佐渡島 岩屋山石窟 | 半田カメラ/気になったら とりあえず行ってみるブログ

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フリーカメラマンで大仏写真家の半田カメラが、
「気になったら とりあえず行ってみる」
をモットーに、彷徨いつづける日々の記録です。

 

前回、泊まった宿からヒョッコリ見える、

巨大なお地蔵さま幸福地蔵のことを書きました。

 

早朝その幸福地蔵さまに参拝し、朝食を取ろうと宿に戻った私は、

宿の女将さんに声をかけられました。

「面白いTシャツですね、そのバッグも」

その時の私は、仏像Tシャツを着て、仏像バッグを持っていました。

明らかにホトケ好き感を出していたのでしょう、

「ここから歩いてすぐの岩屋山に行ってみたらいいですよ」

と奨められました。

 

岩屋山のことは知っていました。

洞窟霊場で弘法大師作といわれる磨崖仏が掘られています。

私は幸福地蔵の方が気になってましたが、

女将さん的には「岩屋山推し」のようでした。

その理由はたぶん幸福地蔵は30年ほど前に作られたもので、

岩屋山は佐渡島で古くから信仰の対象となっている場所だから。

 

女将さんいわく、ここから佐渡島の歴史がはじまった

とさえ言われるほどの伝説の場所なんだとか。

そこまで言われたならば行くしかないですよね。

 

幸福地蔵から真っすぐに緩やかな下り道の、細い道がつづいています。

あまり人は通らないのか、2度ほど蜘蛛の巣に引っかかりました。

その道の突き当たりに岩屋山への登り坂があります。

 

 

彼岸花の時期で、階段はこんな雰囲気。

この先の伝説的な空間をさらに盛り上げているようでした。

 

少し登ると左手にお地蔵さまが現れます。

 

 

お地蔵さまの背後には、半円を描くように

四国八十八ヶ所霊場の石仏がズラリと並んでいます。

ちょっと壮観な光景。

 

このお地蔵さまの足元に、

宿の女将さんのオススメポイントがありました。

お地蔵さまのすぐ右手下にある、これです。

 

 

これ、なんだか分かりますか?

「さざれ石」なんですって。

「さざれ石」ってどこかで聞いたことありますよね。

そうです「君が代」です。

 

千代に 八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで

 

これは

「小さな石が年月をかけてつながりあって、大きな石になっていく程の長い時間」

というような例えで使われているんですが、

実在する「さざれ石」ってあまり見たことないですよね。

これがそうなんですって。

 

「さざれ石」は全国に点在していて、

いずれも神聖な力によって出来るとされています。

ますます神聖な感じが高まってきました。

そんなところで…

とうとう現れた岩屋山石窟!

 

 

今までそうとう多くの穴に入ってきた私ですが、

ここはけっこう怖かったです。

 

どういう風に表現したらいいのか解らないのですが、

穴に入ると時には「ここにずっと居たいなぁ」

などと思うことさえあるほどの穴好きな私ですが、

ここにはあんまり長居したくない…と思ってしまいました。

 

真っ暗なんですよ、中。

 

現在でもここでは「おこもり」が行われているそうで、

囲炉裏みたいな場所もあって、壁面は磨崖仏も含め、

煤が付いていているんですね。

その煤の黒さがより洞窟内を真っ暗にしている感じ。

 

奥の方は光りをあててもよく見えないですし、

なぜかキューピー人形とか置いてあったりして…

 

神聖な場所だということは分かっていますので、

撮影は入口から一枚だけ。

 

 

この洞窟には数々の伝説があって、一番有名なのは

「岩屋口の洞窟まで穴がつづいている」というもの。

 

島の北端に「賽の河原」なる霊場もあるのですが、

岩屋口の洞窟はそれとは別もので、佐渡東の海岸にある洞窟です。

どちらにせよ、えらい距離です。

女将さんは「実際にはたぶんつづいてないですけどね」と笑ってました。

 

他にも「賭博場だった」という妙に生々しい伝説もあったりして。

神聖なのかどうなのか…ちょっと解らなくなってきますが、

古くから地元の人々とともにあった場所、というのは間違いないですね。

 

女将さんが「これ持って行くといいですよ」と、

ピカッとライトの付くボールペンをくださったんですが。

そんなものではとうてい何も見えないくらい、

奥は真っ暗闇の洞窟でした。

磨崖仏もっとちゃんと観ておけば良かったな…

と、後から思いましたけどね。

 

ほとんど使わなかったけどスゴく嬉しかったです、ボールペン。

ありがとうございました。

着て行くもんだな、仏像Tシャツ…そんなまとめで、

次は宿根木の定番観光もしておいたよ、なお話しの予定です。