・・・
「ヘドウィンは、『砂に住む者たち』と呼ばれている。
アラビアの北部及び中央部、そしてエジプト東部砂漠にもいる遊牧民だ。
男たちの群れの後には、女や子供、家畜の群れも従えているはずだ。
エジプトは勿論、周辺の組織化された国はこの遊牧民に対して脅威を感じて警戒している。
エジプトとヘドウィンの対立は長く続いているが、国を挙げた軍事力をもってしても、
完全に彼らを抑止することはできなかった。依然ベドウィンの動きを把握さえできずにいる。
防衛施設を築くのが精々で、結局何の役にも立っていない。
今もベドウィンはエジプトにとって頭痛の種であり、解決のできない、脅威の天敵に違いない」
※画像おかりしてますm(__)m
バは腕を組み、当然と言ったように続けた。
「ファラオの兵たちには奴らを捕らえるのは難しい。
彼らの生活様式のゆえに根絶やしにすることは不可能だ。
それは、彼らは常に移動していて、普通の軍隊が追跡できないような砂漠に
いつでも逃げ込むことができるからだ。
彼らはその名の通り、砂漠を熟知していて、険しい地形でも容易に移動できる。
何度かヘドウィンを自分たちの傭兵にしようと試みたが、ことごとく上手くいかなった。
それどころか、敵側に付き、エジプトは何度もヘドウィンの作為的に流す偽情報に騙され、
窮地に立たされてきたんだ。だから、歴史的に言ってもその根は深く、共存は無理だな」
※画像おかりしてますm(__)m
イウイアは顔をしかめバを見た。「サブは大丈夫なの?」
無口のアハが口を開いた。
「奴らは、サブに借りがあるんだ。奴らの居場所がエジプト側に知られ、
軍隊が遠征を行ったが、サブが逸早く、奴らにそれを知らせた。
あわやのところで、奴らは逃げおおせた。だから今は大丈夫。
しかし俺らの仕事は、またいつ敵側に立つかわからない世界だ。
ヘドウィンは自尊心の強い民で、他人と協定を結ぶのを嫌う。
誰にも縛られず自由に生きるのが彼らの信条だからな」
※画像おかりしてますm(__)m
布で顔を隠し、ヒトコブラクダに乗る彼らに、イウイアは視線をやる。
砂漠には色々な人間模様が繰り広げられているのを知る。
誰も住み着かない死の砂漠だが、やはり確かに生物が生存していた。
あたかも、穴の中に隠れているサソリのようだ。
※画像おかりしてますm(__)m
でもそのサソリもこの砂漠には必要に違いない。
追う者、追われる者、どちらも生きるために戦っていた。
「パピルスの詩」















