魅惑の狼信仰ツアー(後編) | 半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

先月7月22日に行われた、

『宮城県南・丸森町と村田町の歴史探訪

狼信仰を探るツアー』

というディープかつストイックなツアーに、

初参加してきたツアーレポートの後編です。

『魅惑の狼信仰ツアー』(前編)

より、つづけてお読みください。

 

 

『村田町歴史みらい館』で開催中の企画展、

『牙を剥け ー東北地方の狼信仰ー』

を同行の石黒先生から丁寧にご説明いただいた後、

バスは丸森町船着き場へと向かいます。

ここで船に乗り、阿武隈川を遊覧しながらお弁当を食べるというのです。

実に『ツアー』っぽい。

 

 

もくもくと石碑をめぐり解説をいただくという、

ある種ストイックなツアーの中で、

これが唯一のエンターテイメント要素といった感じでしょうか。

 

とは言え、そのストイックをやりに来ている参加者しかいないと思うので、

エンターテイメントは不要なのでは?

と当初は思っていましたが、やってみるとこれはこれで楽しかったです。

ツアーならではって感じで。

 

 

船の屋根にが描かれているのがお解りでしょうか。

ここ丸森町では養蚕が盛んに行われ、

猫神様と呼ばれる猫の碑が多数残っています。

そのことから『猫神さまのある町』として、

それを観光のひとつの要素としているようです。

 

今回のツアーは猫神さまではなく狼さまですが。

でもこの遊覧がツアーに含まれていたのも、この屋根をみれば頷けます。

 

 

さて、エンタメタイムはここで終わり。

ここから狼碑を何と、6カ所めぐるのだそうです!

ストイックですね…

 

私が普段している旅も、正直そんな感じではあります。

ただ石仏や石碑は場所を何となく知っていても、

見付けられずにスルーしてしまうこともしばしば。

大きなタイムロスになります。

その点、先生にご案内いただけるなら道に迷うこともないでしょうし、

6カ所めぐるのは容易なのかも。

ツアーならではの効率性バンザイ。

 

 

最初にバスが停まったのは丸森町のとある民家の入り口付近。

 

 

一角に2尊のお地蔵さまが祀られていて、

その両サイドにたくさんの石碑が並んでいます。

 

大きめの看板がありますが、ここには『鶴供養碑』の解説がありました。

鶴を供養する碑というのは珍しいのだそうです。

鶴供養の他にも様々な碑が並ぶ中、狼碑もひっそりとそこにありました。

 

 

左が狼碑(正確には狼図像碑)。

右が『村田町歴史みらい館』で先ほど観て来たその拓本です。

 

年号はなく明治時代頃のものと推定されます。

右前脚を上げている姿というのはとても珍しいそうですが、

下の部分がコンクリートでガッチリ固められてしまっているのが惜しいところ。

 

ひとしきり碑をみて回り、先生のお話を聞いたところで、

またバスに乗り、次の場所へと移動。

十数分バス移動し着いたのは、緑あふれる喉かな道ばたの一角。

 

 

こちらにあった狼碑は、狼と言うにはちょっと可愛らしすぎて…

犬神さまかな?と思ってしまいました。

あ、でも狼のことを『おいぬ様』と言ったりもするから…

その辺の境界線はわりと曖昧なのかな?

 

ともかく、耳が垂れていて、なんとも可愛らしい。

 

 

左がその狼碑(正確には狼図像碑)。

右が『村田町歴史みらい館』で観て来たその拓本。

 

新しく見えますが明治時代のものだそうです。

よくここまで奇麗に残ってますよね。

 

 

この場所には他にも狼碑がありましたが、

崩れてしまっていて、脚の部分しか確認できないような状態でした。

これが普通なんでしょうね。

奇麗に残っている方が珍しいのかも。

地域の方々が美しく残してくださっていることに感謝です。

 

 

と、まぁこんな感じでバスで移動して碑を探し、

解説を聞いて、またバスに戻る…

これを繰り返すこと6回。

先生のお話も面白くとても楽しかったですが、けっこうストイックですよね。

 

めぐった6カ所全部を書いていくとはかなりのボリュームになりますので、

このぐらいにさせていただきます。

 

その後めぐった狼碑のある場所。鳥居が印象的でした。

 

 

ツアーに参加する前の想像では、

きっと年配の男性ばかりなんだろうな、と思っていたんです。

ところが実際に参加してみると参加者はほぼ女性

年齢は私と同世代か、上の方が多い感じでしたかね。

 

女性特有のちょっとトーンの高い「ワーッ!」という歓声が、

通常は歓声の上がらないであろう石造物にむけ上がっているのが、

客観的に面白く、興味深かったです。

これまで経験したことのない世界でしたので、全体的にとても新鮮でした。

 

そして何よりも良かったのが、

その道のスペシャリストが同行、解説してくださるというところ。

石黒先生でなければ知りえないような、

個人宅の狼碑などをみることができたのは、

こうしたツアーでなければあり得ないことだと思います。

 

 

私が今回参加させていただいたのは宮城県南の狼ツアーでしたが、

県北と岩手県の狼をめぐるツアーが9月に行われる予定。

猫神さまめぐりツアーも10月開催予定とのこと。

詳細はこちらから↓

 

 

 

また参加してみたいですが、私は参加できるかまだ解りません。

なんせ遠いです。東京住みとしましては。

ご興味ある方はチェックしてみてください。

 

最後に、私はこの分野に関してとても不勉強ですので、

文章の内容に間違いなどあるかもしれません。

その点、あらかじめご了承ください。

 

たまにはツアーもいいかも。

と思った、魅惑の狼信仰ツアー初体験でした。