(十)
アルは突然頬を叩かれ眼が覚めた。
「痛い、朝から何をするのよ?」眠い眼を擦りながらラーモセを睨む。
夜はまだ完全に明けていない。外は霧が降りていた。
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「起きろ、出発するぞ。お前の足が遅いから、今から出ないと間に合わない。さっさと支度しろ。おい、起きろ、眼を覚ませ」
朝の苦手なアルは思考がすぐには働かない。
顔を洗い終えると同時に、何が何だかわからないままラーモセに手を引かれ、家を出た。
「こんなに早く、一体どこに行くの?」
都会育ちのアルは、歩くのが苦手だ。しかも早朝となればなおさらだ。
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完全にふてくされている。それに比べ、ラーモセは爽快にそのものだ。
「前に言ったろう。アルが元気になったら連れて行きたい所があるって。今日そこへお前を連れて行ってやる」
アルはラーモセを上目遣いに睨む。
「だったら昨日の内に言ってくれればいいじゃない。心の準備というものがあるでしょう。いきなり叩き起こされて不愉快だわ」
恨めしそうなアルの視線にも、気分を害することなくラーモセは晴れ晴れとしていた。
「驚かせようとしたんだ。どうだ?びっくりしただろう?お前も楽しみだって言っただろう、だからわざと内緒にしていたんだ」
アルは思わず笑った。まるで子供のようにはしゃぐラーモセが可笑しかった。
確かに、ラーモセと遠出するのは初めてだった。遠足のような気分になる。風が気持ちいい。
「ねえ、どこに行くの?教えてよ」
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それには答えず、ラーモセは振り返るとアルに訊ねる。
「楽しいか?」
「うん、すごく、楽しい」
ラーモセは遥か遠くを見つめて言った。
「お前が楽しいって言うなら、俺も楽しい。お前が幸せなら、俺も幸せだ。こんな気持ちは初めてだ。自分でもすごく不思議なんだ」
アルは眼を伏せ、ラーモセはさらに言う。
「他には何もいらない。お前だけでいい」
アルは胸が締め付けられそうになった。ラーモセの言葉が死ぬほど嬉しいい。本当に幸せだった。
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泣きそうな顔でラーモセを見る。ラーモセはそっと手を出す。
アルはその手を握った。この手を二度と離したくなかった。
「迷子にならないように、俺について来いよ。でも、もしもはぐれても、俺が必ずお前を見つけてやる。俺がお前を捜し出してやる」
「うん」
二人は歩いた。どこまでも続く砂漠を。
「パピルスの詩」






















