古美術花地蔵日記 / アート・骨董品

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古美術、芸術全般、日々気になること。

古美術 花地蔵

TEL 025-526-8910
メール info@hanajizou.com
サイト https://hanajizou.com
〒943-0831 新潟県上越市仲町1-4-12
アーク高田仲町503

福嶋武久

 

古格漂う、桃山時代に焼成された、岸岳系周辺窯の系譜に連なる白斑唐津の筒盃です。
端正に立ち上がる筒形に穏やかな外反を添えた姿は均整が取れ、過度な誇張を感じさせない品格を湛えています。
掌中に収まる量感と落ち着いた佇まいは、桃山期酒器ならではの古格を伝えています。
器面を覆う白濁釉は長石釉のような作為的な白ではなく、藁灰釉を基調とした灰分の働きと還元焼成によって生じた自然な色調です。
土味をわずかに透かしながら柔らかな光を宿すその肌は、唐津本来の素朴さを保ちながらも、どこか澄んだ印象を与えます。
焼成環境がもたらした偶然性がこの器の大きな見どころとなっています。
口縁には窯中で生じた石ハゼ状の景色が見られ、焼成の偶然が桃山古陶ならではの力強さを伝えています。
高台内には縮緬皺が現れ、高台の力強い削りには岸岳周辺窯の気配が感じられ、白濁した静かな釉肌との対比に、古唐津ならではの野趣が息づいています。
見込みには細かな貫入が広がり、長い年月を経た器だけが持つ枯淡の表情が宿っています。
華美に走らず、しかし確かな存在感を備えたこの盃は、唐津酒器の中でも稀有な魅力を宿した器といえるでしょう。
白の静けさと焼成の力強さが同居する姿は、酒盃としての実用のみならず、掌の中で桃山の気配を味わう小さな古陶として愉しんで頂けます。
志野とも粉引とも異なる、唐津特有の白の景色を示す酒器は現存数が少なく、評価が高まりつつあります。
白き唐津の中でも、焼成の偶然がここまで豊かに現れた酒盃は稀少です。

花地蔵のサイトに掲載中ですので詳細をご覧ください。

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桃山時代から江戸時代初期にかけて焼成された、本手椀形(わんなり)の瀬戸唐津茶碗です。
長石釉を厚く掛けた釉調は、志野を思わせる趣を備え、白い釉肌には粗めの貫入が不規則に入り、器全体に行き渡っています。
胴は穏やかな張りを持ち、口縁に向けて自然な立ち上がりを見せ、胴に走る轆轤目が造形にリズムと奥行きを与えています。
瀬戸唐津らしい端正さが際立つ作いきです。
素地は唐津焼の中でも独特のザングリとした土味を持ち、高台内などの土見せ部分には、粗く力強い縮緬皺が鮮やかに現れています。
高台はやや三日月形をなし、見込みには三つの目跡が残されています。
特に口辺から胴へと流れる釉の溜まりと、器を覆う貫入の表情は、眺めるほどに味わいを深め、鑑賞においても尽きることのない見どころとなっています。
また口辺には二ヶ所、古い時代の金繕いが施されていますが、長年の使用によりやつれた表情となり、茶人の手により使い継がれてきた来歴を物語っています。
長い時間を経てのみ得られる古色と、しっとりとした肌の艶やかさは、使われ続けた茶碗にのみ宿る魅力といえるでしょう。
その姿には、「侘び寂び」の趣が宿っているようです。
手取りは軽く、扱いやすい寸法で、茶席で用いても本碗の持つ存在感が場を引き締めます。
過度な装飾に寄らず、土と釉、形の調和によって成立した器であり、鑑賞陶器としても十分な見応えを備えた、古格ある味わい深い瀬戸唐津茶碗です。
「草萌(くさもえ)」の銘が付いています。
「草萌(くさもえ)」とは、冬の枯草の下から新たな草の芽が萌え出る様を表す早春の季語であり、厳しい冬を耐え抜いた後に訪れる生命の息吹を象徴する言葉です。
長い時間を経て育まれた景色を持つ茶碗の姿は、春の訪れを待ち望む茶人の心境と重なり合い、器に一層の物語性を添えています。

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桃山時代末頃に焼成された織部黒茶碗です。
轆轤成形による端正な胎形の胴部に、意図的で大胆な歪みを加え、口辺は三角形に近い形をなし、初期織部ならではの造形意識が明確に表れています。
口縁は外に開かず、わずかに内向きに収まり、均整を避けた自然な揺らぎを備えています。
側面にはヘラ削りが施され、あえて明瞭に残されたヘラ目によって、柔らかさと力強さを併せ持つ量感豊かな姿が作り上げられています。
やや大きめの高台は低く据えられ、削りもおおらかで、技巧を誇示しない素朴な趣を備えています。
引き出し黒の技法による黒釉は鉄分を多く含み、単調な漆黒に留まらず、わずかな赤味を帯びた黒褐色の景色を見せ、豊かな黒の世界を描き出しています。
高温焼成によって生じた自然な釉の縮れが器一面に現れ、炎の作用をそのまま写し取ったかのような景色は、桃山陶の力強さを雄弁に物語っています。
桃山時代特有の荒々しさと緊張感を今に伝える一碗であり、織部黒の中でも初期に焼成された特徴を備え、同じ引き出し黒の手法による瀬戸黒に近い位置づけとして評価される茶碗です。
千利休の説いた「冷・凍・寂・枯」の美を踏まえた上で、古田織部の大胆で革新的な美意識が反映された時期の作行をよく示しています。
華美を排しつつ、確かな時代感と造形力を備えた、重厚かつ豪快な趣を湛える茶碗であり、桃山陶における織部黒の本質を伝える器として、茶の湯の席にふさわしい存在感を放つでしょう。

花地蔵のサイトに掲載中ですので詳細をご覧ください。

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桃山時代に焼成された斑唐津筒盃(岸岳系)です。
口縁にわずかな外反を見せ、端正に立ち上がる筒形は力強く、かつ古格を感じさせます。
堂々としたその姿は、量感と均整を兼ね備え、桃山期唐津酒器の成熟した姿をよく示しています。
釉は白濁した藁灰釉の淡い灰白色を基調とし、胴には流れ落ちるように青味を帯びた色調が現れ、静謐で奥行きのある景色を呈しています。
その姿は、土味と焼成により、岸岳系古唐津の典型的な表情を表わし、斑唐津の趣を静かに湛えています。
全体に細かな貫入が行き渡り、長い歳月を経た器ならではの深みを添えています。
器の底の露胎の部分には赤褐色の土味が現れ、その荒々しい表情は、滑らかな胴の質感と鮮やかな対照をなし、迫ってくるような力があります。
口縁に施された二ヵ所の古い金繕いも、この盃が長く用いられ、大切に扱われてきた履歴を物語るものとして好ましく感じられます。
酒を満たした際の姿も良く、茶の湯における酒器としての取り合わせにも耐える盃です。
静かな佇まいの中に桃山陶ならではの野趣と生命力を内包しています。
じっと眺めていると、ブルーグレーの色彩が内から秘めた輝きを発しながら、静かに語りかけて来るようです。
斑唐津筒盃としては形・景色ともに水準が高く、岸岳系酒器の魅力が味わえる逸品と言えるでしょう。

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朝鮮時代中期、十六世紀後半から十七世紀初頭にかけて焼成された塩笥刷毛目茶碗です。
当初より小碗として成形された器で、後世日本の茶の湯において塩笥茶碗として見立てられてきた一碗です。
張りのある胴から高台へと続くシルエットは美しく、内に力を秘めています。
手に取ると包み込むように自然に収まり、茶を点てれば、器の温もりが掌に伝わってくるようです。
寸法・比率・重量はいずれも塩笥として理想的で、扱った際の安定感、据えた際の姿の良さは格別です。
器面には胴に回り込むように趣ある刷毛目の白土が走り、釉と胎土の作用による滲みや火色が重なり合うことで、器全体に奥行きある景色を生み出しています。
胴は正面・側面・背面いずれから見ても破綻がなく、角度を変えるごとに異なる表情を見せ、その景色は、季節の移ろいを表すかのようです。
見込みは深すぎず浅すぎず、轆轤目も渦潮のような広がりのある美しい景色を描き、茶を点てた際の茶の映えも良いです。
小振りながら締まりのある高台は器を力強く支え、高台周りに現れた釉切れの景色も豪快で、見どころとなっています。
口辺は丸みを帯び、口当たりは柔らかく、茶をなめらかに口へと運びます。
茶人の手を経て、長く大切に扱われてきたことが、その佇まいから自然に偲ばれる器です。
朝鮮の生活器に宿る素朴な美と、日本の茶の湯が見出した見立ての美意識とが、結晶した一碗と言えるでしょう。
用の器としての確かさと、力強い形の中に多彩で豊かな景色を併せ持つ、優品と呼ぶにふさわしい塩笥刷毛目茶碗です。

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遅くなりましたが新年おめでとうございます。

正月は雑用が多く、なかなか仕事が手につかなかったのですが、ようやく今日から仕事始めです。

昨年は、商品の出品が少なかったので、今年は、頑張ろうかと思っています。

今年も、よろしくお願いします。

 

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#花地蔵 #古美術花地蔵

 

12月は、今年もバタバタと忙しくバテ気味です。
こういう時は刺激が欲しいと思い、久しぶりにカレーを食べにインド料理店に行って来ました。
カレーのスパイスのおかげで少し元気になった気がします。
店を出ると、それまでの雨もやみ、空には思わずラッキーと言ってしまいそうな、虹がかかっていました。
「お疲れさま」と言われているようで、「来年は、良い年になるかも」と期待してしまう、鮮明な虹でした。
何か嬉しい気持ちになれた一時でした。
皆様も良いお年をお迎えください。
 

 

桃山時代から江戸時代初期にかけて焼成された絵唐津茶碗です。
伸びやかで勢いある筆致により象徴的な文様が描かれ、余白を生かした構図は清々しく、趣と気品を湛えています。
器面には、夕映えの残光を思わせる鮮やかな火色が浮かび、詩情を帯びた美しい表情を見せています。
さらに、石ハゼがアクセントとなり、古唐津に特有の野趣豊かな景色を添えています。
見込みは古色が深く息づき、しっとりと落ち着いた風合いで、時代を経た器の魅力が穏やかに伝わってくるようです。
細やかなフリモノが点景となって見込みの景色に変化を与えています。
また、口辺には一ヵ所金繕いが施されていますが、その金色は侘びた古陶の表情に華やぎを加えています
侘びと雅、荒々しさと抒情がひとつの碗に共存する美観に富んだ一碗です。
茶席に置けば、ひときわ存在を放つ茶碗となるでしょう。
手に取り、目で味わい、時代の趣をお愉しみください。

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室町時代の懸仏十一面観音菩薩坐像です。
古銅ならではの深い色調と重厚な質感が、存在感を放ち、長い歳月が育んだ風格を感じさせます。
その佇まいには、室町期の信仰世界が息づくような静謐な気配が漂い、眺めていると古の情景が目の前に広がるようです。
中央に坐す観音像は、凛とした気品のなかにほのかな愛らしさを宿し、どこか親しみを覚える柔らかな面差しを見せています。
微笑みを誘う穏やかで温かな表情は、思わず見入ってしまうような魅力に満ちています。
時代を越えて観る者の心を捉え、そっと寄り添うような力を感じさせる懸仏です。

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桃山時代から江戸初期にかけて焼成された志野の平盃です。
器面は長石釉に包まれ、とろんとした温もりある表情を湛えています。
見込みには細かな貫入が一面に広がり、長い年月を大切に扱われてきたことを感じさせる、しっとりと艶やかな肌合いが魅力です。
裏側にはピンホールが点在し、素朴で力強い景色が現れています。
志野独特のやさしさと荒々しさが調和した、味わい深い逸品です。
口当たりは非常に柔らかく、酒をなめらかに送り、手にすっと馴染むサイズ感も心地よい盃です。
小ぶりで愛らしい造形は、日々の盃としてはもちろん、酒席の彩りとしても長くお楽しみいただけます。

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