インドの神聖な動物と・・・
『マハーバーラタ』を読み出すといきなり出てきたガンガー女神のお話。
そこでナンディニーという牛が出てきました。
ヒンドゥー教にとって最も神聖な動物といえば、そう!牛ですよね。
調べてみると、、、スラビとナンディンという聖牛がいるようですが・・・。
そのスラビはあの『乳海攪拌 』の時に、不老不死の霊水アムリタと一緒に生まれてきた牝牛とされているということです!!
このお話は私の中でもまだまだ謎が多いというか、とても魅惑的なんです。
スラビにまつわるこんなお話があります・・・
ある時天界でスビラが鳴いているのをインドラが聞きつけそのわけを聞いた。
スビラは自分の子供たちが地上世界で農夫につながれ、こき使われていて哀れだと答えた。
そんなスビラの想いをかってインドラは下界に大雨を降らせ、農夫たちに仕事ができないようにした。
そして世界中の牛たちは休息を得ることができた。
雷の神であるインドラ、ここでも登場ですね。
スラビに捧げる歌が『リグ・ヴェーダ』にも出てくるようです。
『雌牛たちはここに来た。
彼女らは幸せをもたらした。
牛舎の中にすわらせよう。
何か我われの元で爽快な存在となれ。
彼女たちが失われることのないように。
傷つけられることのないように。
敬意あるものが道をおびやかさないように。
あなたがた牝牛よ。
痩せた者を肥えさせられるもの、
醜い者も美貌に変えてしまうもの、
幸多き声を持つものよ。』
そして素晴らしい発見が、
このスラビと聖仙(リシ)カシュヤパの間に生まれたのが牡牛のナンディンだそうです。
なので、、、『マハーバーラタ』のお話のヴァシシュタの飼っていた牛はナンディニーという名ですから・・・
ナンディンとナンディニー。。。
同じ牛・・・?
かと思いきや、、、
スビラはヴァシシュタの牛だということがわかりましたので、
要するにナンディニーとはスビラの別名ということですね。
そしてナンディニーの子なのでナンディンってことですね、きっと。
そしてこのナンディン。
どなたかの乗り物なんですが、、、
答えはこちら です。
最近書いた記事に『読むべき書』 というのがあります。
この中で少し不思議に思っていたことがスッキリしたんです。
〝そして家畜の主であるルドラが矢を放ち、・・・〟
ちなみにナンディンとい名の意味は『幸せな者』だそうです。
罪を認めて謝る天人たち
ガンガーの子供として8人命が人間界に誕生しました。
ですがガンガーはそのうちの7人をガンジス河へ流し殺めてしまいました。
それには深い事情があったのです・・・。
ある日ヴァスたち(彼らはのちにガンガーの子として人間界に生まれれる)が妻たちを連れて山奥のヴァシシュタの小屋にやってきた。
そこにいたナンディニーという名のそれはそれは美しい牛に心を奪われたヴァスたち。
あまりにも神々しい牛なものだから妻の一人がこの牛を手に入れたいと言い出した。
しかし夫がこう言った。
『牛乳なんて我々天人(デーヴァ)には何の用もない。
人間ならこれを飲んで不老不死になることだろうが、
既に不老不死の身になっている私たちには必要のないものだ。
そもそもこの牛はヴァシシュタのものだ。気まぐれな心を満たすだけの為に彼の怒りをかうなんて馬鹿馬鹿しい。』
だがそんな夫の言葉にも思いを止めない妻。
『実は人間界にとても親しい友達がいるのよ。彼女の為にどうしても欲しいの。
ヴァシシュタがいない間に牛を連れて逃げましょうよ。ねぇ、お願いよ。』
とうとうヴァスたちはナンディニーとその子牛を連れ去ってしまった。
そしてその一部始終をヨガの霊眼<れいがん>で見抜いたヴァシシュタの怒りによってヴァスたちは呪いをかけられたのだった。
それが人間界に生まれるように・・・ということだったんですね。
その後そのヴァスたちはヴァシシュタに哀願するんです、許してください!と。
面白いことに、神話の中でこういうケースって今まで何度となく見てきた気がしませんか?
何か悪いことしたらちゃんと謝りますよね。
そういうところがなんだか素直でいいですよね。
私たち人間もそうですよね。
悪いことしたらやはり反省しないといけないです・・・。
これがまたヴァシシュタも優しいんですよ。
謝ったから呪いを和らげてあげたんです。(一度かけた呪いは無効にはできないそうです)
そしてその後ヴァスたちは下界(人間界)でガンガー女神に母になってガンジス河に流して呪いを解いてくれるようお願いしに行くことになるわけです。
ただここで、またもや驚くことに遭遇しました。
この神々しい牛、ナンディニー・・・。
もしや・・・?!
どこかで聞いたことのある名だと思い調べてみると・・・
つづく。
ガンガーの母愛の謎
今回も前回に続いてシャーンタヌ王とガンガーのその後をみていこうと思います。
こちらの絵は恐らくその二人の出会いのとき。
ガンガーのキレイさに呆然としているシャーンタヌ王の姿が描かれていますね。
子供をたくさん産んだガンガーでしたが、
シャーンタヌ王にはとても理解し難い彼女の奇行に耐えかねていました。
それは生まれてくる赤子を全てガンジス河に流しては笑顔で夫の元に戻ってきていたのです。
シャーンタヌ王はそんな彼女の凄まじい行為に恐怖さえ感じていました。
ですがあの誓いを破るわけにはいかず、そして何よりも彼は妃をとても愛していたのでした。
こうして彼女は七人の赤子を殺し、八人目の赤子を連れてガンジス河へ行く彼女を
シャーンタヌ王は我慢が出来ず引き止めるのです・・・。
彼は叫んだ、
『止めよ、止めよ!なぜこのように無慈悲な行いを繰り返すのじゃ!?』
『おお大王様』と彼女は答えた。
『あなたは約束をお忘れになられたのですね。私は去ります。この子を殺したりなどはいたしませんが、その前にわたくしの話をお聞き下さい。』
そして彼女は今まで隠していた真実を話し出すのです。
『ヴァシシュタ行者の呪いによって、心ならずともこのような忌まわしい行いを繰り返せねばならぬこのわたくしは神にも人にも敬慕されるガンガー女神なのです。
ヴァシシュタは八人のヴァス天人に人間界に生まれるよう呪いをかけたのですが、彼らの哀願<あいがん>に心を打たれ母親にならざるを得なかったわけです。
それでわたくしはあなたのもとで八人の子を産み落としました。ただ、それはあなたにとってもよかったのです。
それは八人目の子に尽くした貢献により、あなたは死後より高い世界へと進むことになるからです。
わたくしはしばらくこの子をあなたの最後の子として育て上げ、後にわたくしからの贈り物としてお返ししましょう。』
そう言ってガンガー女神はその赤子と共に消えていったのでした。
すこし前の仏教の番組のことを書いた記事で、
〝人間界に落とされる〟という神話があると書きましたが、それがこちらのお話でした。
丁度タイミングよくご紹介することになりました。
ただ、なぜ人間界に落とされることになったのか、、、
それにはちゃんとした理由があるようなんです。
そしてなぜ7人の赤子をガンジス河に流すことになったのか。
これにもきっとちゃんとした意図がありそうですね。
ガンガーの想いはいかに・・・。
また次回へつづく。

