虹の約束♪ -8ページ目

虹の約束♪

「いつも喜んでいなさい・・・」

・・・

 

「ヘドウィンは、『砂に住む者たち』と呼ばれている。

アラビアの北部及び中央部、そしてエジプト東部砂漠にもいる遊牧民だ。

男たちの群れの後には、女や子供、家畜の群れも従えているはずだ。

エジプトは勿論、周辺の組織化された国はこの遊牧民に対して脅威を感じて警戒している。

エジプトとヘドウィンの対立は長く続いているが、国を挙げた軍事力をもってしても、

完全に彼らを抑止することはできなかった。依然ベドウィンの動きを把握さえできずにいる。

防衛施設を築くのが精々で、結局何の役にも立っていない。

今もベドウィンはエジプトにとって頭痛の種であり、解決のできない、脅威の天敵に違いない」

 

 

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バは腕を組み、当然と言ったように続けた。

 

「ファラオの兵たちには奴らを捕らえるのは難しい。

彼らの生活様式のゆえに根絶やしにすることは不可能だ。

それは、彼らは常に移動していて、普通の軍隊が追跡できないような砂漠に

いつでも逃げ込むことができるからだ。

彼らはその名の通り、砂漠を熟知していて、険しい地形でも容易に移動できる。

何度かヘドウィンを自分たちの傭兵にしようと試みたが、ことごとく上手くいかなった。

それどころか、敵側に付き、エジプトは何度もヘドウィンの作為的に流す偽情報に騙され、

窮地に立たされてきたんだ。だから、歴史的に言ってもその根は深く、共存は無理だな」

 

 

 

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イウイアは顔をしかめバを見た。「サブは大丈夫なの?」

 

無口のアハが口を開いた。

「奴らは、サブに借りがあるんだ。奴らの居場所がエジプト側に知られ、

軍隊が遠征を行ったが、サブが逸早く、奴らにそれを知らせた。

あわやのところで、奴らは逃げおおせた。だから今は大丈夫。

しかし俺らの仕事は、またいつ敵側に立つかわからない世界だ。

ヘドウィンは自尊心の強い民で、他人と協定を結ぶのを嫌う。

誰にも縛られず自由に生きるのが彼らの信条だからな」

 

 

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布で顔を隠し、ヒトコブラクダに乗る彼らに、イウイアは視線をやる。

砂漠には色々な人間模様が繰り広げられているのを知る。

 

誰も住み着かない死の砂漠だが、やはり確かに生物が生存していた。

あたかも、穴の中に隠れているサソリのようだ。

 

 

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でもそのサソリもこの砂漠には必要に違いない。

追う者、追われる者、どちらも生きるために戦っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「パピルスの詩」

 

 

 

・・・

 

ヒトコブラクダに乗り大きな群れを成していた。

一筋縄の男たちではないのは一目瞭然だ。

 

イウイアは固唾を呑み込み成り行きを見守る。

彼にとってはこんな長旅に出るのは初めてだった。

だがサブを信じ全幅の信頼を寄せていたので怖くはなかった。

 

 

 

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サブがラクダから下りた。

相手の長と見られる男も同時にヒトコブラクダから下りる。

 

その男は片目を失っていた。そのせいか、人相が悪く表情が読み取れない。

しかし体格は良いのを見れば、相当腕に立つ男には違いなかった。

 

サブとその男は顔見知りらしく、二人だけで群れから離れた場所に歩き出した。

 

 

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イウイアは心配そうにバの顔を覗く。ケンがイウイアに言った。

「心配するな、大丈夫だ。あいつらはベドウィンの群だ。サブとは知り合いだ、今はな」

 

両者向かい合い、誰もラクダから下りなかった。

争うような気配はないが、どこか緊張の空気は流れている。

自分たちの長が戻るのを待つといった感じた。

互いに相手の正体は知っているが、親しく馴れ合う雰囲気ではない。

 

 

「ベドウィンの群れ?」イウイアが問いかける。

 

バが答えた。

「一言で言ってしまえば、国から指名手配されているってことでは、同業者とも言える」

 

 

 

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サブが眉を寄せ、引き取る。

「あんな奴らと俺たちを一緒にするなよ。俺はあんな無愛想で野蛮じゃない」

 

ハブは笑ってイウイアに説明した。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

「パピルスの詩」

 

 

 

 

・・・

サブとアケトの仲間たちは、砂嵐が去るのを岩の陰でひたすら待った。

黄色い砂の悪魔たちは全ての視界を遮り、唸りを上げ暴れまくった。

 

 

 

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砂漠に慣れている彼らであっても、自然の為す脅威には抗うことなど不可能だ。

じっと耐えて暴風を起こす神の怒りが治まるのを待つ以外ない。

 

サブはイウイアの盾になり守ってやる。

しばらくすると次第に風が弱まり、黄色かった視界が晴れてきた。

 

かなり体力は奪われたが、そこは屈強な男たち、その名も高いアケトだ。

立ち上がると直ちに旅立った。イウイアはバのラクダに乗せてもらう。

まだ自分のラクダを持たせてはもらえない。サブはアケトの先頭を進む。

 

 

空中の見張りをしている、あのエジプトハゲワシが一声発した。

サブはラクダを止め、全身の神経を集中さあせ、耳をそばだてる。

 

 

 

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側にアハが近付き小声で話す。

「かなりの人数がこっちに来るぞ。どうする? とりあえずどこかに身を隠すか」

 

ハブも緊張した声で引き取る。

「最近は軍隊を派遣し遠征を行っている。用心した方がいい」

 

ジャウは落ち着いた態度でぽつりと言う。

「サブに任せようぜ、俺たちの長だ」

 

 

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サブは相手がもう少しこちらに近付くのを待った。

正体を察知するまで動かない。

パネプは少し不安そうに乾いた唇を舐めた。

大きなハゲワシがサブの腕に飛来し翼を畳んだ。

 

サブは初めて笑顔を見せた。

「行くぞ」

 

アケトの男たちは誰も口を挟まず従った。

ハゲワシはいつの間にか再び空高く舞った。

 

 

 

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遥か西に砂埃が立った。

大勢の人間が移動してこちらにやってくる。

サブは片手を上げみんなを制した。

やがて肉眼でもはっきりわかる距離まで相手が近付いた。

 

 

 

 

 

「パピルスの詩」

 

 

・・・

 

アルは素直に受け止めた。

 

「ありがとう。少し気が晴れたわ。

いつか、私がラーモセの側にいられなくなる日が来たら、

もしかしたらだけど、そのときはエセ、彼の力になってあげてね」

 

 

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「大丈夫よ、二人は絶対に離れたりしないわ。

それに、もし離れるようなことがあっても、誰もラーモセを慰めることはできない。

アルの代わりはいないから。ラーモセはどんなことがあっても、アルを離したりしない。

私にはわかるの。ラーモセとは付き合いが長いから。あなたを見捨てたりしない。

自分の命に代えてでも、あなたを一生守り通すわ」

 

 

 

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二人は眼に見えない、友情という絆で繋がれたのを実感した。

アルは自分の使命を果たすときが近付いたのを全身で感じた。

 

それは自分の死を意味もする。それでも怖くはなかった。

自分の運命に立ち向かい、それを最後まで全うしたい。

その強い気持ちが、死の力より遥かに上回っていたからだった。

 

 

 

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「パピルスの詩」

 

 

・・・

 

エセは思案顔で答えた。

 

「それはアルが神様から選ばれたからだわ。きっと特別な何かがアルにあるのよ。

その道は平坦ではないかもしれないけど、きっと幸せへと続く道よ。

それはアルにとって重荷になる?   私も手伝えたらいいのに」

 

 

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「ありがとう。

重くて沈みそうになるときも確かにあるけど、それにその道がどこなのか、

いまだにわからないけど、でも不幸ではないの。

自分でも不思議なんだけど、幸せだなって本当に思えるんだ」

 

アルは自分で言いながら、自分の言葉に驚いた。

幸せだと思えている自分に改めて気付く。

 

 

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エセは真顔でアルに言う。

 

「ラーモセは頼りになる人間よ。

彼が好きだから言うんではないわ。アルを本気で守ろうとしている。

きっと彼がアルの重荷を一緒に背負ってくれる。ううん、軽くしてくれるはずよ。

二人はきっと神様が出会わせてくれたのね。お互いの運命の人なのよ。

だから誰も二人の間を裂くことも、邪魔することもできないんだわ。

どんな試練や道が待っていようとも、二人の思いはどこか深いところでいつも繋がっている。

永遠に」

 

 

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「パピルスの詩」