(前回のあらすじ:夜、枕元で「バチン!」と鳴り響いた強いラップ音。そこにいたのは幽霊ではなく、まるで妖怪のような得体の知れない気配でした……)
娘は昼間に見たSNSの投稿を思い出していました。
それは、「この先には妖気漂う森があり、これ以上進めなかった」という投稿の写真。
その写真をじーっと探るように見ながら、「確かに……(…妖気…)」と強く共感してしまっていたのです。
「もしかして、あの写真の場所から飛んできてしまったのかも……」
そして娘を襲ったのは、これまでに体験したことのない「寒気」でした。
幽霊に遭遇したときのゾクッとする冷たさとは違う、体の芯から冷え切っていくような感覚。
「風邪を引いたのかな……?」とも最初は思ったそうです。
でも、そんな感じの寒気でもなく、
「このままじゃ絶対にまずい!!」
危機感を抱いた娘は、お不動様(不動明王)のご真言を口に唱え始めました。
「ノウマク サマンダ…………………………………」
何度も、何度も、繰り返し唱え続けます。
すると寒気がすーっとおさまっていきました。
部屋に鳴り響くラップ音もおさまりました。
「ふう……もう大丈夫かな?」
そう思ってご真言を唱えるのをやめると、間髪入れずに「バチン!!」と再び鳴り響くラップ音。
「まだいる……!」
娘は再び、ご真言を唱え続けました。
やがて、眠くなってきてしまったそうです。
そっとご真言を止めると……今度はもうラップ音は聞こえず、部屋は静かになりました。
そして今度は、頭からぽかぽかと温かくなりました。
お不動様が優しく頭を撫でてくれたようでした。
その温もりに包まれながら、娘は深く安心して熟睡することができたそうです。
この時、娘の頭の中に自然と浮かんでいたのは、以前参拝した「深川不動尊」のお不動様の姿だったと言います。
いただいていた有難いご縁があったこと、
ピンチの時にこうしてお不動様が駆けつけて救ってくださったこと、
本当に感謝でいっぱいになります。
世の中には目に見えない不思議な世界や恐ろしい気配もありますが、こうして守ってくださる神仏の温かいご存在があること、
そのありがたさを、あらためて実感した出来事でした。
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