黒織部檜垣文茶碗 | 古美術花地蔵日記 / アート・骨董品

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福嶋武久

 

桃山時代の黒織部檜垣文茶碗です。
内部にはエネルギーが満ち、うねるような力強い造形が見る者を惹きつけます。
三角形に見える器の大胆な歪みも、魅力的です。
内側に残る轆轤目は、使い込まれた痕跡を強調し、見込みには鏡のような円形が静かに浮かび上がっています。
外面には巧みなへら使いによる削りと押し形成が施され、そこには、陶工の強い造形意志が見て取れます。
まるで土を操る桃山の陶工の姿が目の前に現れるかのようです。
中国や朝鮮半島の官窯製品が均整と完璧を追求する中、この茶碗の自由奔放な造形は、日本独自の美意識が如何なく発揮されていることを物語っています。
茶碗の凹凸が生み出す陰影と、長年の使用による味わい深い古色は、この器に独特の存在感を与えています。
茶を点てると茶の緑が映え、器は、生気を帯びたように生き生きとしてきます。
見る人の心を強く打つ迫力とともに、洒落た印象を与える茶碗です。

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