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テレビで見たような恐怖はない。
何よりもラーモセが側にいるので安心していた。
むしろ土足で踏み入ることに抵抗を覚える。
ラーモセはいいとしても、自分はよそ者だ、眠れる死者の霊たちが怒らなければいいと願った。
ラーモセはがある部屋に入り、ランプに火を灯した。
いきなり視界が開け、あたりが輝き出し眼が眩んだ。
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天井にも壮大な壁画が光に浮かんでいる。
黄金の山とはこういうものを言うのかと、自分の眼を疑う。
まるでおとぎ話に出てくる宝の洞窟だ。
黄金の馬車があり、壺や木製の家具、彫像などが、所狭しとひしめき合っている。
一番奥に石棺があった。ラーモセは黄金の椅子に座った。
様になっているのが癪だったので、アルは嫌味な言い方をした。
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「ここはあなたの別荘なの?」
ラーモセは口を横一文字にし皮肉に笑った。
「父親の墓だ」
アルの予感は的中した。
「へえ、すごいね。ラーモセお金ちなんだんね。これならあと何年の飢饉も大丈夫じゃない?お父さんに感謝だね」
気の利いた言葉が浮かばずつい、冗談を言ったつもりだが、バカなことを口にしてしまった。
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ラーモセはいつものように睨む。
「ほしいならお前に全部やる。俺は父親のものは何一ついらない。
そもそもこの人を父親だと思ったことなど一度もない。
母や俺を捨てて苦しめた人間だ。何の情も感じない」
アルはラーモセの気持ちが理解できた。
「親を好きになれないなんて辛いよね。どこへ逃げても、それは常につきまとう」
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「知った風なこと言うな。そもそも一緒に暮らしたこともない人だ。
家族とはいえない。父親には当然幾人もの王妃や側室がいた。
俺の母さんは若くて美人だったから、父親の気に入りだ。
その内それが第一王妃の恨みを買った。後継者問題はあそこでは熾烈な戦いだ。
殺し合い、裏切り、血縁者同士の結婚は当たり前だ。
母親は書記の娘で、やはり宮廷内に嫁ぐことは名誉だったらしく、
ファラオの気に入りとなれば、俺には王子としての期待がかかる。
幼くして当時はあまり理解できなかったが、水面下では着実に争いの渦中に放り投げられた。
第一王妃とその寵臣の策略で、俺の母親には若い愛人がいるというデマが流された。
父親はそれを信じた。普通ならファラオへの背信行為は即刻死刑に当たる。
でもさすがに父親はそれを躊躇った。母親と俺を密かに逃がしたんだ。
共もつけず宮廷を追われた。まるで犯罪者のように。そしてテーベにたどり着いたんだ。
無実の母さんは最後までそれを悔やんでいた。そして宮廷や父親を懐かしんで死んだ。
自分の無実の罪が晴れた日には、ファラオが必ず迎えに来てくれると信じて。
バカだよな」
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「パピルスの詩」






















