美しすぎる二十五菩薩石仏の話 | 半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

今年の元旦、2024年1月1日。

能登半島で大きな地震のあった日。

私は滋賀県にいました。

 

20年来の友人が滋賀に住んでいて、彼女と初詣をし、

彼女の家に一泊させてもらうため移動している最中、

あの地震が起こりました。

そもそも滋賀県は北陸、福井県と隣接しています。

友人宅は比較的、福井に近い場所だったため揺れも大きく、

衝撃的な元旦となりました。

 

能登半島の一刻も早い復興をお祈りしています。

能登には能登大仏さまもいらっしゃいます。

またいつか行きたいと思います。

 

そんなこともあり…

なんとなく元旦のことを書けないでいました。

でもその日、友人と参拝したお寺で出会った石仏が

本当に素晴らしかったので、ご紹介させていただこうと思います。

 

 

大津市の坂本地区にある西教寺

ずっと参拝したかったお寺さまで、

このお寺を友人との待ち合わせ場所にしていました。

 

JR比叡山坂本駅に着いたのは14時近く。

お腹がすいていたので、坂本比叡山口駅近くの『日吉そば』で

おそばをいただきました。

 

超シンプル。有名なおそば屋さんらしいです。

 

美味しくいただきまして、そこから西教寺まで徒歩でむかいます。

道には初詣客が多くいましたが、皆お目当ては日吉大社のようで、

だんだん人が減っていき、いつしか歩いているのは私ひとりに。

 

すると左手に(私にとっては)とても魅力的な看板を発見。

『千体地蔵尊 すぐそこ

こういうのに弱いんですよね…

「呼ばれてる!」と思ってしまいます。

決して私を呼んではいないのでしょうが…まぁ、一期一会というやつです。

 

看板に引き寄せられ、つい脇道に入ってしまい、

友人を少しだけお待たせすることになってしまいました(ごめんなさい!)。

脇道を数分進んだ先にあった光景がこちら。

 

 

のどかな道の傍らに突然現れる無数の石仏。

立て看板によれば、

これは『八講堂千体地蔵尊』と呼ばれる石仏群。

 

その昔、比叡山は修行の山で一般人の参拝に制限があったため、

せめて比叡山の山麓のこの地にと祀った石仏がいつしか集められた、

というようなことらしいです。

 

 

中央の阿弥陀石仏はかなり立派で、

こんな石仏群が突如現れるなんて、さすが比叡山のお膝元!と思いました。

京都の『あだしの念仏寺』の『西院の河原』(さいのかわら)を思わせる光景でした。

 

 

そんなこんなで、やっと西教寺に到着!

無事、友人と落ち合ったわけです。

 

西教寺は天台真盛宗の総本山で、比叡山焼き討ちで被害をうけました。

その復興に貢献したのが明智光秀という、光秀ゆかりのお寺らしいです。

歴史に疎いので、それ以上のことは聞かないでください。

 

境内に『飛び出し坊や光秀くん』がいました。

 

元旦ということで、甘酒がふるまわれていたり、

鐘をつくことができるなど、特別感がありましたが、

私がこの日、最高にテンションが上がったのは、

言うまでもありません、二十五菩薩石仏です。

 

屋外にも二十五菩薩石仏があります。

 

 

こちらは元々あった二十五菩薩石仏のレプリカと言うのでしょうか?

つまり復元され、近年つくられた石仏。

 

この元になった二十五菩薩石仏は破損が激しく、

現在は保護のため屋内に移動、安置されています。

元となった桃山時代作の二十五菩薩というのが、本当に素敵でした。

 

その二十五菩薩は廊下に並んでいました。

 

 

 

屋外で苔むしたり雨に濡れる石仏も魅力的ですが、

屋内でゆっくり拝む石仏もまた魅力的。

 

桃山時代の豪商が亡き娘の極楽往生を願い造立したと伝わる二十五菩薩石仏は、

阿弥陀如来を中心にそれぞれ楽器などを抱えポーズをとっています。

そのポーズが実に優雅で美しい!!

 

 

まるで音楽が聴こえてきそうじゃないですか?

 

 

もの凄く美しくて見蕩れてしまいます。

 

細部には破損が多くみられました。

これ以上破損しないよう、保護されてほしいと思います。

本当に素晴らしかったので。

 

二十五菩薩とは、なくなった人を極楽に迎えるため

阿弥陀如来とともにやって来る菩薩のことです。

こんな優雅な菩薩さま達に迎えていただけるなら死も恐ろしくないですね。

その前にまず極楽に行けるよう真っ当に生きねば、ですが…

今からでも頑張ろう。