開運童子のブログ -11ページ目

雨のあとに虹・Part2 その58

「高村さんが治療に来るのは久しぶりだね。」

整体治療院を営む太田道彦は俊之を見て言った。

「1ヶ月くらい忙しくしていましたの失礼しました。」

俊之は言った。

「忙しいのは今だけではないから無理をしてはいけないよ。」

太田が言うと

「秋になれば総武社内の体制が整うから今ほど忙しくならないと思いますよ。」

俊之は言った。

「総武グループもトップが白仁さんから高村さんに変ったから大きく飛躍すると思うよ。」

太田が言うと

「あまりプレッシャーをかけないでくださいよ。」

俊之は言った。

「高村さんなら何か大きい事をやると思うよ。」

太田が言うと

「僕は出来る事から確実にやりますよ。」

俊之は言った。

「それでは治療を始めよう。」

太田は微笑みながら言ったのである。

 

「何を馬鹿な事を言っているの?」

早苗は電話の向こうの田崎に言った。

「その可能性はありますよね?」

田崎が言うと

「その可能性はゼロではないわよ。」

早苗は言った。病院内では携帯電話が使用できないので外に出て話をしている早苗は暑くて汗が出ていた。

「僕はとても心配ですよ。」

田崎が言うと

「高村さんに限って変な事にはならないわよ。」

早苗は言った。

「星野さんも同じ事を言っていましたよ。」

田崎が言うと

「彼女も私と同じで女々しい男の人は嫌いだからよ。」

早苗は少しきつい口調で田崎に言った。

 

「国分さん。」

いずみが言うと

「俺にどこからか連絡があったかな?」

国分は振り向いて言った。

「総武の立花専務から連絡がありましたよ。」

いずみは言った。

「総武との案件は進んでいないはずだよ。」

国分が言うと

「それについて生田部長から国分さんに話があるそうですよ。」

いずみが言った。

「解ったよ。」

国分は立ち上がっていずみに言うと生田がいる部長室の方に歩いて行った。

 

雨のあとに虹・Part2 その57

「高村くん。」

佐代子が言うと交差点の信号が青になって渡ろうとした俊之は佐代子を見て笑顔を作っていた。

佐代子も俊之に笑顔で応じると

「根元さん。」

俊之は言った。

「あれから20年近く会えなかったのに会える時には会えるものね。」

佐代子は言った。

「先日に声をかけられてから1ヶ月くらいだね。」

俊之が言うと

「せっかく会えたのだから時間を作ってゆっくり食事でもしたいわね。」

佐代子は言った。

「近いうちに会おうよ。」

俊之が言うと

「明後日の夜はどうかしら?」

佐代子は言った。

「僕なら大丈夫だよ。」

俊之が言うと

「あとで電話をするわ。」

佐代子は言った。

「僕の名刺は渡してあるよね?」

俊之が言うと

「先日貰ったから大丈夫よ。」

佐代子は言った。

「いつでもいいから電話をください。」

俊之が言うと

「高村くんも出世したわよね。」

佐代子は言った。

「出世とは大げさですよ。」

俊之が言うと

「今や総武の高村俊之と言えば有名よ。」

佐代子は言った。

「そんな事はないですよ。」

俊之が言うと信号が青に変わって交差点を人が歩き出していた。

「それでは明後日に会いましょう。」

佐代子は言うとすぐ歩き出していた。俊之も時計を見て歩き出すと通りかかった田崎とみどりが俊之を見ていた。

「高村さんが女性と話をしていたね。」

田崎が言うと

「話くらいはするでしょう?」

みどりは言った。

「矢島社長の見舞いもしないで育子さんの見送りは久美子さんに任せて女性とデートかな?」

田崎が言うと

「そんなわけないでしょう。」

みどりは言った。

「可能性は無きにしも非ずですよ。」

田崎が言うと

「男の癖に女々しい事を言うわね。」

みどりは怒ったように言った。

「冗談ですよ。」

田崎が言うと

「笑えない冗談は言うものではないわ。」

みどりは田崎に言った。

 

「久美子さん。」

関口が言うと久美子は関口を見てから周囲に視線を向けていた

「育子さんは北京で孤独な戦いをするしなければいけないわけですね。」

久美子は言った。新東京国際空港は夏休みシーズンであり混雑する日が続いていた。

「久美子さんが高村さんと一緒に応援に行けば育子さんは間違いなく金メダルを取ってくれますよ。」

関口は言った。

「育子さんはひとりではないからみんなが応援すればプレッシャーには負けないですよね?」久美子が言うと

「私たちも応援に行きたいね。」

いつの間にか泰子が久美子の傍に来て言った。

「みんなで北京に来ましょうよ。」

久美子が言うと

「僕たちも行きますか?」

関口は言った。

雨のあとに虹・Part2 その56

「新東京国際空港では北京五輪に向けて選手のみなさんが出発しようとしています。」

朝からテレビ局の若手アナウンサーである小川礼二が興奮して言った。

「育子さんを見送りに行けなくて残念だよ。」

矢島は病室のベッドに横たわって小川の実況を聞きながら言った。

「高村さんたちも見送りに行けないみたいね。」

早苗もテレビを見て言った。

「高村たちは北京に行って応援をするだろうな?」

矢島が言うと

「あなたは退院まで1ヶ月かかるから北京へ行くのは無理ね。」

早苗は言った。

「病院は退屈だな。」

矢島が言うと

「失礼します。」

田崎が大きな声で言うと病室のドアを開けて入って来て田崎の後ろにはみどりも立っていたのであった。

「身体の具合は如何ですか?」

みどりが言うと

「俺は退屈で死にそうだぞ。」

矢島は言った。

「ふたりとも忙しいのにご苦労様ね。」

早苗はがふたりに言うと

「これも仕事の一環ですよ。」

田崎は笑顔で言った。

 

「陽子。」

国分が言うと

「今は仕事中だから来ないでください。」

陽子は言った。総武企画の本社横にあるバス停の前で立ったふたりは周囲の人たちには恋人同士に見えていたようである。

「もう一度やり直そうよ。」

国分が言うと

「私は好きな人が出来たからダメよ。」

陽子は言った。

「高村と言う社長が好きなのか?」

国分が言うと

「高村社長はあなたと違って素敵な人よ。」

陽子は言った。

「先日は腕を組んで歩いていたよな?」

国分が言うと

「高村社長は包容力があって才能があって大きな人だわ。」

陽子は言った。立場はは少し離れた所からふたりを見ていて立場の横には珍しく翔太が立っていた。

「川嶋さんは物事をはっきりと言いますね。」

翔太が言うと立花は携帯電話を出して耳にあてた。

「総武企画の立花です。」

電話の相手に立花が言うと

「お世話になっております。」

製作部の伊藤いずみは言った。

「お願いがあるのですがいいでしょうか?」

立花が言うと

「どのようなことでしょうか?」

いずみは立花からの電話に緊張して言った。

「お宅の国分さんは仕事中にうちの社員に嫌がらせをしているようですが止めさせてもらえませんか?」

立場は毅然として言うと

「あとは我々がうまくやりますよ。」

翔太は立花の耳元で言った。