この物語を読んで思ったのは、人は一度傷つくと、その時点で心は立ち止まってしまうんだな、ということだった。
どれだけ成長しても、どれだけ知識を得ても、地位や名誉を得ても、今度はそれらを使ってでも立ち止まったところに戻ろうとする。
江戸時代の話だけど、永遠のテーマのような気がした。
自然の脅威の話、というものでもなく、ひたすら人間の物語だと思った。
―あの時こうしていれば。こう思ったとき、すでに自分でその過去の時と自分に、見えないゴムを結んでいるのかもしれない。それからどれだけ先に進もうと、結局はゴムで引っ張られてその時の自分に戻ってしまう。そんなイメージだな。
怪物の正体がわかってからは、残酷な部分が多かったので、ちょっと苦手かな。
登場人物の中で、百足(ムカデ)という存在が良かった。本質を見極められる感じ。百足に認められるような人になりたい。
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