さて、先日日曜日の福井市剣道選手権大会、娘は小学生

四年生以下の部に出場。

 

娘、実はこの大会、もの凄く意気込んでおりました。

 

失意のジュニア大会からひと月、徹底的にメンにこだわってひたすら稽古を

積み重ねて参りました。豪雪で町が雪に埋もれた中でも、家で打ち込み。

またどのようなメンが打ちたいのか、様々な理想のメンを動画を見て研究。

 

ずっと相手になっていた僕も、かなり良くなって来たのではないかと得心。

今、ひと月前の娘と今の娘が相面勝負になったら、絶対今の娘が勝つはず。

よし、この大会ではコテもドウも打たないで、メン一本で勝負してみようと

約束をしました。負けてもいいから、それで行こう。やってみよう。


そして、直近の横浜七段戦で優勝された橋本桂一選手が試合直前に

跳躍早素振りをしてエンジンを駆けられたというエピソードを真似て(笑)、

カテゴリーが始まると同時に廊下に出て30本早素振り。そのまま試合へ。

以下、試合の流れを画像とともに。


始まりました。娘は白。お相手は同学年の男の子です。いきなり真っ白に

なって打ち込むこともなく、相手を良く見て冷静に動いています。


小さく、小さく間を詰めて、今回は出ばなを狙いません。稽古して来たのは、

「自分から」入って打つこと。それも一歩入るのではなく、感覚的なところ

なのですが、「半歩」。これは高橋萌子選手の動画を見て研究しました。


そして、足から打突。ここからの手の内の操作も改善点で、これまでは

ふわっと打っていたところを、より速く強く、コンパクトに、前に。

これも何度も何度も動画で見た高岡武道館のKさんのイメージです。


出来た!!そうだ、それだ!!


旗が上がります。でも、実は、僕も驚いていました(笑)。


残心。そうだ、切って負けたのを思い出せ。

あれ?この試合、もしかして勝てるのか・・・?


ところが。


ここから娘が崩れます(笑)。


勝てる?勝ちたい!勝ちたい!!という想いが空回り。

どんどん打ち方が足を置き去りに・・・。


I先生の「慌てるな!!!」という声も届かず、連打、連打・・・。


そして・・・。

取り返された・・・!!

 


もうこうなっては追い付かれた方に余裕はありません。
勝負!!の合図と同時に、簡単にメンを打ち抜かれてしまいました。


あっという間の逆転負け・・・。またも、一回戦敗退。

帰って来る時に、もう肩が震えています・・・。

 

 

I先生に講評を頂き、娘はふらふらと武道場の隅へ。

 

正座をして、面を外すと面タオルで顔を覆いボロボロと涙を流します。

 

これは、悔しいだろうなあ。

 

「いい試合だったよ。」と声をかけますが、涙は止まりません。

 

実際僕は、最初のメンで十分成果は見れたと感じていたので、残念でしたが

納得は出来ていて。あの一本をなぜ守らなかった!?などなど言う気も

全然ありませんでした。頑張っても勝てなかったのなら、お相手が強い。

 

ところが、今回は娘の涙が止まりません。

 

一回戦が全部終わって、二回戦、自分が負けたお相手が次の試合をする

段になってもまだ泣いています・・・。20分経過。長い(笑)。

 

するとその時、その状況を見かねたのか、松岡少剣に所縁があり、その日娘の

試合場の担当審判だったN先生が娘の前にしゃがんで声をかけて下さり、

なぜ娘ではく対戦相手の選手に旗が上がったのか、優しく説明して下さいました。

(本当にありがとうございました。m(--)m)

 

「惜しかったね。でも今言ったことが出来ればもっと良くなるよ。」

 

それを聞いて納得したのか、けろりと娘は泣きやみました(笑)。

 

N先生が指摘して下さったのは気剣体の不一致、特に踏込みの弱さ。

 

I先生が言われたのは二本目以降の剣先の緩み、開き。

 

T先生には「中心が取れているかどうかの差です。」とひとこと(笑)。

 

まだまだまだ、やるべきことがあった、「ある」ということです(笑)。

 

本当のところどこまでやれるのかなあ、と思っていた男の子との対戦でも、

勝負出来る余地があると分かったのは収穫。

 

そして、まだまだ上手く、強くなれると分かったのはもっと大きな収穫。

 

「応援行ってくる!!」と他試合場のチームメイトの元に走って行った

娘の背中を眺めながら、さて、次は一体どういった稽古メニューを作ろうかと

考える父親でありました。(^-^;)