古美術花地蔵日記 / アート・骨董品

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古美術、芸術全般、日々気になること。

古美術 花地蔵

TEL 025-526-8910
メール info@hanajizou.com
サイト https://hanajizou.com
〒943-0831 新潟県上越市仲町1-4-12
アーク高田仲町503

福嶋武久

 

中国、明時代末期の古染付松鶏文皿です。
松の枝の下に闘鶏が二羽対峙し、今にも戦わんとする緊迫感のある場面が、たっぷりと余白を取った緊張感のある画面構成で描かれています。
特に、鶏の描写は卓越しており、細部に至るまで神経が行き届いている技量は見事です。
松は厳しい冬にも屈しない不屈の精神を象徴し、闘鶏の図は、「英雄闘志」という吉祥の意を持つ文様で、鶏が足距(蹴爪)を打ち鳴らし敵に立ち向かうその姿が、勇猛果敢な英雄の闘志を具現化しています。
芸術性に優れ、鑑賞用として飾っても十分に見応えがありますが、菓子皿として使用すれば、茶席で一際(ひときわ)目を引く存在となるでしょう。

花地蔵のサイトとfufufufuのサイトに掲載中ですので詳細をご覧ください。

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自分で撮影したスマホの画像を眺めていたら、この画像を見つけました。
神社で散歩した際に撮影したものですが、これほど青々とした紫陽花の花を見ることが少なかったので撮った画像です。
紫陽花は季節外れですが、今見ても青色の美しさは目を惹きます。
自然が作りだす色彩には癒されます。

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鎌倉時代の古銅阿弥陀如来立像です。
その顔は、光の当たる角度によって多彩な表情を見せ、観る者の心を捉えます。
時には全てを包み込むような微笑を浮かべ、時には深い思索にふけるかのような神秘的な表情を見せます。
力強い像容は、写実的な鎌倉時代の仏像表現の特徴をよく表しており、細部にまで神経の行き届いた丁寧な作風が際立っています。
さらに、個性的な蓮華座の作風も、この像の大きな魅力の一つです。
時代を経た古銅の質感は独特の風合いを持ち、味わい深く、長い時の流れを感じさせます。
すらりとした姿には品格が漂い、清々しい雰囲気を醸し出しています。
静かに見つめていると、心が満たされるような気持になる像です。

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桃山時代の絵志野草花文鉢です。
その堂々たる貫禄と優雅さで観る者を圧倒します。
見込みには大胆な筆致でのびやかに草花文が描かれ、白く厚い長石釉の下から生き生きとした表情が覗き、見応えがあります。
長石釉の柔らかな白色と鉄絵が織りなす幽玄な世界が広がり、魅力的な雰囲気を醸し出しています。
裏面には、全面に広がる柚子肌の所々に緋色が現れ、味わい深く豪快な景色を描いており見事です。
この鉢の力強い造形は、迫力と共に深い存在感を放っています。
ゆったりとした時の流れを感じさせ、広大な雪原を包み込むような懐の深さを持ってる器です。
鑑賞陶器としても素晴らしいですが、菓子鉢として茶席に置けば、その風格ある姿が眼を楽しませ、場を一層引き立てます。
観る者に深い感動を与える逸品です。

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桃山時代から江戸時代初期の古唐津茶碗です。
堀の手による唐津で、石ハゼや窯キズが豪快な景色を創り出す一助となっています。
その中に施されている金繕いの金色は、まるで稲妻が走るような様相を見せ、秋の景色の一コマを描いているかのようです。
また側には石ハゼが現れ個性的な景色を作り出しています。
竹節状となっている三日月高台の景色にも風情が感じられます。
見込みの中心にある茶だまりは、釉薬が生気を帯びたように明るい青緑色に輝いています。
さらに、器の内側には火間(ヒマ)が見えるなど、見る角度により器の表情は大きく変わり、美しいフォルムの中に、多彩な景色を見せる見所に満ちた魅力的な茶碗です。
茶を楽しみながら器を眺めるたびに、その豊かな景色が眼を楽しませてくれます。
愛でるたびに新たな発見と喜びをもたらしてくれる一品です。
古唐津の魅力が凝縮されたような茶碗です。

茶を点てると、見込みの窯キズも茶筅の邪魔になりません。手に納まりも良く、飲みやすい茶碗です。

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朝鮮時代前期(16世紀)の井戸盃です。
高台周面に広がる、氷原のように現れている梅花皮(かいらぎ)は見事です。
土と釉薬と火により生み出された芸術といえるでしょう。
器を覆うように現れている貫入は、長年の使用により酒が浸み込み、数寄者たちによって受け継がれてきた時の流れが刻み込まれ、味わい深い表情となっています。
さらに、器の形も非常に張りがあり、高台の形状にも趣があります。器の側面が描き出すシルエットも、緊張感のある優美な曲線を描いています。
また、手にも心地よくしっくりと納まり、口辺の口当たりの優しさも特筆すべき点です。
雄大な景色を内包した盃です。堂々とした貫禄さえ感じさせ、井戸という名にふさわしい風格を備えています。
お酒を呑む時間を、至福の時に変えてくれる一品です。

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桃山時代の美と風雅を表すかのような絵志野向付です。
荒々しい雪原を思わせる景色に包まれ、長石釉の下から浮かび上がる力強い筆致の鉄絵が、降り続く雪の中に現れる幻想的な風景を彷彿とさせます。
見込みには粉雪が降り積もったような表情が広がり、温かみのある白い釉薬に包まれた多彩な景色の変化が、所々に現れている緋色やピンホールとともに見る者の目を楽しませてくれます。
器に映し出された景色の変化は、まるで自然そのものが織りなす美しい瞬間を閉じ込めたかのようです。
小服茶碗として、お茶も楽しむことも出来る愛らしい大きさの絵志野の器です。
片手に納まる大きさですので、豪快にお酒を楽しむことも可能です。
多様な用途に使用できる一方で、鑑賞陶器としても十分な見応えがあります。
この器を手に取れば、幽玄な世界に浸り、特別なひとときを堪能することができるでしょう。

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桃山時代の織部弾(はじき)香合です。
その愛らしく洒落た姿は見る者の心を捉えます。
器の造形は力強く、生気に満ちた緑釉の釉溜まりが魅力的です。
三面に描かれた三種三様の文様も、華やかに器を飾り、眼を楽しませてくれます。
緑釉と鮮明な鉄絵の文様が織りなす美しいコントラストは洒脱で、独自の美の世界を創り出しています。
古色を帯びた器に施された金繕いの金色も、魅力を加えているようです。
また、床と接する部分には、柔らかい土の表情が顔を覗かせ、趣深い世界を描き出しています。
はじき香合は、そのはじきの部分が高いものが、評価されて来ましたが、この香合も、はじきの部分が山の頂のように高く作られ品格が感じられます。
小さな器の中に、織部の美の要素が凝縮されている香合です。

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桃山時代の黄瀬戸向付です。
ほのかに黄味がかった釉薬の色が、器に爽やかに吹き抜ける初夏の風のような爽快感を与えています。
古格を感じさせる堂々とした力強い作風と、張りのある造形美は心を捉え、さらに口辺を飾る輪花の作りは、愛らしくもあり気品をも漂わせています。
高台内には、輪トチンの跡が見られ、高台周辺には焦げもあり、油揚手の様相を呈しています。そこには趣きある世界が描き出され魅力的です。
口辺の輪花の曲線が緩やかなため、口当たりが良く、手にもしっくりと納まるので、茶碗として使っても満足頂けるでしょう。
多様な楽しみ方ができ、使うほどに愛おしさが増す黄瀬戸の器です。

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桃山時代の黒織部檜垣文茶碗です。
内部にはエネルギーが満ち、うねるような力強い造形が見る者を惹きつけます。
三角形に見える器の大胆な歪みも、魅力的です。
内側に残る轆轤目は、使い込まれた痕跡を強調し、見込みには鏡のような円形が静かに浮かび上がっています。
外面には巧みなへら使いによる削りと押し形成が施され、そこには、陶工の強い造形意志が見て取れます。
まるで土を操る桃山の陶工の姿が目の前に現れるかのようです。
中国や朝鮮半島の官窯製品が均整と完璧を追求する中、この茶碗の自由奔放な造形は、日本独自の美意識が如何なく発揮されていることを物語っています。
茶碗の凹凸が生み出す陰影と、長年の使用による味わい深い古色は、この器に独特の存在感を与えています。
茶を点てると茶の緑が映え、器は、生気を帯びたように生き生きとしてきます。
見る人の心を強く打つ迫力とともに、洒落た印象を与える茶碗です。

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