磨崖仏を目指して また登山 | 半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

前回、前々回のブログでご紹介しました、

福林寺跡磨崖仏から約1kmほど離れた場所に、

妙光寺山磨崖仏という、これまた素晴らしい磨崖仏があります。

 

ただ『妙光寺山』という名前からお解りかと思いますが、

この磨崖仏は山の上にいらっしゃるわけです。

そうです、またもや登山です。

 

この日は朝、宿泊地を出て電車移動し、野洲駅に着いたのが11時頃。

そこから40分ほど歩き、福林寺跡磨崖仏を参拝。

ひとしきり散策し、気付けばすでに午後1時をまわっていました。

 

ここから登山する?

帰る?

はたまた、登山は諦めて京都とか行っちゃう?

 

こんな選択肢が頭をよぎるわけですが、

ここまで来たんだから…登山!

なぜなら後悔したくないから!

へとへとになって翌日後悔することは…よくあるんですけどね。

 

ということで、いざ妙光寺山磨崖仏へ!

 

 

福林寺跡磨崖仏の参拝路入口から、

川沿いの道路を川を左手に見ながら数百m進みます。

突き当たりを右折してまた数百mほど歩くと、

妙光寺山磨崖仏入口が見えて来ます。

 

赤い鳥居の向こうにあるのは薄暗い闇…に見えます。

そして「あれ、デジャブかな?」

と思わせるイノシシ避けの柵が行く手を阻みます。

 

 

一瞬、躊躇しました。

まるで異界への入口のようで。

ひとりでここ入るの?どうしよう…と。

 

でもまぁ、とりあえず入ってみよう。

少し行ってみて無理そうだったら引き返せばいい。うん。

と自分に言い聞かせ、重い扉を押し、異界へと足を踏み入れました。

 

するとすぐにこんな標識が現れます。

 

 

『妙光寺山磨崖仏まで400m

 

なんだ400m、すぐそこじゃん!

校庭2周ぐらいでしょ。

これまで何km歩いて来たと思ってるの、楽勝、楽勝。

 

って、その時は思うんです。

が、平坦な道のり400mと、山登り400mでは大違い

 

最初はこんな階段

 

 

そしてこんな山道を

 

 

しばらく登って、はぁはぁなって、

「もうずいぶん進んだでしょ!」

って思ったのに…

 

 

『妙光寺山磨崖仏まで320m

 

えー!80mしか進んでないのー!!

ってなる。

これすなわち登山。

 

時々、ハッと我に返ったりして。

「あれ?私こんな山奥で何してるんだろう?」

って。

我に返ってはいけません!

どこかのネジが1本飛んでないと、やってられないと思うんです、こんなことは。

 

 

シダ植物にやや絡まれながら、

『妙光寺山磨崖仏まで250m付近を通過。

 

このぐらいまでは写真も撮っていたんですが、

その後、写真を撮ることも忘れ、ただただ無心で登ること…

10〜15分くらいでしょうか。

 

平坦な場所に出ました。

 

 

『妙光寺山磨崖仏まで70m

 

ここは少し開けた場所で、木々の隙間から野洲の町が見えます。

よく見えないけど、けっこう登ってきたみたいです。

 

 

この場所には岩谷がありました。

仏さまや神さまが居そうな雰囲気がプンプンしています。

 

そろそろ来ますよ…

 

岩谷を通り過ぎ、平坦な道をさらに歩いて行くと、

左手頭上に突如として磨崖仏が現れるのです!

 

 

 

妙光寺山磨崖仏です。

 

福林寺跡磨崖仏で出会ったお地蔵さまとは対照的なお地蔵さま。

鎌倉時代の作とされる地蔵菩薩立像で、像高は160cm。

 

高い場所に彫り込まれているため、よく見えないのですが、

元亨4年(1324年)7月10日の造立と刻銘があるそうです。

 

 

登場の仕方や光線の具合から、オーラがスゴいなと感じました。

ここまで登ってきたシンドさもあるので、有り難さ倍増です。

諦めないで最後まで登って来て本当に良かった。

 

時間的にはそこまでかかりません。

片道15〜20分ぐらいの登山と言ったところ。

ですが勾配はありますし、草もスゴいので、きちんとした装備でご参拝ください。

夏場は避けた方が無難だと思います。

 

 

山を降りて時間を確認すると午後2時をまわっていました。

お昼も食べておらずお腹がぺこぺこだったので、

この後、駅までの道の途中にあったマクドナルドに寄って、

ハンバーガーをほぼ飲み込むように食べました。

 

長い1日でした…

でもいい1日でした。後悔はありません。

 

滋賀県にはまだまだ会ってみたい磨崖仏がたくさんあります。

滋賀県、実にヤバいです。

機会を見付けてまた来ます。

それまで無事で待っててください、滋賀の磨崖仏さま。