カワイイの許容量オーバー 福林寺跡磨崖仏 (後編) | 半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

滋賀県野洲市の山中にひっそりとある磨崖仏、

福林寺跡磨崖仏に会いに行った前回のブログ、

『カワイイの許容量オーバー 福林寺跡磨崖仏 (前編)』

のつづき、後編になります。

前編と合わせてお読みください。

 

 

はるばる滋賀まで電車移動し、

約40分歩きやっと辿り着いた福林寺跡磨崖仏は、

周辺に磨崖仏が点在する磨崖仏多発地帯でした。

 

しかも、それらの磨崖仏が他に類を見ない程にカワイイ!

 

前編の最後に登場した13体のお地蔵さまたちも、

可愛らしさ許容量オーバーぎみで、

すぐさま私の『磨崖仏かわいいランキング』にランクイン!

 

しかし思い出してください、

そもそもこの磨崖仏に会いに来たきっかけはTwitterで見た写真でした。

その写真の磨崖仏にまだお会いしていないのです。

どこにいらっしゃるの?私が心奪われた磨崖仏は。

 

私は周辺を捜索しはじめました。

 

 

さっきまでテンションが上がり過ぎていて、

周りがよく見えていませんでしたが、

見渡してみれば一帯には磨崖仏だけでなく石仏もたくさんあります。

 

福林寺跡の最上部になるのでしょうか、

少し登った所にも巨石があり、その前に石仏が並べられています。

それらの石仏たちをひとつひとつ拝んでいると、

その近くにまた別の磨崖仏を見付けました!

 

この磨崖仏を何と表現したらいいのでしょう…

 

 

抽象的に表現された像容に加え、

堆積物に埋もれ傾いた様子が、何と言うか…

まるで人類が滅んだ別の世界線に迷いこんでしまったような。

そんな独特の雰囲気をつくり出しています。

 

超魅惑的な磨崖仏を前にしばし立ち尽くしていましたが、

いや待て、まだTwitterで見たあの磨崖仏に会えていない!

どこ…?

周辺は見渡す限り巨石だらけで、

どの石の裏側に磨崖仏が隠れていても不思議ではありません。

 

しばらく探しまわりましたが見付からない。

その時、思い出しました。

 

 

そう言えば、さっきここに来る途中で

『小磨崖仏群』という看板があったじゃないの!

あそこなんじゃないの?

と、慌てて道を引き返します。

 

先ほどの看板まで戻り、

指し示す『小磨崖仏群』方へ歩いて行くと、小川が流れ橋が架かっています。

この橋の先に見えて来た光景が…

 

また素敵だったんです。

 

 

巨石に太陽光が降り注ぐみたいに当っていて、

まるで模様のような磨崖仏が浮かび上がっています。

 

さっきまで小雨が降っていたとは思えない。

さすがに仏さまがいらっしゃる空間!

みたいな特別な感じがしていました。

 

 

こちらの磨崖仏が、私がTwitterで写真を見て

「これは一刻も早く参拝しなければ!」

と心動かされた磨崖仏です。

とうとう出会うことができました。

 

直線的な溝を彫り込んだ中に、デザイン性の高い、

ディフォルメされた仏さまが整然と並んでいます。

 

 

何度も書いていると思いますが、

私はこういった一見「稚拙」ともとられがちな表現に、

よりグッと心を掴まれてしまうんですよね。

 

もの凄く精巧につくられたプロの作品も素晴らしいですが、

一見、素人が手がけたように見える像の方が、

より純粋な想いがこもっているように感じてしまうのです。

 

 

それに、めちゃめちゃ可愛らしいですよね。

写真の手前の仏さまなんて、

ニッコリ口角を上げて笑っていらっしゃるように見えます。

 

この巨石には3面に渡って、

写真のようなディフォルメされた仏さまが刻まれていました。

周りを何度ぐるぐるしたかわかりません。

 

あんまりにも素敵で、私のツボにドンピシャで。

この滋賀の山中の魅力的な空間に、気付けば1時間…

いやもっと居ましたね、とても長居してしまいました。

 

 

この後、せっかくここまで来たんだからと、

先ほど駅近くで見付けた看板にあった、

もうひとつの磨崖仏に挑戦するのですが…これがけっこうな登山になるんです。

さて、無事に目的の磨崖仏に会えるのでしょうか?

それは、また次のブログで。