)か?

十六善神とは大般若経の守護を誓った16の守護善神のこと。

仏教を守る神々っぽいですよね、装備が。

そうだとしたら数が足りないかも。

 

と思ったら!

 

 

わー、まだまだいらっしゃる!!

巨大な岩の側面を全て使うかのごとく!

あっちにもこっちにも、尊像が乱れ彫りされてるような状態。

しかもクオリティもめちゃ高い。

これはすごい!!

 

 

ここにも!!

あんな高いところにも!

 

 

ぐるっとまわってここにも!!

光が当たっていないので分かりづらいですが、ここにも3尊。

これら全てが江戸時代初期の作とは…

前編にも書きましたが、よくここまで残っているものです。

 
と、興奮しきりだったわけですが。
暑すぎて1尊1尊をよく観る余裕はなく、
驚きながらただただ拝んだという感じでした。

 

後で調べてみるとこの像はやはり
十六善神を含む20体とのこと。
数えたら21体だったんだけどなぁ…
暑さで朦朧としていたのか計算が合いません。
いつか再訪したいです。暑くないときに。
 

 

八畳岩と呼ばれる大岩の磨崖仏が刻まれた部分をぐるりと回り込むと、

自然と山の山頂に出るようになっていて、大岩の上にも登ることができます。

そこは遮るもののない360度の絶景が広がります。

 

大岩の上から望む景色がこちら。

 

 

360度の大パノラマ。

「山頂まで登ったー!!」

という達成感よりも何よりも、とにかくただただ暑い。

それでも会いたかった磨崖仏は本当に素晴らしく、

汗を流したかいは充分にありました。

 

事前に下調べをしていなかったため、

磨崖仏の密度と素晴らしさにとても驚きましたが、

これは調べていても驚くレベルだと思います。

 

ただ、このときはまだ元気だったのですが、

山を降りたぐらいから軽く目眩がしはじめます。

おそらく熱中症の初期症状だと思います。

皆さまはどうかもう少し涼しい時期にご参拝ください。

 

ブログはもうひとつの白滝山の登山へと進みます。

しばしお待ちください。