私はこれまで、
『旅には偶然とハプニングこそ重要』
という…ある種の信念みたいなものを持っていて。
ほとんど計画をたてずに旅をし、
ハプニングすら楽しんでいたところがあります。
ですから行程がバッチリ決まっているような、
いわゆる『ツアー』的なものに参加したことは全くなく。
興味もさしてなかったのですが、
最近ちょっと参加してみたいツアーを見付けました。
その名も
『宮城県南・丸森町と村田町の歴史探訪
狼信仰を探るツアー』
というもの。
「狼信仰?大仏も石仏も関係なさそうだけど…?」
とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
石仏を巡りはじめると例えば『猫神様』みたいな、
動物の碑なんかにもちょいちょい出会うんです。
それがもれなく可愛かったりします。
宮城県某所の猫碑
なぜ猫を祀るのかと言うと、
『養蚕が盛んな地域では、ネズミは蚕の天敵。
だからネズミを捕獲してくれる猫を神様として祀る』
と、いうわけなんですが。
そうしたいろいろな動物にまつわる信仰が日本各地にあるわけです。
そんなことに興味を持ちはじめていたところ、
なんともタイムリーに狼碑をめぐるツアーがあると知りまして、
勢いのまま、単独で参加してみることにしました。
先月、7月22日のことです。
当日は朝9時に仙台駅にてツアーバスに乗車。
十数名の参加者を乗せたバスは一路、
『村田町歴史みらい館』に向かいます。
村田町歴史みらい館の外観
こちらでは現在、
『牙を剥け ー東北地方の狼信仰ー』
という企画展が行われています。
火災、盗難、害獣などの様々な災厄から守護をいただける
神のお使いとして古くから信仰されてきた『狼』。
東北地方における狼信仰を探る展示です。
もともと興味をひかれていた展示でしたが、
このツアーには、村田町歴史みらい館の館長であり、
猫や狼信仰に関する民族調査をされている石黒先生が同行!
解説もしてくださるとのことで、これは面白そう!!
となったわけです。
館内に入ると、いきなり!!
キュートすぎる狼像がお出迎え!
明治30年、安山岩製、個人所有の狼像。
そうした学術的なことだけでなく、
石黒先生からこの狼像を運ぶまでの苦労話も聞くことができるなど、
かなり面白かったです。
展示に関わった先生に直接お話を聞けるというのは、
このツアーならではのことだと思います。
例えばこの拓本。
(拓本というのは、石碑など凹凸のあるものを紙に写し取ったもの)
宮城県内の三峯神社にある碑の拓本で、
高さが2メートルを越える大きなものです。
全体の写真では分かりづらいのですが、
よく見ればここに一対の狼が。